
遺伝育種の用語に「雑種強勢」というのがあります。違う品種の両親を持つ雑種第一代は両親のどちらかの形質が現れるか、両親が持つ形質の相乗効果が出るのは普通のことです。人間にたとえると青い目の人と茶色の目の人の子供の目は青か茶色。両親とも背が高いと更に背の高い子になったりします。ところが稀に両親にない優れた形質が出現することがあります。これが雑種強勢です。夏野菜の品種の多くが雑種強勢を利用したものです。
さて閑話休題。「Spiral」は「BLOOD-C」のオープニング。歌詞の内容を読むとストーリーとリンクした詞になっているのですが、日本語と英語とフランス語が使われていて、正に言葉の雑種強勢なのです。歌詞をじっくり聞かせるというよりも音で乗せていく楽曲ですが、最初聞いた時、いや何度聞いても何を言っているのかわからない箇所が続出の曲。聞き取りにくい原因がまず日本語で、本来の日本語の抑揚と違うところに音の強拍が来たりしていたりするのも一因です。それからフランス語。歌っている「DUSTZ」が「日仏ハーフ3人で構成される日本のバンド」だそうで、まあ大概フランス語が出てくれば、すぐにそれと気付くのですが、歌詞を見るまでわかりませんでした。
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∞ 忙しない Why I must be bleeding? 逃げれない メランコリー
限界 足掻いてる 発狂寸前 Because it will never end
J'ai plus rien a croire
Cette vie qu'est-ce qu'il y a à voir?
敵わない this suffering world!
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シームレスな言語の切換え、ノリの良い曲です。オープニング映像もぴったりと決まってすばらしい。作詞:DUSTZ、作曲:DUSTZ & BOND×L!TH!UM、歌:DUSTZ。