
元国鉄・巨人の投手であった金田正一さんが亡くなりました。残念なことに年代的に国鉄時代の最盛期の姿を見たことはありませんが、巨人時代のダイナミックな独特の投球フォームはよく覚えています。野村選手の400号本塁打、王選手の400号本塁打に金田投手の400勝と400の数字で沸いた時期。本塁打400は野村選手(1968年)、王選手(1969年)の後も達成した選手が続きますが、400勝という投手は今のきっちり管理された投手起用の中ではもう誰も達成し得ない数字でしょうね。
金田投手というと打撃がすごかった。巨人のV9時代、川上監督が打撃の上手い金田・堀内両投手を代打に使う場面を何度が見ましたが、金田投手が代打でホームランを放ったことがありました。「すげえ!」僕にとっては投げている時よりもあの本塁打が一番印象深い。追悼の記事を書いて、心からご冥福をお祈りいたします。
さてアニメ作品としては「巨人の星」、「侍ジャイアンツ」と「新・巨人の星」に登場しています。「侍ジャイアンツ」はマンガチックだし「新・巨人の星」では名前だけの登場になるので、ここは「巨人の星」でしょう。
一番のエピソードは“金田メモ”の話。飛雄馬が金田投手に変化球を教えてくれと頼みに行って断られ、叱咤激励されて独自の変化球“大リーグボール1号”を編み出すきっかけになったエピソード。台湾キャンプで足を負傷した金田が先に一人で帰国することになり、送っていく飛雄馬に金田が渡したデータが王選手と才所選手の比較データー。同タイプの二人だが体力面ではどれを見ても才所選手の方が勝る。翌日の二人の練習で王選手の打撃の方が勝っている(当然だろう)のを見て飛雄馬は王選手にそのデータが正しいかどうかを確認する。データが正しいことを告げた王選手が続ける。「タイミングだ、技術だ、研究心だ」と。これもまた飛雄馬の大リーグボール1号への後押しとなる。
もうひとつのエピソードはサブタイトルにもある「大投手金田の引退」。飛雄馬が金田投手の自宅を訪ねて「引退しないでください」と懇願するが、金田はストレートが通じなくなってカーブを投げすぎた結果だと曲がった左腕を差し出す。これには飛雄馬も納得せざるを得ない。引退記者会見の受付に飛雄馬と伴がすわっていたっけ。金田投手の声を演じたのは大宮悌二。