
「リリカルなのは」では事件の解決に何人をも失わない最善の方法を皆が考えてそれを実行しようとするお話です。ハードなSF的要素を持ちながら、どこまでもファンタジーを失わず。でも理屈は通っているのです。前シリーズでは結局フェイトの母を失いました。「A's」ではリインフォースを失うことになるのですが。
一番の異色のキャラクターというとグレアム時空管理局提督ですね。かつての自らの失敗でクロノの父を失ったことに苦しみ、「闇の書」と主を捜し当て、闇の書の発動と共に主ごと凍結魔法で葬ろうとします。そしてそれを導くために使い魔のリーゼアリアとリーゼロッテを仮面の戦士として差し向け、管理局内部からなのは達を混乱させます。主はやてを犠牲にして「闇の書」を葬ろうとする作戦はクロノの手によって阻止されるのですが、この方法は「リリカルなのは」ではあってはいけない方法だった訳です。
はやての覚醒によって、「闇の書」の防御プログラムは切り離され、「夜天の魔導書」に「リインフォース」の名を与え、守護騎士ヴォルケンリッターを再生します。クロノ、なのは、フェイト、はやて、ユーノ、アルフ、ヴォルケンリッターの面々が暴走し始める「闇の書」の防御プログラムを文字通り「ぶっ飛ばし」、転送魔法で宇宙空間へ転送、アースラの魔導砲“アルカンシェル”で消滅させます。皆が力を合わせて立ち向かう、第12話のこの部分は「A's」の中での一番の見せ場となっています。
ここでお話終了にならないところが「リリカルなのは」の作品としての非常にすばらしいところ。リインフォースは失われた根本のプログラムを修復することは不可能で、自らが活動を続ければ再び防御プログラムを再生するため、自らの破壊を進言する。そして自らの消滅をなのはとフェイトに頼む。
「お前たちにもいずれ分かる、海よりも深く愛し、その幸福を守りたいと思える者と出会えればな」
リインフォースのこの言葉に主題が凝縮されていると思うのです。
エンディングは6年後のなのは達の姿。中学三年生になったなのは達。なのはは「時空管理局武装隊・戦技指導官、フェイトは執務官、はやては捜査官、クロノはアースラの艦長、ユーノは無限書庫の主任司書。「スタンバイ・レディ」「セットアップ」で幕を閉じる。
