
「ワンダービートS(スクランブル)」は1986年にTBS系列で放映されたアニメ作品。アニメ制作は虫プロで監修が手塚治虫氏。人体・生命・医療をテーマにした作品で手塚氏監修が光る作品。全24話、制作は東京放送。医療機器のテルモが単独スポンサーについた意欲的作品だったにもかかわらず、視聴率がのびなかったようだ。ビデオに26話まで収録されているところを見てもわかるが、26話まで制作されていたそうで、急遽最終回を作りなおして番組を早期に打ち切っている。
舞台は22世紀。宇宙探査船「グリーン・スリーブス号」が「X23」と呼ばれる浮遊惑星を発見する。ところが「X23」が通過したあと、その軌道にあった惑星の生命体が死滅しているらしいという。そこで地球の世界連盟は「X23」の破壊を命令するのだが・・・。グリーン・スリーブス号の隊長、スギタ博士はこれを拒否して消息を絶つ。ここらあたりの経緯は余り記憶に残っていない。
それから2年たったある日、スギタ博士の長男ススムは総合健康科学研究所のドクター・ミヤから特殊医療舞台「ホワイトペガサス」への入隊を要請される。ホワイトペガサスは特殊潜行艇「ワンダービート」に乗り込み、ミクロ化され人体に潜入、治療を行う。
キャストは行方不明のスギタ博士の長男スギタ・ススムに田中真弓、ミクロナイザーシステムを開発したドクター・ミヤに永井一郎、ドクター・ミヤの姪マユミに荘真由美、ビオに江守浩子、リー・メイファンに小山茉美、マイケル・ヤンソンに難波圭一。他に吉田奈穂、堀川亮、鶴ひろみ、塩沢兼人ら。
知名度が低い番組で覚えておられる方も少ないと思うが、主題歌は秀でた曲だった。オープニングは「瞳はコスモス」で荒木とよひさ作詞、奥慶一作曲、大谷和夫編曲、うたは燕奈緒美、燕真由美。エンディングは「ワンダービート」で伊藤アキラ作詞、奥慶一作・編曲、歌は同じく燕奈緒美、燕真由美。なぜか16話?からオープニングとエンディングを入れ換えている。
オープニングの歌詞はSFものには似合わない荒木とよひさ氏だが、作品のテーマを見事にとらえて実力を見せておられる。曲はこれまたオープニングには似合わないメロディだが一度聞くと忘れ得ない。歌っているお二人は1970年代「ザ・リリーズ」として活躍した双子姉妹。