
未鑑賞だった「日本沈没」の1973年劇場版を借りてきました。編集というか、時間調整のためかやけにカットされた感が強いですが、なかなか良い出来ではないでしょうか。
「日本沈没」(1973年)は1973年に東宝から公開された劇場用SF特撮映画作品。原作は小松左京の同タイトルの長編小説。監督は森谷司郎、音楽は佐藤勝、特技監督に中野昭慶、 地学の知識を必要とする様々な場面もあり、特別スタッフとして地球物理学の竹内均東大教授、大崎順彦東大教授、奈須紀幸東大教授、火山学の諏訪彰氏、科学者の面々、原作者の小松左京氏も名を連ねる。製作・配給は東宝で、カラー140分。
とある無人島の水没を調査するため特殊潜航艇“わだつみ”の操縦者・小野寺は、地球物理学者・田所博士と共に海底に潜る。異常な地殻変動を確認した田所博士は、政府からの日本海溝での異変の報告に、更に日本海溝にも潜るが、その海底で巨大な亀裂と乱泥流を発見する。田所博士は集積したデータから日本列島は最短で2年で水没すると予測する。政府は最初は田所博士の説に耳を傾けなかったが、次々と起こる地殻の変動に「D計画」を立て日本の国民と資産を海外へ移すことを決断する。
原作では田所博士を中心とする海底調査、D計画の発動と遂行という科学・政治を描いた部分と、小野寺と阿部玲子を中心としたヒューマンを描いた部分があるが、この作品では前者の部分を中心に描いていて、全体としてSF特撮作品の色が濃いものに仕上がっている。小説を読んだ限り主人公は小野寺なのだけれど、この映画を見ると主人公は小野寺ではなく、辞表を出してD計画を外れた田所博士でもなく、山本総理ということになるんでしょう。災害時の映像は幾度も流れるけれど被災者視線での描写はありません。
☆キャスト
・田所雄介博士/小林桂樹
地球物理学の権威、アウトサイダー的存在。最後は日本と運命を共にする。
・山本総理/丹波哲郎
時の内閣総理大臣。
・小野寺俊夫/藤岡弘
海洋開発センター(法人)の潜航艇の操艇者。
・阿部玲子/いしだあゆみ
小野寺が上司から紹介された女性、後のフィアンセ。
・結城達也/夏八木勲
小野寺の同僚で、潜航中の小野寺を会場でバックアップする。
・渡老人/島田正吾
財政界を裏から牛耳る黒幕。100歳を越えるらしい。D計画を資金面でバックアップした。病魔に冒されており、最後は日本と運命をともにする。
・竹内教授/竹内均
ノンクレジットだったが、ご存知竹内均東大教授。総理を含めた政府要人に地球物理学の説明をした。
・花江/角ゆり子
渡老人の姪。渡老人の身の周りの世話をしつつ付き添った。最後は総理と共に日本を脱出した。
・中田一成/二谷英明
D−1計画の中心人物。情報科学の専門家。
・幸長助教授/滝田裕介
D−1計画の中心人物の一人。総理の計画終了命令まで尽力した。
・片岡/村井国夫
D−1計画の中心人物の一人。
・邦枝/中丸忠雄
内閣調査室所属、総理大臣秘書官。D−1計画には携わらなかったがD−1と総理のパイプライン。
今の目で見ても、あの頃から日本は何も変わっていないと言うのが良く判ります。いや、かえって悪化しているかも・・
原作本はそれこそ台詞を空で言えるほどに読み返しましたが、最初に読んだ頃(中学生でした)と今では関心のある場所が変わったり、最近読み返して改めて驚くこともあります。
小松左京さんの偉大さに驚くばかりです。
僕は原作を読んだのは高校生でしたが、
基本的に日本は変わってないというのは同感ですね。
今、2006年の劇場版を見始めていますが、
あちらの方は設定もキャラクターも大きく原作を
外れていますから、この作品の方が原作を忠実に
描いた感じがします。
>小松左京さんの偉大さに驚くばかりです。
荒唐無稽と思えるこの設定をここまで人がのめり
込める程の作品が書けるというのは、スゴイと
思います。