
2008年10月に劇場公開された作品。監督は平野俊貴、制作はトムス・エンタテインメント、配給はゴー・シネマ、90分。
ケンシロウがシンに敗れてから再起するまでを描く。テレビシリーズの前の空白期間を描いているが、ストーリーは大半がオリジナルで、ファンとしては弱みをかかえたケンシロウがショックな作品だった。1度だけ見て、今回が2度目。キャラクターもオリジナルな面々が殆どだが、声をあてる声優さんはテレビシリーズで活躍した懐かしい面々。
冒頭はラオウを倒して旅するケンシロウとユリアが北斗ゆかりの地で結婚式を挙げる。かつての宿敵(とも)たちが鐘を鳴らす。そしてユリアがケンシロウの子をみごもり、その子が伝えるべきケンシロウの歴史をユリアが請う。ここからケンシロウがシンに倒された後からリンとバットに出会うまでの空白の期間を語る。
絶望的な状況での戦い、その後には何らかの希望に光に満ちたシーンで終わる「北斗の拳」ではあるが、この作品はケンシロウ以外は全員死ぬという絶望的なシーンで終わる。エンドロールの後にエピローグとして、本来の「北斗の拳」の冒頭部、ケンシロウがリンとバットに出会い、リンが「ケーン」と叫ぶ場面が描かれる。

★キャラクター&キャスト
○ケンシロウ / 阿部寛
○ユリア / 石田ゆり子
○リュウケン / 大塚周夫
○シン / 桐本琢也
〇ジュガイ / 小山力也
シンと南斗孤鷲拳伝承者を争った男。妻と子を殺した相手を復讐して殺した。そのことで自ら伝承者の座を降りる。ゲッソーシティを襲い支配しようとするが、覚醒したケンシロウに倒される。負け(死)を悟った後に、意外にもケンシロウに詫びの言葉を残して果てた。
〇フウゲン / 青野武
シン、ジュガイの師父、先代南斗孤鷲拳伝承者。伝承の直後にシンに足の腱を切られてしまう。ゲッソーシティの奴隷商人グルマに捕らえられて商品として陳列されていたが足がわるいために売れ残っていた。ケンシロウの甘さ故にシスカ殺害を止めるが、それでも赴いたケンシロウに加勢した。最後は爆風に巻き込まれケンシロウの腕の中で絶命する。
〇グルマ / 玄田哲章
ゲッソーシティの奴隷売人。元パソコンソフト会社の社長であったが、部下であった課長のシスカにゲッソーシティのコントロールを奪われる。下衆な奴隷承認だが最後はケンシロウに加勢した。最後はジュガイ軍団の矢をケンシロウの盾となって受け死亡する。
〇シスカ / 飯塚昭三
ゲッソーシティを支配する、通称「将軍様」。元パソコンソフト会社の課長、街の水の浄化システムのパスワードを知る唯一の人物で、それゆえに街を牛耳り、市民の家族を人質に取って服従させていた。ジュガイの部下の昆虫男に殺されるが死の直前に街の自爆ボタンを押して、街を吹き飛ばす。
〇ジニア / 千葉繁
ゲッソーシティの奴隷売人。グルマの向かいに店を構える。
〇ヤマン / 難波圭一
妻のサヤ、子供のダンとアモとともに旅する家族。ケンシロウを助けようとしたが、グルマに捕らえられる。
〇サヤ / 冨永みーな
ヤマンの妻。
〇ダン / 朴璐美
本名はダンネ、ヤマンの長女、年齢は15歳。普段は男装して身を守っている。
〇アモ / 今野宏美
ヤマンの次女。
〇ガデス / 稲田徹
「熊殺しの男」。コロシアムでケンシロウと戦うが敗れる。ジュガイ軍侵攻の折にはジュガイ側に着く。覚醒したケンシロウに秘孔を突かれて吹き飛ぶ。
〇昆虫男2 / 中田譲治
ジュガイの部下。シスカの砦に侵入して、シスカから最後は自爆リモコンを奪い、浄化装置のパスワードを聞き出して、殺すが止めを刺さなかった甘さがあった。忠実に最後までジュガイに従った。
〇昆虫男2 / 立木文彦
ジュガイの部下。昆虫男1と共にシスカの砦に潜入する工作員。能力は確かだったが野心を抱き、ジュガイに心を見透かされ、飛び掛かったところを南斗孤鷲拳で葬られる。
〇ナレーション / 藤岡弘
