
昨年放映されたアニメの中で一番シリアス、一番過酷なアニメと言うと「魔法少女まどか☆マギカ」だと思います。だからこそ人気沸騰、再編集して劇場版を作るというようなことになってます。画を見ていると全然そんな雰囲気がないんですけどね。それがいかなるものかは別の機会に。
今日はその一端を垣間見ることのできる第6話のまどかと母・詢子の会話をご紹介。ちょっと長いですが。夜中、風呂上がりにお酒を飲む母、そこへまどかがやってくるところから。
おっ、眠れないのかい。
ウン。
ちょっといい。
友達がね大変なの。やってることも言ってることもたぶん間違ってなくて、なのに正しいことを考えようとすればするほど、どんどん酷いことになっていくの。
よくあることさ。
えっ。
くやしいけどね、正しいことだけ積み上げていけばハッピーエンドが手に入るってわけじゃない。
むしろ、みんながみんな自分の正しさを信じこんで依怙地になるほどに幸せって遠ざかってくもんだよ。
間違ってないのに幸せになれなって酷いよ。
うん。
あたし、どうしたらいいんだろう。
そいつばかりは他人が口を突っ込んでもきれいな解決はつかないね。たとえきれいじゃない方法だとしても解決したいかい?
うん。
なら、間違えればいいさ。
ええっ。
正いすぎるその子の分まで誰かが間違えてあげればいい。
間違える?
ずるい嘘ついたり、コワイものから逃げ出したり、でもそれが、後になって正解だったってわかることがある。本当に他にどうしようもないくらいどん詰まりになったら、一層おもいきって間違えちゃうのも手なんだよ。
それがその子のためになるって分かってもらえるかな。
分かってもらえない時もある。特にすぐにはねえ。言ったろう、きれいな解決じゃないって。
その子のこと諦めるか、誤解されるかどっちがマシだい。
ええっ。
まどか、あんたはいい子に育った。嘘もつかないし悪いこともしない。
いつだって正しくあろうとして頑張ってる。子供としてはもう合格だ。
だからさ、大人になる前に今度は間違え方もちゃんと勉強しときな。
勉強なの?
若いうちはけがの治りも早い。今の内に上手な転び方を覚えといたら、あとあときっと役に立つよ。
大人になっちゃうとね、どんどん間違うのが難しくなっちゃうんだ。背負ったものが増える程、下手を打てなくなってく。
ふーん。それって辛くない?
うん、大人は誰だって辛いのさ。
だから酒飲んでもいいってことになってんの。