2005年10月18日

雲のジュウザ



 いよいよ「北斗の拳」「北斗の拳2」を通して僕が一番好きなキャラクターの登場です。

 「北斗の拳」中で最も好きなキャラクター。南斗五車星の一人。ユリアを愛したが、ユリアが腹違いの妹であることを知り、魂を捨てる。拳王の南斗の都への侵攻に海のリハクは決起を再三決起を呼びかけるが動かない。「雲は動かず」報告を聞いたリハクは女に弱いジュウザの性格を利用し娘のトウを接近させ睡眠薬を盛り、南斗の城へ連れてくる。南斗最後の将の正体を知ったジュウザは立ち上がる。ユリアの「お前の命がほしい」という言葉と素顔を見たジュウザが魂を取り戻すシーンもすさまじさがあったが、僕が「北斗の拳」の中でも屈指の名シーンと思うのがジュウザとラオウの最初の一戦。(Read More に続く)Read Mor
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2005年10月17日

山のフドウ



 南斗五車星の一人、巨大な「おっさん」。雲のジュウザとラオウの戦いではジュウザがラオウの右手を奪おうと食らいつく。ジュウザの身長はラオウの右腕の長さよりやや長いほど。ジュウザは両足でラオウの腕を締め上げる。フドウのの肩の高さがラオウの身長、誇張が激しいこの作品なので単純に比較できるものではないが、フドウが如何に巨大かがわかる。バットのざっと5倍はある。
 最初は拳法家であることを隠し、弱いふりをしてケンシロウに近づく。バットが作ったバギーを失ったのでリンとバットはフドウの肩に乗って旅を続ける。この旅の中で強人的な体力を見せる
 若き日に「鬼」と呼ばれたフドウは102話にラオウの記憶として甦り、103話で語られる。ここで少女ユリアに出会ってフドウは鬼の鎧を封印する。ラオウの挑戦を受けてフドウは鬼の鎧の封印を解き、ラオウと対決。
 ラオウはケンシロウとの戦いで感じた恐怖を克服するために、かつて一度だけ恐怖を感じた男フドウを倒すことで恐怖心を克服しようとする。戦場に線を引き部下に「俺がその線より後退したら俺の背を矢で射れ」と命じる。ところが心理的に追いつめられたラオウが線より後退した時に部下たちはフドウを射殺す。
 この部下の仕業に怒り狂い、部下達を叩きのめしていく。その傷ついた部下たちを南斗慈母星のユリアが癒していく。ここ部分の愛の描き方が好きだ。部下はラオウを思って矢をフドウに射る。ラオウにはその理屈は通じない。叩きのめされた部下たちに対してユリアはラオウを弁護する側に回る。この後、トキの「それが愛だ」という言葉を思い出しつつ、涙してラオウはユリアに「お前の命、俺にくれー。」と絶叫して手にかけている。
 さて、フドウの亡骸はケンシロウによって野火送りにされる。立ち上がる炎を見ながら小屋ごと火葬されたレイの最後を思い出した。第4部が終了に近づくあたりから、もう涙、涙の連続。フドウのおっさんの死は全然かっこよくはないのだが、体の大きさが包容力を想像させ、五車星の使命さえ捨てても子供達を守ろうとする情け深いところが見ていて涙を抑えることができない。
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2005年10月16日

宿敵(とも)



 「北斗の拳」のファンにはお馴染みではあるが「宿敵」と書いて「とも」と読む。「北斗の拳」の主題はこのバイオレンスアニメにあって“愛”である。これもかなり明確だ。ケンシロウ自身が「愛」という言葉を吐くことは稀、というより無かったように思うが「とも」は随所で口にしている。
 南斗六聖拳の使い手、最初の宿敵であったのがシン(写真左から3番目)。声を演じるのは古川登志夫氏。北斗の三男ジャギにそそのかされてユリアを奪い、ケンシロウの胸に七つの傷をつけた男。北斗神拳の正統伝承者であり、シンとの最後の戦いを含めて絶対の強さを見せた男がどうしてこの時は破れたのかが今でも不思議に思う。そして最後の対決では既にユリアが死んで(そう信じていた)殉ずる対象がなくなっていたためかケンシロウは北斗十字斬をブラッディクロスの形に決めて勝利する。しかし、絶命する前に建物から飛び下りて自ら命を絶つ。
 シンは六聖拳の使い手の中では一番影の薄い存在になっているが(結果的に)、物語の始まりを語るには避けることはできない重要人物。ケンシロウはシンの亡骸を抱き上げると墓を作って埋葬する。どうしてそんな男の墓を作ってやるのかというバットの問いに「同じ女を愛したともだから」と答えている。ケンシロウの深い愛に支えられた物語だというのが読み取れると思う。
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2005年10月15日

最も華麗な男



 南斗六聖拳の使い手の内、拳王と戦ったのは南斗水鳥拳のレイ(写真右から2番目)ただ一人。塩沢兼人氏の「シャオー」という掛け声とともに鮮やかにかつ華麗に敵をスライスして葬り去るのが南斗水鳥拳。妹アイリが結婚式の直前に胸に七つの傷のある男に略奪され、妹を探しつつ胸に七つの傷のある男に復讐する旅に出る。その中でマミアやケンシロウと出会う。妹のこととなれば我を忘れて暴走する激情型の男でもあるが、女を捨てたマミアに対して南斗水鳥拳で衣服を切り裂き身体を隠そうとするマミアに「女を捨てたのならなぜ隠す」と見事なまでに説得力のある言動で人の心も切り裂く冷静な男。
 ケンシロウと組んで牙一族を倒し、ケンシロウがアイリの目に光を取り戻して以来、ケンシロウと共に戦った。ラオウといち早く拳を交えたがラオウの強大な闘気に圧倒され、技を見切られた。「真の奥義を極め、神髄を極めた者はその身に闘気をまとうことができる」「お前が今見たものは俺の闘気だ」ラオウは指一本でレイの秘孔「新血愁」を突いていた。この秘孔を突かれた者は激痛と恐怖にみまわれながら三日後に全身から血を噴き出して死ぬ。レイに延命のためと請われトキは逆秘孔である心霊台を突く。しかし痛みは今まで以上に激しく発狂することもあるという。ここの描写はアニメといえども大変痛そう、爪ははがれレイのブルーの髪は白髪に変わる。
 復活したレイの最後の戦いともいうべきものがユダとの戦い。南斗水鳥拳の足の動きを封じたユダの攻撃に、レイは腕を使って見事に切り抜ける。その華麗な技に見とれたユダの隙を突いて勝負をつける。とどめは負けを認めたユダがレイの手刀を自らの胸に突きたててつける。
 最期は小屋にひとり籠もり死を待つ。アイリ、マミヤが外で悲しむ。全身から血を噴き出して死ぬという姿は直接描かれなかった(当然か)が。噴き出した血が小屋の外まで流れ出ていた。血の扱いは「北斗の拳」は歴史上のアニメの中でも最高峰だ。以前にも書いたが血を光の如く、青白い炎の如く描いてバイオレンス漫画を人気作品に押し上げた。レイのこの場面の血は赤かったが。ケンシロウは小屋に火を点けともを葬り、第2部は終了する。
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2005年10月14日

退かぬ!媚びぬ!省みぬ



 南斗鳳凰拳・極星サウザー(写真左端)の名文句。南斗六聖拳の使い手の中では美形・声・味方ということで水鳥拳のレイが、特に女性ファンには一番人気だが、僕があげるとすれば一番はサウザーだ。南斗聖拳中最強で一子相伝の鳳凰拳を使い、ラオウもその身体の秘密を知らなかった。鳳凰拳は攻めのみで防御のない拳法。そんなものあるはずがないのだが、存在するのがアニメの世界。
 サウザーの身体の持つ秘密によってケンシロウも敗れて幽閉される。南斗白鷺拳のシュウの息子シバの活躍によりケンシロウは助かるが、南斗十字陵の人柱となってシュウが倒れる。この戦いに引き寄せられるように北斗の長兄ラオウ、次兄トキが南斗十字陵にやってくる。サウザーの秘密を知っているというトキがサウザーの前に進もうとするのをケンシロウが引き止める。前回の戦いでケンシロウはサウザーの身体の秘密を見切っていた。
 南斗鳳凰拳は一子相伝。真剣勝負の闇の戦いで初めてサウザーが倒した相手が師オウガイだった。伝承者が師を倒した時に伝承されるという宿命を持つ拳法。いよいよサウザーとケンシロウの戦いが始まる。ここでラオウが一言吠えている。
「この戦いを邪魔するものはこの北斗の長兄と次兄が許さん!」
 ラオウの言葉の中で最期の名セリフ以上に僕の心に焼きついている言葉。男と兄弟と愛に満ちあふれたセリフだと思いませんか。
 サウザーの身体の秘密は普通の人間とは秘孔の位置が表裏左右逆になっていたこと。それをケンシロウが前回の戦いで敗れたとはいえ、心臓の鼓動が逆から聞こえたことによって見抜いていた。南斗十字陵の中腹には師オウガイの墓標を隠し持っていた。「愛深き故に愛を捨てた」男であることを知ったケンシロウはとどめに痛みを感じさせない北斗有情拳猛翔破を使う。その情の拳にサウザーは少年のような顔に戻り涙を流す。そしてここでもケンシロウは行っている「お前もやはりともであった」と。
 南斗聖拳中最強、傲慢、極悪、虐待を尽くし「退かぬ!媚びぬ!省みぬ」と豪語するも前向きパワー前回を感じるこの男に憧れてしまうファンは僕以外にもいると思うのだが。声を演じたのは銀河万丈氏。
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2005年10月12日

北斗の次兄トキ



 カイオウ、ラオウの実弟にして北斗の次兄トキ(写真左から二人目)。声を演じるのは土師孝也氏。
 北斗神拳は秘孔を突いて相手を倒す拳だが、この秘孔を押さえる加減で病を直すことができるとケンシロウが正統継承者に選ばれて以降もその意志を貫き実践した優しき拳士。
 ラオウと共に崖下に落とされ、はい上がった者だけを養子に迎え入れるというリュウケンにラオウはトキを抱えて崖をはい上がる。ラオウの行為に驚きながらもリュウケンはラオウ、トキ共に養子とする。しかし核戦争でシェルターの扉が閉まらなくなり、自らを犠牲に外から扉を閉めて死の灰を浴びる。これが元で大きく命を縮めることになる。
 ラオウの剛の拳に対して柔の拳を使い、またケンシロウを支援するにあたっては病をものともしない拳で敵を倒す。カサンドラでは脱出が可能としながらも病で動けないためにケンシロウが来るのを待っていた。命を狙った拳王親衛隊にも痛みを伴わない有情破顔拳を繰り出し、安らかに笑いながらの死を与えた。
 見せ場は二度のラオウとの対峙とケンシロウ、リュウガとの戦い。最初のラオウとの戦いはトキが秘孔を突かれた直後、ケンシロウの新胆中を突いて動きを封じ、ラオウの剛の拳には静水の拳が必要と「俺の戦いを見ておけ」と命をかけて技をケンシロウに見せようとラオウに戦いを挑む。しかしラオウはトキの足を踏みつけ自分の足ごと剣を突き刺して間合いを固定して持久戦に持ち込む。この勝負は決死で呪縛から逃れたケンシロウが割って入る。これは息を呑む場面で後の勝負以上に緊張して見た覚えがある。ラオウから「道を踏み外した時は俺の拳を封じてくれ」と言われており、拳を使って止めようとするケンシロウに応えて拳を繰り出す。これは当然互角の戦いで引き分け。二度目のラオウとの戦いではトキが寿命を縮めて剛拳を繰り出す両太股付け根の刹活孔を突いて剛拳同士の一騎討ちとなる。しかし剛の拳ではラオウには勝ち目はなく全てを知り、余命も少ないことを悟ったラオウは戦いの途中から涙しつつ、とどめは刺さずに去る。この時のラオウのセリフを思い出さないのだが、「余命を安らかに暮らせ」と言っていたと思う。余命を北斗神拳による医術に使うトキを襲ったのがユリアの兄・泰山天狼拳のリュウガ(写真右端)。トキを殺しケンシロウとの真剣勝負に挑もうとするがリュウガはトキに止めを刺さなかった。それを知らぬケンシロウはリュウガに北斗百裂拳を見舞う。とどめの寸前にリュウガのペンダントの中のユリアの写真を見てケンシロウの動きは止まる。リュウガはケンシロウとの戦いの前に自らの腹を割っており果てる。ここでトキも命尽き、第3部が終了。
 最終回ではケンシロウがともを回想する中でトキは「ケンシロウ、悲しみを怒りにに変えろ」と言っている。今の実社会では反社会行為とされるが人間が最も大きな力を発揮するとすれば悲しみを原動力にした怒りであろうと僕も思う。心優しき柔の拳のトキではあったが、この言葉は拳士の精神を凝縮している。
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2005年10月11日

妊婦さんを見て思い出す人



思い出す程に名場面が浮かんでくる「北斗の拳」、もうしばらくおつきあいください。

 サウザーが南斗十字陵を建設するための労働力として刃向かわず従順で扱いの簡単な子供達を連れ去っていた。それを聞いて激怒したケンシロウはサウザーの住む町へ向かう。その旅の途中で現れたのが盲目の拳士南斗白鷺拳のシュウ。シュウは自分の命をかけてケンシロウがサウザーを倒せる男かを見極めようとした。ケンシロウはシュウの拳に殺気がないことを見てとどめを刺すのをやめる。シュウ(写真右から3番目)の声を演じたのは森功至氏。
 この戦いでケンシロウが吐いた言葉と北斗神拳奥義は夢物語的だが驚きの技だった。「お前たちは北斗神拳が何故に一子相伝の最強拳法か知らぬ。それを教えてやろう」と放ったのが北斗神拳奥義水影心。一度戦った、または見てとった拳法の技を修得して使うことができるというもの。この時はシュウに対して南斗紅鶴拳ユダの技を使っている。
 さてシュウは南斗北斗融和の時代には共に席を並べていたサウザーとは異なりレジスタンスの長となっていた。子供達を救うシュウが「今より輝こうとする子供達の光を奪うことは、絶対に許せんのだ」と言ったことで、ケンシロウは昔のことを思い出す。修行時代の少年ケンシロウは南斗の十人組み手で九人目まで勝ち進む。最後の相手がシュウだった。南斗北斗の他流試合での負けは死を意味する。果たしてシュウが勝利しケンシロウの命が奪われそうになるがシュウは「今より輝こうとする光を奪うことは許されない」と自らの両目の光と引き換えにケンシロウの命を救う。同席していたラオウは「やつが仁の星の男であったことを忘れておった」とつぶやいている。
 このケンシロウの恩人は南斗十字陵の人柱となるため、陵の最上に立ち、その体をサウザーの投げた槍が貫く。駆け寄るケンシロウ。その時奇跡が起きシュウの視力が回復する。成長したケンシロウに息子の姿を重ねてシュウは倒れる。
 電車に乗っていると身体の不自由な人、老人も乗ってくる。その人達に席を譲ることはもちろん人のいたわりの心が為すもの。なかでも妊婦さんを見ると思うのだ。あのお腹の中には「今より光り輝こうとする子供達が入っている」のだと。人類の将来を担う子供達の生まれてくる前の姿をみるといつもシュウの顔とあの言葉を思い出す。
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