
「エコエコアザラク」は1997年テレビ東京・テレビ大阪で放映されたテレビドラマ。原作は古賀新一による日本のホラー漫画「エコエコアザラク」、制作は円谷映像、製作はギャガ・コミュニケーションズ。3話ずつひとかたまりのエピソードという構成で全26話。
テレビ放映当時は日本にいなかったので未見でしたが、ようやく全話通して鑑賞。やはり劇場版よりもテレビシリーズです。殊に前半は「闇」との対決という根幹のストーリーを離れて独立したエピソードでおもしろいです。ミサの父に団次郎、母に榊原るみという遊び心も満点。黒井ミサを演じる佐伯日菜子は容姿の面では原作とは違うなあという感覚はぬぐえないまでも、演技は真に迫っていて素晴らしい。中でも呪文を唱えるシーンは格別。定番の「エコエコアザラク エコエコザメラク エコエコケルノノス エコエコアラディーア」は勿論のこと「ベールゼブブ ルキフェル アディロン ソエモ セロイアメク ルロセクラ エルプラント カメロルアル アドリナノルム マルチロル チモン」の長い呪文が、いかにも力を発揮しそう。
セーラー服に茶色の皮のバッグ、首からさげたペンダント、父母の木偶、先祖伝来の魔導書、太腿のホルダーに装備した魔術用のナイフ、などなどアイテムもたくさん出てくる。父を「帰って来たウルトラマン」の郷秀樹こと団次郎、母が「帰って来たウルトラマン」の坂田アキこと榊原るみ、この二人がコミカルに演じており、コミカルさが前に出て13話「二年前」と23話「最後の晩餐」のシリアスな場面でも、危急の窮地の感じが余り伝わってこない。伯父のサトルも登場、ミサの看護婦姿も。第22話「魔女裁判」では「職業は?」と問われて「占い師」と答えているが、看護婦の他にも喫茶店、書店でアルバイトしておりメイド姿も披露していて千変万化。原作のエロチックな部分、漫画を読んでいてもエロというよりもグロのシーンに多いのですが、映像ではグロさよりもエロさが勝ってしまいますね。
色々な側面を総合してやはり劇場版よりは断然おもしろくて、質も高いかと思いますので、劇場版しか見ていない方、時間のある方は是非このTV版をお勧めです。


