
アニメの「黄金バット」がテレビ放映(1967年)される前に東映系で公開されたのが劇場版「黄金バット」。当時月刊誌「少年画報」でアニメ放映開始前にスチール写真が掲載され、映画はモノクロ作品でしたが映画の宣伝用に撮られたスチール写真でしょうか、黄金色に輝く黄金バットが印象的でした。他にスーパーカーの写真などもありましたか。モノクロ作品ということでカラー時代になりテレビ放映されることは少なかったようですが、一度だけ見る機会がありました。残念ながら気づいた時は終末の場面でした。黄金バットがあんなに精巧に作られているにもかかわらず、ナゾーはと言うと明らかに布製のかぶりものをかぶった、貫祿も威厳もない貧相な宇宙人でした。長いこと見ることができないでいましたが、デジタル化が進んでDVDは出る、ネット配信もあるで、やっと見るチャンスにめぐまれました。
「黄金バット」(劇場版)は1966年東映系で公開された特撮劇場作品。原作は松永健夫、監督は佐藤肇、脚本は高久進、音楽には菊池俊輔、製作は東映。先にご紹介した「怪竜大決戦」と同時期に制作された作品です。モノクロ、73分。
◎キャスト
主人公ヤマトネに千葉真一、パール博士にアンドリュウ・ヒューズ(声は吹き替えでした)、清水隊員にはキャプテ・ウルトラの中田博久、中村隊員に岡野耕作。風早アキラに山川ワタル、秋山ナオミ隊員に筑波久子、パール博士の孫娘エミリーにエミリー・ベアード。ナゾーに悪役俳優の関山耕司、ナゾーの部下ケロイドに沼田曜一、同じくナゾーの部下ジャッカルに北川恵一、同じくナゾーの部下で紅一点のピラニアに国景子。他に冒頭に登場する警官に青島幸男。黄金バットのスーツアクターは“ミスター黄金バット”とクレジット、声を演じたのはアニメ版続投の小林修。
主題歌はアニメ版と同じく、というよりこっちが先ですから、アニメが劇場版をそのまま流用した形となっています。「黄金バットの歌」、作詞は第一動画文芸部、作曲は田中正史、歌はヴォーカル・ショップと小林修。もちろん小林修さんは笑い声だけです。1960年代を代表するアニメ主題歌の傑作のひとつ。