2011年08月27日

「七瀬ふたたび」(劇場版)その1



 「七瀬ふたたび」(劇場版)はIMJエンタテインメントの配給で2010年10月に公開されたSF特撮映画作品。原作は筒井康隆の小説「七瀬ふたたび」で、監督は小中和哉、プロデューサーは小椋悟、脚本は伊藤和典、音楽は岸利至、製作は「七瀬ふたたび」製作委員会、キャッチコピーは「彼女はテレパス 人の心の中を読む」。カラー、105分。
 「筒井康隆作家生活50周年記念映画」と題され、所謂七瀬三部作「家族八景」、「エディプスの恋人」、「七瀬ふたたび」の劇場用作品だが、文字通り「七瀬ふたたび」の後半、というかもうクライマックスに近いところから描き始め、鑑賞している人に説明しなければならない所は回想として描いているだけで、それ以前の描写は殆どない。僕は三部作は全部読んでいるのですっと状況が頭に入って来ますが、初めての人にはどうでしょうね。三部作の前二作はテレパス・七瀬の日常を描いたものであるのに反して、最後の「七瀬ふたたび」は超能力者の戦いが描かれていて、映画も原作に忠実にアクション映画になっている。
 すばらしいなと思うのが原作の再現性。原作を如何なる手法で忠実に再現できるかというのが、芸術性、映像作品を無視した僕の一番の興味ですが、ストーリー性については文句がないですね、結末を除けば。岩淵は七瀬と行動を共にせず、顔を合わそうとしないし、ヘンリーは七瀬の信奉者として彼女の命令がなければ能力を使わない。ノリオがちょっと大きすぎる?当の七瀬はこの作品以前のどの七瀬よりも戦いには非情で強い。「心に掛け金をかける」という筒井康隆さんの表現どおりにセリフを言ってます。
 原作では敵は七瀬達を追いつめていき、最後は殲滅します。特に予知能力者の岩淵の最期は鮮烈です。彼はある時予知能力がなくなってしまい、未来の映像が見えなくなってしまいます。彼は死に際にその謎に気付きます。自分が死んでから先の未来は見えないのだと。
 さて問題の結末ですが、原作は敵が超能力者狩りを遂行し七瀬たちを殲滅して、どしっ重いどうしようもない雰囲気の中で終わってしまいます。少年ドラマシリーズでは“少年ドラマ”なので殺人シーンはなかったですが、それをにおわせる映像で閉じていましたね。本作品は藤子がみんなが行きている過去に飛んで、新たなパラレルワールドを作る可能性を示唆して希望をもった形で終わっています。やっぱり何か違うな〜という感じがぬぐえません。超能力者狩りの成功をもって、組織が権力が時代を牛耳るところに主題があって、何かはぐらかされたような気がしてなりません。
posted by KAZU at 18:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 特撮
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