メルカッツは「銀河英雄伝説」帝国軍の名将、上級大将。数々の功績をあげてきた名将ではあった。アスターテ会戦ではラインハルト軍の配下として参戦、自軍の倍の同盟軍の侵攻に対し、ラインハルトにいかにして戦うつもりであるかを問うている。不安にかられる他の提督と気持ちは同様であったが、年下のラインハルトに対しても上官であるという姿勢は崩さず、またラインハルトに対して一切悪口はついていない。このあたりからも人柄がうかがえる。
ラインハルトは「撤退など思いもよらぬことだ。われわれが敵より圧倒的に有利な態勢にあるからだ」と各個撃破の作戦を説明する。ヤンのせいで完全なる勝利にはならなかったが敵の2/3の艦隊を沈めた戦いにラインハルトの実力を早くから認めたのもメルカッツだった。
リップシュタット戦役では門閥貴族連合軍司令官に就く。この任を心ならずも受けているが、この後が歴史に弄ばれた感が強い。眼を閉じて深く考える表情は物静かなのだが、リップシュタット戦役で副官シュナイダー自決を妨げられ、家族も伴わず同盟へ亡命する。ラインハルトもメルカッツを戦役後に抑えられなかったことを悔やんでいる。帝国幼帝ヨーゼフ二世が誘拐され同盟領内で銀河帝国正統政府が樹立され、その際メルカッツは軍務尚書かつ元帥に就いている。さらにヤンから「動くシャーウッドの森」を率いることを頼まれ受諾している。流転の人生を活きた男。最後まで帝国軍服は脱がず、同盟の主要キャラクターであるにもかかわらず、帝国・同盟どちらのポスターにも載っていない中途半端な存在。
ヨブ・トリューニヒトは陰険な悪徳政治家でその悪徳故にロイエンタールに丸腰のまま銃殺されたが、それもそれなりの人生。ところがメルカッツはいけません。僕には納得のいかない人生だ。彼は帝国に残ってラインハルト麾下であればその軍歴、能力も有効に使えたものを。(先にあげたサイトの著者の意見には賛成しかねます)
2005年03月31日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/44515486
この記事へのトラックバック
http://blog.sakura.ne.jp/tb/44515486
この記事へのトラックバック