
先日、柴崎友香さんのエッセイ集「見とれていたい★わたしのアイドルたち★」を読みました。このエッセイ集は雑誌に連載されたものを単行本化したものですが、柴崎さんがお気に入りの女優、タレント、ミュージシャンたちをミーハーぽく熱く語った文章が収められています。本編のあとに書き下ろしの「美女観測日記」が付いています。その中に登場する斉藤由貴にいたく反応。
“「砂の城」「白い炎」「卒業」も好きだけど谷山浩子作詞の「MAT」がいちばん好き。”僕も斉藤由貴さんは好きな俳優さんでしたが、歌手としては「白い炎」と「悲しみよこんにちは」が好きです。「悲しみよこんにちは」は「めぞん一刻」のオープニング、「白い炎」は彼女が演じた「スケバン刑事」のエンディング。
伴奏の階段を下っていくような音の運びが印象的で、麻宮サキの影の部分の象徴のようか気がして、耳を傾けていました。そして、最後の部分、
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私 かなしい女の子ですか
頬で涙が雪になります
自分勝手な女の子ですか
あなたが好きです
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取って付けたような「あなたが好きです」が何度も聞いていると耳に残ります。