政府は“アクアプロジェクト”という新しいエネルギー資源の開発を湖で行っていたが、その過程で偶然湖に異次元へつながるゲートが開き、その向こう側に同じような並行世界がそんざいすることを発見する。この発見の直後、アクアプロジェクトは政府によって情報を隠蔽されてしまう。実は地球は既にグラキエスによって侵略され、情報操作によって見せ掛けの平和の上に支配されていた。彼らはゲートの向こうにある世界をも侵略しようと画策していた。3カ月前、隠蔽されたアクアプロジェクトを探るために湖に潜入したジンとエレアは追われ、ジンは撃たれて二人とも湖に落下する。湖に沈んでいくジンを助けたい、人類を助けたいというエレアの祈りは、ゲートの向こう世界(我々の世界)のウルトラセブンに届き、セブンはこちらの世界でジンと一心同体となり活動するためジンの体を借りたいと言う。果たしてジンは甦るがジンの記憶も、セブンの意識も失っていた。デウスの本部爆破に向かうエージェントケイとエス、アクアプロジェクトの施設爆破に向かうジンとエレア。ジンは変身して巨大な蜘蛛型のメカ・グラキエス3体と戦うが、3体の巧妙なコンビネーション攻撃に敗北する。ジンの元に向かい再び祈るエレアにジンはウルトラセブンの意識を持って甦り、メカ・グラキエスを粉砕。地下にうごめく夥しい数のグラキエスをアイスラッガーでなぎ倒し、ワイドショットで殲滅する。更にデウスの基地で間一髪ケイとエスを救出してエレアの待つ湖へ戻ってくる。ジンと分離したウルトラセブンは赤い玉となって湖のゲートを通り元の世界へ帰って行く。

ハッピーエンドなのだけれど、情報操作されていた人類はグラキエスのもたらしていた情報を失ってどうなっていくのかという先行きのわからない不安を残して幕を閉じる。大きな違和感の原因は多分、グラキエスをアイスラッガーでなぎ倒し、ワイドショットで焼き払っていくセブンの姿ではないかと思う。モロボシ・ダンの意識を取り戻したウルトラセブンが今まで見せたことのないすさまじい姿だったから。湖に沈んで元の世界へ戻っていくセブンの赤い玉は「ウルトラマン」の赤い玉を思い出させるシーンでした。かの地の湖で還暦を過ぎたアンヌと帰還したダンの再会は必要なかったのではとも思うが、ウルトラセブン生誕40周年ということでこれもまた、よしとしましょう。