
「警視庁特別調査課 マーダーファイル 津山30人殺しを追え!」は2005年、シリーズ化を狙って意欲的?に製作したドラマ仕立てのドキュメンタリービデオ作品。総監督に田川幹太、製作はかまいたち。オフィス宏次朗、ビックバーム、80分。
1938年(昭和13年)5月21日の未明に岡山県苫田郡西加茂村の貝尾の集落で起きた大量殺人事件「津山事件」を再現ドラマとレポートで綴る。この事件は横溝正史の「八つ墓村」のモデルとなった事件として有名。
架空の組織「警視庁特別調査課」が国からの調査指令に従いレポートを作成するという設定になっている。シリーズ化される予定だったそうで、造りがそのようになっているが、実際には1本しか製作されておらず、その所作が悲しいです。
また、国から直接指令を受けて動く特別な部署であるにもかかわらず、余りにもお粗末なセット。パソコンがある以外は事件当時の警察署かと思うくらいに何もないです。また昭和13年という時代を考えて何かと「?」なところが見受けられ時代考証も甘いです。
目玉は今まで成功しなかったという犯人・都井睦雄の親族からのインタビューということになっていますが、これが結果的に定説を覆すような大きな価値があるならもっと周りが騒いでいたはず。
ただし、この事件を知らない人にとってはなかなかスリリングにテンポよくミニドラマが描かれていて、この点についてはなかなかおもしろいと思います。