2004年09月30日

Cucumber

 僕がニュージーランドで厨房に立っていた時のこと、ワーキングホリデーの若者はパワーがあって度胸もある。僕もロクに英語を喋られないが、よくもまあこんな貧弱な英語で来るものだと感心することも多々あった。「KAZUさん、ククンバーって何ですか?」。この時は一瞬言葉に詰まった。cucumberをククンバーと読むか!確かに学校では出てこない単語だが、仮にも海外に住む人間が身のまわりの物の名詞くらいはねえ。
 キュウリがcucumberであることは中学の時に知った。学校の授業ではなくて、アニメ「ミュンヘンへの道」を通してだ。ミュンヘン五輪男子バレーボールチーム12人は、南将之、猫田勝敏、中村祐造、西本哲雄、木村憲治、深尾吉英、野口泰弘、森田淳悟、横田忠義、大古誠司、佐藤哲夫、嶋岡健治の錚錚たるメンバーである。松平監督がいう世界に通用する大砲、大古と横田にセンター森田を加えたビッグ3、名セッター猫田の不動のメンバー以外は誰が入っても戦力は同じとまで言われたくらい層の厚いチームだった。この男子チームがソ連に遠征した時、食事に大きなキュウリの酢漬けが出たそうだ。何かと訪ねると「キューカンバ」という。それが佐藤哲夫選手の顔にあまりに似ていたため、チーム全員爆笑だったそうだ。佐藤選手は確かに長身で細身、顔も面長だがそんなにキュウリに似ているとは思わなかったが。いったいどんなキュウリだったのだろう。以来佐藤選手のあだ名はキューカンバ(きゅうり)になったそうだ。一時はレギュラー6人にも入る勢いだったとのこと。
 そんなある日、合同練習の当日、東京に大雪が降った。電車が不通になったため、チームのみんなは富士フィルムに所属する佐藤選手は今日は来ないものだと思っていた。ところが佐藤選手はコートを纏い、線路の上を何時間も歩いて東京の練習場まで歩いてやってきた。「監督、遅くなってすいません」。監督以下一同驚きの感動の名場面である。「ミュンヘンへの道」は大古のZ攻撃や森田の一人時間差など新しい戦法を生み出すエピソードを紹介しているが、この佐藤選手のエピソードはファンの間では泣ける名場面として有名。僕にとってはcucumberという単語を知った思い出のエピソードでもある。
posted by KAZU at 19:15| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメーション
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