2009年10月11日

「海底大戦争」(WATER CYBORG)



 「海底大戦争」は1966年に東映で公開されたSF特撮映画。原案は福島正実、脚本は大津皓一、音楽が菊池俊輔、水中撮影は館石昭、監督は佐藤肇。制作は東映、カラー、84分。アメリカでの公開を前提に日米合作で作られたそうで、大半のキャストが外タレ、日本人は主人公の千葉真一が目立っているだけで、外はわずかしか出演していない。英題の「WATER CYBORG」は本編の内容を的確に現したタイトルだが、邦題の「海底大戦争」はどうしてこんなタイトルを・・・と思うくらい。大戦争とは到底言い難い内容。
 日本公開版は吹き替え。当時の映画というとタイトルバックに続いてスタッフ、キャストが流れて最後に「完」または「終」の文字が浮び上がって終了というパターン。この作品も例に漏れない。この方が最後にスタッフ&キャストがエンディングロールで流れる作品よりも感動を留めたまま家に帰れるので好きなのだが。もうひとつ当時の吹き替えではキャストの中に担当声優さんの名前を表示しないのが普通。これはテレビでもそうだった。同時期の「ウルトラセブン」でも何人かの外タレが出演していているが、声優さんの名前はオープニングにない。ちなみにこの作品には「ウルトラセブン」のボガード参謀を演じたフランツ・グルーバーが米軍ブラウン中佐役で出演しています。ボガード参謀は吹き替えなしで本人が日本語を喋っていましたが、この作品では日本語版は吹き替えです。
 アメリカ海軍の新型魚雷「誘導魚雷」の公開実験が潜水艦に記者を招いて行われる。ところが公開実験ではあってはならない事故が発生し、実験映像の中に正体不明の人影が横切る。東日新聞科学担当記者の安部(千葉真一)は米人カメラマンのジェニーと共に実験海域にアクアラング潜行しするが、ジェニーが水中でモンスターに遭遇、ジェニーは写真撮影するもカメラを落としてしまう。逃げることに成功した二人は米軍の担当将校ブラウン中佐にかけあうが、モンスターの存在を否定、再度の捜索についても断る。証拠をつきつけるために安部とジェニーは落としたカメラを捜しに再び実験海域に潜るが、そこで不思議な海底洞窟を見つける洞窟の中を探検する内に二人はモンスターに囲まれて拉致されてしまう。そこは世界の先鋭的思想を持つ科学者を集めて、ハイム博士による対水中用サイボーグを使って世界征服をたくらむムーア博士の海底基地であった。一方米国海軍は安部とジェニーが消息を絶った海域を捜索してジェニーのカメラを発見する。写真にモンスターが写っていたことから、ブラウン中佐は潜水艦を使って探索を開始しようとするが、本部から探索の中止を指示される。強行に探索続行を主張するブラウン中佐だったが、命令を実行する艦長に止められてしまう。ムーア博士は安部にスポークスマンとなるように強要する。更に安部とジェニーにサイボーグ改造術を見せ、協力しない場合はサイボーグにすると脅す。二人は脱出を試みたが再び捕らえられてしまう。ムーア博士は原子灰処埋センターのハワード教授も誘拐、ハワード博士に協力を求めるが、それを断ったことから安部とジェニーにサイボーグ改造術を開始する。皮膚改造が開始され本手術の開始を待つばかり。ハワード教授の誘拐で捜索を開始した米軍潜水艦はムーア博士の海底基地を発見して攻撃を開始。ミサイル発射口の爆発が誘発して海底基地の機能が停止する。狂ったサイボーグが人を襲い、ハイム博士が殺され、ムーア博士も追い詰められる。脱出しを急ぐムーア博士と安部の対決でムーア博士は倒れ、無事脱出カプセルで安部、ジェニー、ハワード教授は脱出に成功する。ハワード教授の力で安部とジェニーの皮膚改造は治療されハッピーエンド。

☆キャスト
安部/千葉真一
ジェニー/ペギー・ニール
ブラウン中佐/フランツ・グルーベル
ハワード教授/アンドリュウ・ヒューズ
潜水艦艦長/ブラウン・ガン
ハンス・ムーア博士/エリック・ニールセン
ヨゼフ・ハイム博士/マイク・ダニーン
ルイーザ/ビバリー・ケラー
ムーア博士の助手チャン/三重街恒二
ムーア博士の助手/室田日出男
サービル/ハンス・ホルネフ
posted by KAZU at 20:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 特撮
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