2023年01月14日

「忍風戦隊ハリケンジャー 10 YEARS AFTER」(1)



 「シン・ウルトラマン」の長澤まさみさんを見て、そういえば長澤姓の同年代の俳優さんがいたな---と思い出したのが長澤奈央さん。ハリケンジャーのハリケンブルーの人。「忍風戦隊ハリケンジャー 」には「10 YEARS AFTER」というオリジナルビデオ作品があるが未鑑賞だったので見てみました。
 「忍風戦隊ハリケンジャー 10 YEARS AFTER」は2013年8月にリリースされたオリジナルビデオ作品。2002年〜2003年に放映された「スーパー戦隊シリーズ」第26作の「忍風戦隊ハリケンジャー」のテレビシリーズ終了後10年の後日談を描いた続編。「スーパー戦隊シリーズ」は前作と当年作のコラボで後日談が制作されるのが恒例だったが、これだけ年数が経過しての制作は初。スタッフや出演者が制作終了後も交流があったことから企画が始まったとのことで、作品以上に人の繋がりを感じさせる。
 制作陣・俳優陣ともにテレビシリーズのスタッフが集結していて、10年後ということもあり、若き俳優さんは大いに成長して上手くなって芝居には見応えがある。フラビージョの山本梓さんは子供っぽさが取れて大人の美女になっており、ウェンディーヌの福澄美緒さんは結婚引退していたのに、本作のために復帰、松田佳代名義で出演している。カブトライジャー(霞一甲)を演じる白川裕二郎の所属する純烈も出演。何かと見ていて10年を感じさせる楽しい作品となっている。演出はテレビシリーズのノリをそのまま受け継いでいる。
 原作は八手三郎名義、エグゼグティブプロデューサーに東映ビデオの加藤和夫、東映の日笠淳、プロデューサーに東映ビデオの中野剛、東映の塚田英明、東映エージェンシーの矢田晃。そしてアソシエイトプロデューサーにはハリケンブルーの長澤奈央とハリケンイエローの山本康平の二人。企画の発端がこの二人だったというのが凄い。脚本に宮下隼一、監督に渡辺勝也、制作は東映ビデオ、東映、東映チャンネル、東映エージエンシー、51分。


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2023年01月12日

「シン・ウルトラマン」(4)

★主題歌
○「M八七」



 エンドロールで流れる米津玄師の歌うエンディングテーマ。オリジナルではウルトラマンの故郷はM78星雲ということになっているが、もともと台本ではM87であったのが誤植によりM78になったという話は有名。タイトルは原典に帰ってのことだろう。歌詞は文字通り本作の主題を問う。リズムとメロディを追いかけてしまいがちだが、歌詞をじっくり聞くのも良いと思う。作詞・作曲・歌ともに米津玄師、編曲は米津玄師、坂東祐大。

○「小鳥」



 神永とメフィラスが居酒屋で語る場面でバックに流れていた曲で隠れた名曲なんだそうだ。あんまり小さな音だから全然気づかなかった。テレビ版「日本沈没」(1974) の挿入歌。作詞:山口洋子、作曲:筒美京平、編曲:ボブ佐久間、歌:五木ひろし。当時のレコード「明日の愛」(日本沈没のオープニングテーマ曲)のB面に収録されている。手持ちのレコードの音をちょっとだけご紹介しようかと思ったが、YouTubeに公式で上がっていたので、こちらを聞いてください。
↓↓↓↓↓↓
https://www.youtube.com/watch?v=svtAGbHpYiI
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2023年01月11日

「シン・ウルトラマン」(3)

★キャラクター&キャスト



○神永新二 / 斎藤工
 本作品の主人公。警察庁公安部から出向した作戦立案担当官。感情をあまり外に出さない。机の上には消波ブロックのミニチュアを並べ置いている。もともと単独行動が多かったらしいが、ウルトラマンと融合した後は更に多くなる。

○浅見弘子 / 長澤まさみ
 本作のヒロイン。神永以上にこの人が主人公ではないのか?と思う程に描写が多い。元ニノ四分析官で、公安より巨人対策のために出向。神永とバディを組みながらも信頼度は波のように上下する。不幸なことにメフィラスにより巨大化させられる。科特隊のフジ隊員がメフィラスに巨大化させられ怪獣図鑑に「怪獣・巨大フジ隊員」として掲載されていることを桜井浩子さんが嘆いておられたが、ネット社会の現代、それ以上に悲惨な状況となる。机の上には一切余計なものを置かない。

○滝明久 / 有岡大貴
 城北大学理学研究科非粒子物理学専攻の専従班の非粒子物理学者。物理学の立場から作戦立案にかかわる。机の上にはエンタープライズ号などなど模型類が散在する。

○船縁由美 / 早見あかり
 文部科学省より出向した専従班の汎用生物学者。禍威獣対策を生物学の立場から提案・助言する。机の上には生物関連の書籍を積み上げている。

○田村君男 / 西島秀俊
 防衛省防衛政策局より出向した禍特対専従班の班長。現場へ出て指揮する。

○宗像龍彦 / 田中哲司
 禍特対の室長。禍特対と政府のパイプ役。普段は現場へは出向かない。

○防災大臣・小室肇 / 岩松了

○内閣総理大臣・大隈泰司 / 嶋田久作 
 「大怪獣のあとしまつ」でもそうでしたが、最近大臣をよく演じてます。渋いです。とは言え、嶋田さんを見ると怪人・加藤保憲の顔が最初に浮かんできます(笑)。

○防衛大臣・狩場邦彦 / 益岡徹

○外務大臣・中西誠一 / 山崎一

○メフィラス / 山本耕史



 外星人第0号。本来の姿はオリジナルの雰囲気を持つものの細身で目鼻のないデザイン。優しく穏やかな話し方をする。戦闘シーンでは高圧的でしたが、オリジナルの加藤精三さんのような威圧感のある口調はありません。諺、成句を持ち出して「私の好きな言葉です」「私の苦手な言葉です」と特徴的に語る。「河岸を変えよう」などと雅びな言葉も使う。

○ウルトラマン(声) / 高橋一生
 オリジナルデザインのカラータイマ−のない姿で、全身金属ぽいシルバーの巨人。赤いラインは体の状態が影響した?と緑に変化した。オリジナルのように語る時以外の擬声音は発しない。

○ゾーフィ(声) / 山寺宏一



 光の星の新たな使者。こちらもカラータイマーのないすらっとした巨人。「目を覚ませ」や「そんなに人間(オリジナルでは地球人)が好きになったのか」などオリジナルを彷彿させる台詞が嬉しい。光の星のルールには忠実。天体制圧用最終兵器ゼットンを自立展開して地球を太陽系ごと殲滅しようとする。

○ザラブ(声) / 津田健次郎



 外星人第2号。本来の姿のままマントを纏いハットをかぶって現れた。オリジナルよりも戦闘能力は高かったが、結局ウルトラマンに敗れる。
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2023年01月10日

「シン・ウルトラマン」(2)

★ストーリー



 舞台は巨大不明生物・禍威獣が多数出現する日本。日本政府は防災庁は禍威獣特設対策室専従班を設立していた。禍威獣第7号ネロンガの対処時に大気圏外から巨人が飛来してネロンガをスペシウム光線で粉砕する。巨人飛来時の衝撃波で子供を守って禍特対・神永新二は命を落とすが、巨人(ウルトラマン}は神永と融合する。(オリジナルでのハヤタとウルトラマンの一心同体化「ウルトラ作戦第1号」)さらに禍特対に新人・浅見弘子が分析官として加わる。
 そんな状況下で禍特対オフィスに外星人ザラブが現われ、日本政府への取り次ぎを依頼してくる。現代科学を超越した技術を武器に不平等な条約を結び、日本を火種に人類の自滅を目論む。ウルトラマン=神永を拉致・監禁して邪魔しないようにすると共に、その正体を世界に知らしめる。さらに自身がウルトラマンに化けて破壊行為をはたらく。(オリジナルの「遊星からきた兄弟」)しかし、予めザラブを危視していた神永が浅見にβカプセルを託し、浅見の救出によって変身したウルトラマンによりザラブは倒される。



 その後日、浅見が無断欠勤したが突如巨大化して市街に現われる。外星人第0号(ウルトラマン以前に地球に侵入していた)と称するメフィラスは人類を巨大化して生物兵器として応用することができるβシステムのデモンストレーションとして浅見分析官を選んだのだった。日本政府にβシステムを供与する代わりに人類の上位存在を認めさせる密約を日本と交わす。神永はそれを実力で阻止するため禍特対に協力を求める。巨大化したメフィラスとウルトラマンの戦いが始まる。(オリジナルの「禁じられた言葉」)オリジナルでは互角、本作ではメフィラス優位な戦闘だったが、光の星からの使者ゾーフィの姿を見て戦闘を中止し、βシステムを回収して撤収するのだった。
 ゾーフィはウルトラマンが神永と融合したことによって人類が生物兵器に転用できることが宇宙に知られてしまったため、人類を危険な種族だとして殲滅することが決定したことを伝える。ゾーフィは自律モードで天体制圧用最終兵器ゼットンを展開する。神永は禍特対に状況を説明した上で、敗北覚悟で単身ゼットンに挑み敗れ、昏睡状態となる。世界の上層部はゼットンの存在を一般には知らせることなく滅亡の時を迎えることにする。絶望の中、禍特対の滝は神永が残したβシステムの基礎原理を元に世界中の科学者とゼットン討伐の方策を探り、βシステムの応用でゼットンを次元の裂け目に飛ばす作戦が立てられる。神永は帰還が危ぶまれる中、人類を守るために作戦を実行してゼットンの破壊に成功する。
 次元の狭間に飛ばされたウルトラマンの信号をゾーフィが関知して現われ、人類の健闘を讃え、殲滅は撤回されたことを伝える。そしてウルトラマンを伴って光の星へ帰還しようとするが、人類の未来を思うウルトラマンは神永として地球に残ろうとする。しかしそれは叶わぬ願いだと分かると、自分の命を神永に残して地球を去ることを願い、ゾーフィはそれを認めてウルトラマンと神永の肉体を分離する。(オリジナルの「さらばウルトラマン」)
 オリジナルのストーリーをふまえつつ、新たな設定に組み立てた物語が秀逸。
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2023年01月09日

「シン・ウルトラマン」(1)



 昨年の話題作。でしたが、やっと見る機会に恵まれました。

 「シン・ウルトラマン」は2022年5月に公開されたSF特撮映画。1960年代に放映されたテレビシリーズ「ウルトラQ」と「ウルトラマン」の設定やエピソードを元に現代風に再構成して制作された作品。オリジナルのファンタジックな部分は全く排されてシリアスでハードな内容になっている。「空想特撮映画」と題されている。
 総監修に庵野秀明、監督に樋口真嗣、企画に塚越隆行・庵野秀明、脚本に庵野秀明、音楽に宮内國郎・鷺巣詩郎。製作は「シン・ウルトラマン」製作委員会(円谷プロダクション、東宝、カラー)、配給は東宝、112分。
 CG映像もふんだんに使用されており、ウルトラマンの原型モデルはオリジナルのウルトラマンを演じた古谷敏、モーションアクションアクターも古谷氏が担当。ウルトラマンをはじめとする外星人、禍威獣のデザインはオリジナルの成田亨のデザインを用いている。キャッチコピーは「そんなに人間が好きになったのか、ウルトラマン。」「空想と浪漫。そして、友情。」となっているが、ちょっと違うなぁという印象。
 登場する巨大生物は「禍威獣(カイジュウ)」と呼ばれ、日本政府が設立した禍威獣特設対策室専従班(略称:禍特対(カトクタイ))の面々が活躍する。「ウルトラQ」から選抜された禍威獣はゴメス、マンモスフラワー、ラルゲユウス、ペギラ、カイゲル、パゴス。「ウルトラマン」からはネロンガ、ガボラ、ザラブ、メフィラス、ゾーフィ、ゼットンが登場する。オリジナルの制作エピソードで予算と時間の関係でパゴスの着ぐるみは頭をすげ替えてネロンガとガボラに転用されているが、本作では「頭だけが異なる胴体部分がほぼ同じの同属」と設定されていて笑った。【参考】ネロンガとガボラの頭部は生物らしからぬ金属的、人工的なデザインで「地球に放置された生物兵器」という設定にピッタリな風貌。人は空中、水上、水中を推進するのにプロペラやスクリューを使うが、生物は何故かこの回転式の推進装置を使うようには進化しなかった。それだけにガボラの回転ドリル式の地中推進は機械的、人工的な印象を大きく受ける。



 形状だけでなく、台詞にもオリジナルそのままのものが随所にあって懐かしい。キャッチコピー「そんなに人間が好きになったのか、ウルトラマン。」は終盤のゾーフィの台詞。オリジナルのゾーフィの台詞を「そんなに地球人が好きになったのか。」を改変している。


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2022年05月27日

「大怪獣のあとしまつ」(2)

★キャラクター&キャスト
 よくもまあ、この作品に…と思うほどに豪華キャスト。



〇帯刀アラタ / 山田涼介
 特務隊一等特尉。数年前、謎の光をバイクで追っている中で行方不明になり、2年後戻ってきた。その経緯は誰も知らない。

〇雨音ユキノ / 土屋太鳳
 環境大臣秘書官。元特務隊の隊員であり、アラタの元恋人。夫は総理秘書官の正彦。

〇雨音正彦 / 濱田岳
 総理秘書官。元特務隊の隊員。

〇ブルース=青島涼 / オダギリジョー
 元特務隊隊員、爆破のプロ。ダムの破壊のため、アラタがその腕を見込んで依頼する。ダムの爆破には成功したが、意識不明の重体となる。

〇西大立目完 / 西田敏行
 内閣総理大臣。ふざけたセリフが多いがそれでも政府閣僚の中では一番まとも。



〇敷島征一郎 / 眞間秀和
 特務隊隊長。

〇椚山猫 / SUMIRE
 特務隊隊員、スナイパー。盗撮を狙うドローンを撃ち落とす場面で登場。凄腕の持ち主。後半ではアラタの命令で飛んできたロケット弾を撃ち落としている。

〇ユキノの母親 / 銀粉蝶

〇蓮佛紗ゆり / ふせえり
 環境大臣。ヒーロー、ヒロインに絡む重要な役所。閣僚として死体視察をいち早く行う行動派。死体に上って中継。現実なら余りに危険な行為だが、転落して頭から死体に突き刺さるというギャグを見せる。

〇杉原公人 / 六角精児
 官房長官。怪獣の呼称を「希望」と定め、会見で「名称は“希望”であります」を発表。平成おじさん・小渕恵三さんのパロディだが、ちょっと古くないか。

〇竹中学 / 矢柴俊博
 文部科学大臣。

〇道尾創 / 笠兼三
 国土交通大臣。ネーミングからふざけたヤツも多いが、この人が一番分かりやすいか、“みちお つくる”。

〇甘栗ゆう子 / MEGUMI
 厚生労働大臣。

〇五百蔵睦道 / 岩松了
 国防大臣。

〇中垣内渡 / 嶋田久作
 外務大臣。怪人・嶋田久作さんらしい不気味な雰囲気を持つ外務大臣。

〇財前二郎 / 笹野高史
 財務大臣。

〇中島隼 / 田中要次
 国防軍統合幕僚長。

〇真砂千 / 菊地凛子
 国防軍大佐。国防軍からの命令で死体調査に入ったが頭から腐敗物を浴びるハメに。

〇武庫川電気 / 染谷将太
 動画クリエイター。大怪獣の死体の撮影を執拗に狙う。避難命令を無視して現場に近づき、腐敗物を浴びる。救出されたが全身にキノコが生える。

〇八見雲登 / 松重豊
 町工場の社長。アラタに腐敗ガスを上空に巻き上げる方法を提案した。
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2022年05月26日

「大怪獣のあとしまつ」(1)



 「大怪獣のあとしまつ」は2022年2月に松竹&東映から公開された“日本映画史に残る衝撃の空想特撮エンターテイメント”と冠する限りなくSF作品に近いギャグ作品。監督・脚本は三木聡、製作は須藤泰司・古久保宏子・中居雄太・山尾海彦、製作総指揮は吉田繁暁・木村光仁、音楽は上野耕路、撮影は高田陽幸、編集は富永孝、制作は東映東京撮影所、製作は「大怪獣のあとしまつ」製作委員会、上映時間115分。
 通常怪獣が登場する特撮作品では倒された怪獣の死体については描かれない。近年の怪獣映画では過去の作品で倒された怪獣の屍を利用したりする作品は存在しており、メカゴジラ、キングギドラ、などは屍から復活している。しかしそれらは海の底深くに沈んでいたり、既に骨格だけになっていたりと、単純に動物の死体としては扱っていない。かなり前のことになるが「ウルトラマン」(1967年)第29話「地底への挑戦」で科学特捜隊とウルトラマンに倒された黄金怪獣ゴルドンの死体から金が回収されて被害のあった地元に還元されたという話がナレーションにより語られる。「黄金怪獣ゴルドンの死体からは150トンの純金が取れた。科学特捜隊はゴルドンのために全滅した“むろお町”の復興資金としてその金を町に進呈したということである。」いずれにしても生き物の死体の処理の話は出てこない。


黄金怪獣ゴルドンの死体

 この作品が巨大生物遺体の処理を話の中心に据えていることは大変に興味深いことだと思う。私たちの生活の中で巨大生物の遺体の処理の話が持ち上がるのは、打ち上げられたあるいは座礁して死んだクジラの遺体。クジラの遺体だけでもその処理が大変なものであることは明らかで、腐敗臭、細菌の増殖、腐敗爆発等々がニュースになっている。まして80メートルもある大怪獣なら想像を絶する作業だろう。


★ストーリー



 関東に現われた大怪獣に自衛隊の通常兵器は全く歯が立たない。ところが突如現われた光に包まれて怪獣は絶命。この映画には大怪獣が生きている時の映像はありません。一級河川の上に横たわる死体から、映画はスタートを切ります。
 この死体の後始末をどうするのか。一級河川の上だから建設省?怪獣攻撃に多大なお金を使ったから防衛省が責任を取る?観光資源として死体を「希望」と名付けて画策する政府。一方で腐敗爆発の危険を含む巨大な死体。腐敗ガスの臭いを「銀杏の臭い」と表現する滑稽さ。ガスに含まれる謎の菌糸。豪華俳優陣がシリアス組とパフォーマンス組に分かれて演じる大エンターテイメントです。

主人公・帯刀アラタは自衛隊特務隊の隊員で、空を飛翔する光る物体に衝突して2年間行くえ不明となっていた経歴を持つ。政府は怪獣の遺体処理を総理大臣直轄の自衛隊特務に任せることになり、その責任者にアラタを指名する。調査に乗り出すアラタ。予想以上のスピードで腐る遺体は生物学的な視点から保存しようとする意見もあったが、それにも増して危険な状態になっていく。怪獣の体内で発生した腐敗ガスが充満して腐敗爆発の危険が出てくる。アラタはダムを爆破してその水流で遺体を海へ流そうとする。ダム爆破には成功し、水で冷却することにより一旦腐敗爆発を避けることには成功したが、水量が足らず怪獣の遺体は依然地上に残っていた。
 東京町工場の社長・八見雲登が提案したガスを成層圏まで巻き上げてしまう提案に、アラタの元カノ・雨音ユキノの夫、総理の秘書官である雨音正彦は、ロケット弾を用いて実行に移す。しかし、その不正確さに懸念を抱くアラタは自ら怪獣の遺体に取りついて穿孔しガスの排出口を作っていくのだが…。作業の最中にとうとうロケット弾が着弾してしまい、遺体から落下するアラタ。アラタはこの作戦が終わったら全てを話すと言っていたユキノの目の前で、光の巨人に変身して怪獣の遺体を持ち上げると、宇宙へ向かって飛んで行く。彼女の最後のセリフ「ご武運を」が頭からはなれません。ここでこのセリフか?
 作品の冒頭で雨音正彦は総理の机の上に「deus ex machina」と書かれたメモを見かける。総理から立ち入ってはいけない情報には目をつぶるように諭されるのだが、正彦は怪獣が突如現われた光に覆われ、胸に致命傷を負った子細を調査し、結果アラタの正体を予見するような言動を発する。「deus ex machina」(デウス・エクス・マキナ)絶対的なあるいは超越した力の存在が混乱を一掃して事態を解決して物語を収束させる。結末は最初から暗示されていたわけです。
 ハッピーエンドならそれでいいと思う反面、真剣に見ていた人、おそらくこの作品を100%真剣に見ている人はいないでしょうが、その人にとっては超落胆する結末でした。ちなみに私は肯定派ですよ。
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