2016年08月20日

「電送人間」(1)



 「電送人間」は1960年に東宝が製作、公開した特撮映画。「美女と液体人間」に続いて製作された“変身人間シリーズ”の第2作。製作は田中友幸、脚本は関沢新一、音楽は池野成、特技監督は円谷英二、監督は福田純。カラー85分。
 終戦当時、陸軍中尉・大西正義は敗戦の混乱に乗じて軍の資金(金の延べ棒)を横領しようとしたが、運ぶ際にあまりの重さに落とした箱の中身を須藤は見てしまう。大西、隆、滝、塚本は阻止しようとした須藤兵長を銃剣で刺し仁木博士と共にダイナマイトを使って洞窟内に生き埋めにしてしまう。後日、大西らが洞窟に金の延べ棒を回収するために出向いたが金の延べ棒も須藤、仁木博士の遺体も発見することはできなかった。それから時を経て、遊園地のスリラーショウで呼び出された塚本が銃剣で刺し殺されるという事件が起こる。
 大西らは次々に送られてくる脅迫状から須藤兵長が生きており、かれの復讐であることをつきとめるものの、神出鬼没の須藤に隆が殺され、事件の子細を話し警察に保護を願い出る。新聞記者の桐岡は友人の刑事・小林とともに須藤が中本と名を変え仁木博士と軽井沢の別荘でひっそり暮らしていることをつきとめる。仁木博士の発明した物質電送機を使って須藤は犯行を行っており、ありばいを崩せないでいた。滝が殺され、とうとう大西も殺して復讐を達成した須藤は物質電送機で軽井沢へ逃亡しようとするが、須藤の犯行を知った仁木博士が受信側の電送機を破壊して電送失敗の末に須藤は消滅してしまう。
 現代のドラマや映画、アニメにしてもこのような作品なら、事件後のエピローグを付けるのが普通だが、この作品は須藤の消滅と共に「終」でプッツリ切れてしまったような感覚を受けてしまう。また須藤が犯行後、逃亡している最中にバリバリと電送の余韻のように電気を発する場面が何度もあるが、電送機を出てしまえば普通の人間。何か意味があるのかと気になって見ていたものの、ストーリーには全く関係なかった。ちょっと「電送人間」にこだわり過ぎかなと。

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2016年08月03日

「ガス人間第一号」(3)

★キャスト
○岡本賢治警部補 / 三橋達也
 本作の主人公。警視庁捜査一課の刑事、新米警部補。東都新報記者の甲野京子の婚約者。

○甲野京子 / 佐多契子
 東都新報の記者。岡本警部補の婚約者。特種を求めて事件を追う内に、藤千代を何とか助けたいと思い始める。



○春日藤千代 / 八千草薫
 日本舞踊・春日流家元。先代を継ぎ確かな踊りの技を持ちながら、支流派に見放されて落ちぶれている。田舎の屋敷に老鼓師と暮らす。八千草薫さんは僕がテレビのドラマに興味を持って見始めた頃は、もうお母さんが似合うとってもおだやかな女優さんでしたが、この作品では若くてエネルギッシュ。めちゃくちゃきれいです。この頃から着物が似合う女優さんだったんですね。




○老鼓師 / 左卜全
 藤千代と暮らす年老いた鼓師。最後まで藤千代に付き従った。藤千代から「爺や」と呼ばれる、ストーリーには深くかかわらないキャラクターですが、さすがに存在感が半端ではありません。



○水野 / 土屋嘉男
 佐野博士の人体実験の末、ガス人間となる。

○佐野久伍博士 / 村上冬樹
 城北大学医学部教授、佐野生化学研究所所長、生物学者。人体改造を目論む科学者。人体実験を繰り返して人を殺め、ガス人間となった水野に殺される。本来の実験の目的や求めた結果については語られていない。

○田端警部 / 田島義文
 警視庁捜査一課の刑事、警部。岡本の上司。

○田宮博士 / 伊藤久哉
 科学的興味からも警察に協力する科学者。佐野博士のラボを調べ、ガス人間抹殺の策を提案する。

○戸部編集局長 / 中村哲
 東都新報の編集局長。新聞広告によりガス人間との対談取材を申し込み、水野と対峙する。

○池田デスク / 松村達雄
 東都新報社会部デスク。甲野京子の直属の上司。

○川崎 / 野村浩三
 東都新報の記者。甲野京子の同僚。

○紋太夫 / 松本染升
 春日流の出の一派を率いる家元。藤千代に協力しようという態度を見せるが、大勢にも従おうとする。ある意味、良識的な人物。

○里代 / 塩沢とき
 紋太夫 の奥方。

○他に日本舞踊の長唄師、三味線、お囃子にはその道のプロが出演。
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2016年08月02日

「ガス人間第一号」(2)


岡本警部補と東都新報の記者・京子

★ストーリー
 大学を卒業した水野は航空自衛隊を志願、パイロットを夢見るが叶わず、図書館に就職する。ある日、佐野久伍博士が訪ねてきて、「人体を細胞から改造すればパイロットはおろか宇宙飛行士にさえなれる。」と月給2万円で実験への協力を求めてくる。大学卒の初任給が1万円に達しない時代の話、高額ではなく微妙な金額。金の魅力もあり水野は日曜日に博士を訪ねる。求められるままに注射を打たれ、実験装置に入った水野は240時間の睡眠の後に体が気体になってしまう。博士にとっても想定外の結果で、水野の詰問に以前から人体実験を繰り返していたことを漏らしてしまい、水野に殺される。水野は精神統一により自分の体を肉体にしたり気体にしたりする能力を身につける。
 物語は東京で不可解な銀行強盗事件が起こるところから始まる。犯人を追う警部補の岡本を乗せたパトカーは犯人が奪って逃げた銀行の車を追跡するが、その車が転落事故を起こす。ところが犯人は忽然と消えてしまっていた。すぐ近くに日本舞踊春日流の家元・藤千代の屋敷があったが結局犯人を見つけることはできなかった。
 ところが零落した春日流家元が突然金回りが良くなる。藤千代は春日流本家の発表会を行うために奔走、お金を使って本家から離れた流派の参加を取り付けていく。一方、警察も藤千代の身辺を洗いはじめ、とうとう銀行がチェックした札の番号を屋敷の中で発見して、藤千代を逮捕する。そんな中、警察に真犯人を名乗る水野が現れ、藤千代の無実を訴え自らは逮捕される。警察の取り調べに「実際に手口をお見せしましょう」と現場検証でガス化して手口を晒した上で逃亡してしまう。水野は愛する藤千代のために銀行強盗をしてお金を貢いでいたのだった。ガス人間を逮捕する策は警察にはなく、藤千代を釈放して協力を求めるのだった。
 警察は田宮博士に協力を仰ぎ無毒性引火ガス・UMガスを使って水野を焼却抹殺する作戦を立てる。藤千代は発表会を予定通り行い、水野は鑑賞にやってくる。田端警部は苦渋の決断で藤千代、老鼓師共々爆発させるとスイッチを入れるが点火しない。舞いを終えた藤千代と水野が抱擁する中、藤千代は静かにライターを着火する。ホールは大爆発を起こす。ホール入り口に藤千代の着物を纏った瀕死ガス人間が現れ、肉体化してこと切れるのだった。
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「ガス人間第一号」(1)



 「ガス人間第一号」は1960年に東宝より公開された劇場版特撮映画。“変身人間シリーズ”の中で唯一未鑑賞だったが、ようやく見ることができた。製作は田中友幸、原作はジョン・メレディス・ルーカス著「ガス人間」、脚本は木村武、音楽に宮内國郎、特技監督に円谷英二、監督は本多猪四郎。
 非常に完成度が高くて、昭和30年代の作品でありながら、強引なつじつま合わせや無理なストーリー展開は全くなく質も高い。唯一違和感があったのはガス人間を作った佐野久伍博士が水野を押し込んだ実験設備。その直前の映像はいかにも昭和30年代の化学実験室という感じだったが、部屋をひとつ奥に入って出てきたのがいかにも張りぼてに見える設備だった。
 今の邦画は大半がクレジットはエンディング、エンドロールだが、本作のようにプロローグ、タイトルコール、オープニングで、クレジットが流れるのは古臭さを感じるものの、正統派のような気がする。そしてオープニングを含めてその音楽は宮内國郎が担当。私たちの年代なら「うわっ、ウルトラQ」と思ってしまう。本作のBGMが後に「ウルトラQ」や「ウルトラマン」に流用されたいうことで、こちらがオリジナルだ。「ウルトラQ」のあの回あの場面に流れた曲がいっぱい。「ガラダマ」のダムの遊覧船のラジオから流れる曲も。
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2016年07月16日

インファント島の小美人



 先日、ザ・ピーナッツの妹さんの方、伊藤ユミさんの訃報が一月以上もたってから流れましたね。先般の白川由美さんは完全に親の年代の女優さんで、テレビで普段見かけない方でしたが、ザ・ピーナッツというと子供の頃にテレビで歌っており、1975年まだ若くして芸能界を引退されたので印象も深く、ショックな出来事でした。1941年生まれ、姉エミさんが2012年、妹ユミさんが2016年5月18日になくなられました。ご冥福をお祈りいたします。
 なんと言ってもザ・ピーナッツと言えば「モスラ」の小美人ですね。映画「モスラ」ではインファント島から連れ去られ見せ物にされます。ショーで歌う「モスラの歌」は今もって特撮ファンに馴染みの曲、人気の曲です。
 小美人を救出するため、モスラが孵化。体長180メートルの巨大なイモムシが日本へ向かって泳ぎ、東京タワーをへし折って蛹化。羽化した巨大な蛾は小美人を連れてインファント島へ帰っていきます。
 次作「ゴジラ対モスラ」でも小美人で登場。嵐で流されたモスラの卵がなぜか日本に漂着。それを再び日本国内へ持ち帰り見せ物にするのですが。。。今度はモスラともに小美人は卵を取り戻しにやってきます。
 「モスラの歌」は本編でも中核をなす挿入歌。中学一年の時に録音して意味は分からぬまま覚えました。今でも勿論歌えます。作詞は日本語でなされ、インドネシア語に訳されたそうです。作曲は古関裕而さん。

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2016年07月10日

「美女と液体人間」(1)

白川由美さん追悼記事。最後の作品はこれです。



 「美女と液体人間」は1958年に東宝から公開されたSF映画作品。原作は海上日出男、脚本は馬淵薫、音楽は佐藤勝、製作は田中友幸、特技監督に円谷英二、監督は本多猪四郎。カラー、87分。
 「核」をテーマにした「変身人間シリーズ」の1作で、僕の生まれる前に作られた作品故に「怪獣」の登場しないし見たのは随分あとになってから。科学者役の佐原健二と刑事役の平田昭彦、キャバレーの歌手役の白川由美を中心に、大半がドラマ展開で特撮の部分は少ない。特撮は液体人間が人を襲うシーンに多く、「怪奇大作戦」を思い出させるようなシーンに、円谷英二監督はもうこの時代から、この描き方を使っていたのだと感心させられた。強い放射線を浴びると液体生物化するという設定が現代の私たちにはこじつけにしか見えないけれど、映画としては十分楽しめます。
 ある雨の夜、タクシーが男をはねるが、衣服だけを残して逃げた痕跡も遺体も残っていないという怪事件が発生する。遺物から麻薬密売にかかわる事件として捜査一課の富永捜査課長が事件を追う。一方富永の友人で城東大学助教授の政田は放射線を浴びて液体化した液体人間がかかわっていると説くが、富永は全く信用しなかった。事件は大詰めを迎えて犯人を一網打尽にしようとした警官たちの目の前で人が液体と化する場面に直面し、やっと富永はその真相を知り、液体人間根絶の作戦が実行される。
 キャバレー「ホムラ」の歌手新井千加子は最初にタクシーの目の前で消えた三崎の女で、三崎が消えたことで命を狙われることになる。液体人間が人の精神を残しているという設定になっており、組員や密売人を、また千加子を狙ったことに意味があったのか。最後は自衛隊、消防隊の協力の元、液体人間掃討作戦が実行され、千加子も救出されてハッピーエンドで終了する。最後に「核」の恐ろしさを伝えるメッセージを残して映画は幕を閉じる。
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2016年07月03日

「妖星ゴラス」(2)

白川由美さん追悼記事



★キャスト
 東宝の特撮映画の中でも異例のキャスティング。常連の平田昭彦、佐原健二も脇役。
○田沢博士 / 池部良
 日本の若き宇宙物理学博士。地球移動計画実践の指揮を執る。本作の主役。
○河野博士 / 上原謙
 宇宙物理学博士、政府機関との交渉に当たる。
○園田謙介 / 志村喬
 日本の権威的科学者。隼号艇長の父。生物学に長けていたのかマグマの出現で南極に招聘されその正体が爬虫類であることをつきとめる。
○園田雷蔵 / 田崎潤
 隼号艇長。土星探査を中止して「ゴラス」調査を決断。「ゴラス」に捕らえられ最後の瞬間までデータを送り続けた。
○真鍋英夫 / 桐野洋雄
 隼号副長。野村滝子の恋人。
○遠藤 / 平田昭彦
 鳳号艇長。
○斎木 / 佐原健二
 鳳号副長。
○伊東 / 二瓶正典
 「ウルトラマン」のイデ隊員。相変わらずのギャグキャラです。
○金井達麿 / 久保明
 鳳号乗員。野村滝子の幼なじみ。カプセル1で「ゴラス」に接近してデータを取る。危機一髪で帰還したが記憶喪失になる。登場シーンからしてふざけた役かと思いきや、特撮では単身「ゴラス」に接近、本編でもヒューマンドラマとして結構重要な役所を演じました。映画ポスターでは池部良さんの次に、本編クレジットも3番目に名前が上がってますものね。
○園田智子 / 白川由美
 隼号艇長の娘。
○野村滝子 / 水野久美
 宇宙省長官の秘書。
○村田 / 西村晃
 宇宙省長官。
○キャバレーの客 / 天本英世
 出発を前にした鳳号の乗員たちが飲むキャバレーにいた客。伊東に不吉な言葉をかける。若き天本さんですが、存在感は大きいです。
○フーバーマン / ジョージ・A・ファーネス
 アメリカ人科学者。国連で国を越えての協力を呼びかけ、南極での作戦でも中心的役割を果たします。
○ギブソン / ロス・ベネット

★劇中歌「俺ら宇宙のパイロット」
 本編で3度登場する劇中歌。最初は、医務室で伊東が口ずさむ。二度目は富士山麓宇宙港から鳳号の乗務員らが科学省へ押しかけるヘリの中で歌われる。最後は鳳号出発前の鳳号乗務員たちがキャバレーで歌うシーン。


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