
「屍姫 玄」第26話「それでも、人として」、テレビでは未放映だった、伊佐木と水薙生の出会いを描いたエピソード。今回再視聴して初めて存在を知りました。「屍姫 玄」のDVD第4巻に収録。
伊佐木と水薙生は「赫」の前半から登場しますが、後半ですぐに二人とも死亡して退場することになります。本エピソードは時系列では第1話よりも更に前で、眞姫那のまだ生きている姿が見られます。本編では眞姫那の生前の姿は回想としてしか登場しませんから。
伊佐木修二 (CV: 杉田智和) は景世と同じ地区を担当し、景世をサポートする契約僧。僧位は大僧都。屍姫を屍を殺す道具として見ており、人間に対しても一般人は「俗人」と見下す。それが災いしてチンピラに刺されて殺される。契約僧を失った水薙生は屍に戻りかけるが、旺里は知らずに監査官であった喫茶パルテノンの店長・貞比呂の元に彼女を預ける。貞比呂から「旺里と契約すれば屍姫に戻れるかも」と言われるが、「私は伊佐木修二の屍姫です」ときっぱり断り、アキラに射殺される。これが本編の内容。

瑠翁水薙生(るおみない、CV: 平田裕香) はコスプレパブで働いていたが、恋人からの酷い仕打ちに包丁で刺し殺してしまう。自分もビルから投身自殺するが屍となり、屍姫の素質があったために光言宗に拘束される。彼女がコスプレパブで働いていたお店に景世が客として赴いており、彼女の所持品のなかから景世の名刺が出てきたことで、面識があるということで高峰宗現は景世に契約を求めたが彼は拒否する。神佳に処分されそうになった時に伊佐木が「私ではだめですか」と手をさしのべる。実は伊佐木は兄と折り合いが悪く、兄を殺すために屍姫が必要だった。以前僧衣の伊佐木に水薙生が相談を持ち掛けたことがあると嘘をつき契約を果たす。しかし、嘘の縁ではルンを受けることができず、単に穏やかな性格の屍というだけ、貞比古とアキラは始末に動く。一旦は始末しようとしたアキラだったが、水薙生の傷が伊佐木の接近で癒えたのを見て、思いとどまる。

伊佐木は幼少の頃から兄と折り合いが悪く、実家を離れてお好み焼き屋の親戚に預けられる。同じ町に住んでいて、両親が共働きだった水薙生がお好み焼きをよく食べにきていた。二人はすっかり忘れていたが幼少の頃に出会っており、その縁でルンを受け取ることができるようになった水薙生は伊佐木の屍姫となった。

水薙生はアニメのオリジナルキャラクターだそうです。ライダースーツに身を包みバイクを駆り、以前習っていたボクササイズを活かして手甲を装着してパンチで屍を倒す。性格は穏やかで屍姫を道具と見なす伊佐木に反抗する旺里とも仲良くなるが、罪人の意識の共有が伊佐木を選ばせ旺里の屍姫になることはなかった。