
「北斗の拳2」の最終回は黒王号にまたがりリンを乗せ、ヒョウを乗せて進むバットと海のリハク、北斗の軍のシーンから始まる。前回から続くカイオウとケンシロウの戦いはいよいよ最後を迎えようとしていた。
戦いの場に到着したバットがケンシロウに駆け寄ろうとするのをリハクが制する。
「
拳に命をかけた男の戦い、見守るのが我らの務め」
北斗琉拳の魔闘気を封じたケンシロウにカイオウの額から汗が浮かび上がる。
「
通じぬ、お前の魔闘気は通じぬ」
ケンシロウに既に足を封じられたカイオウは這いながら母者の墓標に向かい、母者の位牌を抱き締めて、今一撃のチャンスを請う。
「
たとえ天地逆になっても、己の生き方は変えぬ!」
すさまじい間欠泉と共に宙に舞い上がったカイオウは肘打でケンシロウを狙うが、既に勝負は着いていた。「
終った!」とのかけ声のもとケンシロウの拳はカイオウの胸に決まる。リハク「
決まった」。
ケンシロウはとどめをさせというカイオウに母者の位牌を渡して、
「
お前もともであった」
カイオウに人の情が甦る。リンの死環白を突いて記憶を消したことを悔いるカイオウ。そこにバットがやってくる。「
リンは無事だ。この人が命をかけてリンを」よろよろと黒王号から降りるヒョウ。カイオウ「よくぞ来た。お前の拳でとどめを刺すがよい」。しかしヒョウはよろよろとカイオウの上に倒れ込む。「
俺が強かったら、北斗宗家の嫡男としての力量が十分であったら、お前は歪まなかったはず」この言葉を聞いてカイオウの目からは涙がとうとうと流れる。
「
また、あの幼き日に戻って共に遊ぼうぞ」
このカイオウの言葉を聞く度に涙がこぼれてしまう。ヒョウはその後カイオウの腕の中で息絶える。「
ヒョウ!」カイオウの絶叫が響く。カイオウはヒョウを抱いて崖を登り溶岩に包まれて石像化する。
リンをバットに託して立ち去るケンシロウ。主題歌の流れる中、シン、レイ、シュウ、サウザー、トキそしてユリアの声が響く。バックには主だった敵味方の映像が流れて物語は幕を閉じる。「さらばケンシロウ、さらば北斗神拳」
最終回は通して見てきた者にとっては定めを背負った男の区切りと見て取れる。感動のそして、名セリフ連発の1話だと思う。もし初めてこの作品を見ようとされる方は決してこの最終回を先に見てはいけません。「また、あの幼き日に戻って共に遊ぼうぞ」このカイオウの言葉の意味はここだけを見ただけで決して理解できないからです。