
「009-1」のアニメ版、DVDソフトのみに収録されたエクストラバージョンのエピソード。原作は石ノ森章太郎「009ノ1」、監督・ディレクターは安田賢司、脚本は石田真弓、製作はProject 009-1/TBS。エクストラバージョンだけあって他のエピソードとは一味違う作品です。ただミレーヌ・ホフマンが何にもしません。お得意の潜入捜査で男に近づきながら、何も掴むことができないまま男に引かれていくという物語。

冒頭いきなり男の部屋で全裸で目覚めたミレーヌに「動くな、体に爆弾をしかけた」そしてレコードの音を指して「不協和音が録音されており、それがスイッチだ」「もし胸の武器を使おうとしたらこの(右手の中の)スイッチを押すまでだ」と静かに語る。
今回のナンバーゼロからの指令は同じ情報局の人間サムの捜査。仕事のないときはバンドマンとして働いている彼には二重スパイの疑いが掛けられていた。「慎重に、相手もプロだということを忘れるな」見事にサムに接近したミレーヌだったが、最初から見破られていた。自分が芝居をしていたのではなくて、サムの芝居に見事にひっかかってしまっていた。捜査しても何も見つからず、サムにひかれていくミレーヌ。
最後の場面、二重スパイの嫌疑がかかりミレーヌを始末するのかと思いきや、すでに自分に始末を着けていた。レコードの不協和音で自分の頭の中の爆弾が爆発してふっとぶ。手にしていたスイッチはミレーヌが押しても何も反応しない。ミレーヌの体には爆弾などしかけられていなかった。このスイッチを押したらサムの頭がふっとんでいたんでしょうね。
非情に任務を遂行するミレーヌが何もせず、ただ涙を流すのみというなんともらしからぬストーリーです。

★キャラクター&キャスト
○ミレーヌ・ホフマン / 釈由美子
ウエストサイドのサイボーグ情報局員。
○サム / 小山力也
ウエストサイドの情報局員。情報局の仕事のないときはミュージシャンとして働く。イーストサイドにも通じる二重スパイ。
○ナンバーゼロ / 大塚芳忠
ウエストサイドの情報局員。00ナンバーを束ねる指令。本エピソードでは姿は見せず、指令を伝えた声のみ。