2018年10月23日

「君の名は。」(2)



 さて、ストーリーのレビューは今更というところがありますので、今回は抜きにして、僕の感想を。
 心身が他人と入れ代わるという設定の作品は、過去からたくさんあって日常的に近しい二人が入れ代わったり、SF作品のこともああったり。母と娘が入れ代わった奇想天外な「映画 あたしンち」も衝撃的でした。この作品では本来見知らぬ男女二人が入れ代わるのですが、その時間がズレているところがひとつの見どころ。「スタートレック・ヴォイジャー」にあったワームホールの向こうは遥か何万光年も離れた場所というだけでなく、時間も飛び越えていたという、あのエピソードのように。





 ヒロインの宮水三葉は“宮水神社”の娘であり、お約束通り巫女。劇中で妹・四葉と共にお神楽を舞って奉納しています。この場面が神々しくて好きです。「神様はじめました」で奈々生が神楽を舞うシーンとイメージが重なります。鈴の音が穢れを払い、神の道への扉を開きます。本来のストーリーと直結していないので、神楽のシーンは短いですが、ここで登場する“口噛み酒”が物語に深くかかわってきます。もう随分前に講談社現代新書の「酒の話」で唾液で澱粉を分解して糖にして発酵させアルコールを作った歴史を読みましたが、テレビで現代でも南米でこの種の酒が作られているというのを実際に見て驚きました。日本では遠き昔に、この作品と同じように神事になされていたらしく、日本酒とは起源を同じくしていないそうです。お神楽の後、四葉に言われて三葉が想像した「口噛み酒」の広告がやけに印象的。


posted by KAZU at 06:56| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメーション
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