2018年01月23日

「シン・ゴジラ」(4)

◆里見祐介 / 平泉成
 農林水産大臣。最初のゴジラ上陸時は外遊中、二度目の上陸時でも難を逃れ、多くの閣僚を失った立川への移管後に内閣総理大臣臨時代理に就任。おっとりとした喋り口と物腰で周囲からは総理を押しつけられたと見ていた。「こんなことで歴史に名を残したくなかったなあ」と嘆く一方、安保理の熱核攻撃案に対する臨時総理への全権委任法案を成立を急ぐよう赤坂命じ、熱核攻撃を遅らせるためにフランスと交渉目立たないながら手腕を見せた。ミッション完了後にフランス駐日大使に深々と頭を下げる姿が印象的。「コウイフモノニ ワタシハナリタイ」

◆泉修一 / 松尾諭

 保守党政調副会長→内閣総理大臣臨時代理補佐官。野心家で沈着冷静。人脈も多く矢口からの依頼で、巨災対メンバーかき集めに協力。ゴジラの再上陸時は「金帰火来」東京を離れており、臨時総理補佐官に就任する。

◆森文哉 / 津田寛治

 厚生労働省医政局研究開発振興課長(医系技官)。巨災対発足時に矢口事務局長の挨拶の後、「年長者として私が便宜上の仕切り役を務める」と切り出す。自ら「はぐれ者」と言い放つが、なかなかの仕切り振り。「仮面ライダー龍騎」「妖怪大戦争」「小さき勇者たち〜ガメラ〜」などなど特撮出演の多い津田寛治さん。この人、年をとりませんね。

◆尾頭ヒロミ / 市川実日子

 環境省自然環境局野生生物課長補佐→同課長代理。ゴジラの最初の上陸時に官邸に呼ばれた学識者が役に立たなかったため、矢口が志村秘書官に「誰かいないか」と尋ね、「一人専門家がいます。がまだ課長補佐ですが」という条件で官邸に呼ばれた。先入観なしに野生生物の専門家として映像の解析だけでその能力の可能性を言い当てた。巨災対に参加、生態解析を担当。無表情で坦々と語る。「一匹狼」。

◆間邦夫 / 塚本晋也

 国立城北大学大学院生物圏科学研究科准教授。生物科学の専門家として巨災対に参加。巨災対の中心人物としてゴジラの生態解明に貢献した。「学界の異端児」。

◆財前正夫 / 國村隼

 統合幕僚長。花森防衛大臣に随伴して補佐、官邸でゴジラ攻撃の指令を出す。「ヤシオリ作戦」を立案、現場での指揮を執る。

◆牧悟郎 / 岡本喜八
 写真でしか登場しないが、本作のキーパーソン。元城南大学統合生物学部分子細胞生物学教授。学会の異端児であり日本から脱して渡米。米国エネルギー省から海洋投棄された放射性廃棄物を捕食する不明海底生物の調査依頼を受けて調査研究していた。ゴジラの出現を予想していた節があり、突然帰国して行方不明となっていた。研究データの一部を意図的に消去。またプレジャーボートに意図的に慰留物を残していた。米国が消息の調査を依頼していたが、結局生死は不明のまま。最初にゴジラが出現した東京湾の現場付近で消息を絶っていることから見ても、現場に潜って死亡したというのが自然じゃないのか。
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2018年01月20日

「シン・ゴジラ」(3)

★キャラクター&キャスト
 公式にはキャストの人数が328名とのこと。その中で特にメインのキャラクターを拾ってみたがそれでもかなりの人数。そこで更に印象に残った登場人物に絞って揚げてみたいと思う。この作品の魅力は政府機関の人の言動。超大物はいませんがクセの強い俳優さんが味を出しています。

◆矢口蘭堂 / 長谷川博己



 本作の主人公。内閣官房副長官兼巨大不明生物特設災害対策本部(巨災対)事務局長→巨大不明生物統合対策本部副本部長兼特命担当大臣(巨大不明生物防災)。
 先入観を排した柔軟な思考の持ち主。ゴジラ対策にかかわる政治家でありながら、最後は作戦の一線に立つ。

◆赤坂秀樹 / 竹野内豊



 内閣総理大臣補佐官→内閣官房長官代理。矢口同様に柔軟な思考の持ち主だが現実路線を行く政治家。

◆カヨコ・アン・パタースン / 石原さとみ



 アメリカ合衆国大統領の特使。日系三世。政治家を輩出する名家の生まれ。40代で大統領になることを目標としている。日本に派遣され内閣官房長官にコンタクトを取るが断られたため副長官である矢口に会う。以後矢口を窓口に日本と交渉。被爆者である日本人の祖母を思い、東京への熱核攻撃をくい止めるため巨災対に協力する策をとる。

◆大河内清次 / 大杉漣



 内閣総理大臣。ゴジラ排除のための自衛隊の防衛出動にためらいを見せるが、周囲に説得され武力行使命令を下す。最初のゴジラ上陸時には逃げ遅れた住民がいたため攻撃中止を命じたが、果たして正しかったのか。この段階のゴジラなら倒せたかもしれないが。二度目の上陸時、自衛隊に火器の無制限使用許可を出す。ゴジラの発する熱線にヘリもろとも直撃され死亡。

◆東竜太 / 柄本明



 内閣官房長官。大河内内閣を支える。総理よりも柔軟に対応。矢口を内閣官房副長官に推薦した人物。ゴジラの発する熱線にヘリもろとも直撃され死亡。

◆郡山肇 / 渡辺哲



 内閣危機管理監。内閣を事務方から補佐する。総理に官邸からの撤退を進言して容れられたが、時機を逸した。ゴジラの発する熱線にヘリもろとも直撃され死亡。

◆花森麗子 / 余貴美子



 防衛大臣。女性が多くなったとは言え少ないまだまだ少ない女性閣僚、その上防衛大臣ということで作中目立つ女性の一人。総理の下、自衛隊を統率。総理が逡巡する場面でもきっぱり決断を要求・確認して事に当たる。ゴジラの発する熱線にヘリもろとも直撃され死亡。

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2018年01月18日

Rust Hurricane



 特撮系のブログやホームページを見ていると、「子供の頃にこの歌で初めてこの言葉をしりました」という記事をちょくちょく見かけます。一番多いのは「ロンリー仮面ライダー」の「ロンリー」。僕も英語の辞書で引きましたよ「lonely」。
 先日、「マジンガーZ INFINITY」を見てふと思い出したのが「スルトハリケーン」。主題歌の2番の歌詞に、
♪発射命中! ミサイルパンチ
♪今だ だすんだ ルストハリケーン
とあります。TVシリーズではブレストファイヤーは大技でなかなか最初の頃は使わなかったですね。後になるほど多用してましたが。それに引き換えルストハリケーンは地味ですが最初の頃からよく使われていたように思います。ルストハリケーンは口?から吐き出す強風で機械獣を腐蝕させて消滅させるもの。超合金Zは腐蝕しないという設定です。
 この「ルスト rust」も意味が分からなくて辞書を引きました。名詞で「錆」、自動詞だと「錆びる、腐蝕する」、他動詞だと腐蝕させる。中学生の時でした。懐かしい。
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2018年01月14日

「シン・ゴジラ」(2)

◆あらすじ
 舞台は現在の日本。2016年、東京湾の海底を走る東京湾アクアラインでトンネルの崩壊する事故が発生する。大量の水蒸気が吹き上がって、政府は新たな海底火山の噴火と判断して対応しようとした。しかしその不自然さから内閣官房副長官・矢口蘭堂は巨大生物の可能性を考慮するよう提案するが一笑に付されてしまう。その直後巨大な尻尾が海上に現れ、矢口の懸念が現実化する。



 後にゴジラと呼称される巨大生物は多摩川河口から遡上、蒲田で上陸し匍匐しつつ北上し、突然二足歩行形態に変化する。政府は自衛隊に害獣駆除の名目で出動を要請、自衛隊のヘリが攻撃位置に待機するが、逃げ遅れた住民が発見されたため、首相は攻撃を中止する。ゴジラは再び東京湾に消える。
 私たちは仕事で「想定外」という言葉を時折口にするけれど、「想定外」では大概は許されない。政府のゴジラという想定外への対応は、もし現実に起こったら映画以上に悲惨な状況になっていたと思う。阪神淡路大震災の時も、東北大震災の時も想定外の対処の結果があれだったんですから。



 矢口を事務局長に「巨大不明生物特設災害対策本部(巨災対)」が設置され、ゴジラそのものの調査、そして対策の検討に入る。被災地から放射線が検出され、また米国からの情報で、ゴジラの正体が太古から生き残った生物が不法投棄された放射性廃棄物を食って進化した生物であることが判明する。4日後、再びゴジラが倍の大きさに成長して鎌倉市から上陸、東京へ向かって移動を始める。自衛隊の多摩川を最終防衛ラインとした「タバ作戦」は無制限の武器使用を首相が許可したにもかかわらず突破される。アメリカは大使館防衛を理由にグアムから爆撃機を発進させ、日本政府は安保に基づく攻撃支援をアメリカに要請する。アメリカ軍の攻撃によりゴジラは出血してダメージを受けたが、口から火炎と熱線、背中から熱線を発射して爆撃機は全滅。周囲も火の海となる。政府は総理官邸を放棄して閣僚たちはヘリで避難しようとした矢先にゴジラの熱線はヘリを撃墜し、政府閣僚の大半を失ってしまう。ゴジラは熱線を吐き尽くして活動を停止する。
 ここらあたりからの臨時政府樹立、国連安保理の動きあたりが先に書いた「首都消失」と似通ったところがある。本当に海外列国、国連安保理はこんな動きをするんだろうか。「首都消失」「シン・ゴジラ」ともに同様の動きをする諸外国。現実がコレなら不気味極まりない。
 立川に樹立された臨時内閣は難を逃れた里見農林水産大臣を臨時首相に日本の立て直しを図る。国連安保理はゴジラへの熱核攻撃を決議。関東地区の人民に与えられた避難のための時間は2週間。その中で巨災対はゴジラの元素変換機能と血液による冷却機能を止めて凍結させる「矢口プラン」を実行段階に移す。血液凝固剤をゴジラの口から体内に流し込み凍結させる「ヤシオリ作戦」は、アメリカからの無人機攻撃の協力も受けて実施される。「政治的判断を必要とする場合もある」と現場で陣頭指揮を執る矢口。かなり無茶な設定だとは思いましたが、とにかくゴジラ凍結に成功し幕を閉じます。最後に映し出されたゴジラの第5形態、人形のものは何を示唆するんでしょう。

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2018年01月13日

「シン・ゴジラ」(1)



 「シン・ゴジラ」は2016年7月に東宝の製作・配給で公開された空想特撮映画作品。総監督・脚本に庵野秀明、監督・特技監督に樋口真嗣。東宝のゴジラシリーズとしては29作目に当たるそうだが、他の作品とは全く設定を共有しない独立した作品になっている。踏襲しているのは登場するゴジラの第4形態が「ゴジラ形」をしているということのみ。公開から1年半が経過したが、やっと鑑賞。評判通りのおもしろい作品でした。
 この作品はゴジラという「巨大不明生物」が登場するが、ゴジラの怪獣性を描くのではなくて日本の国家機関が懸命にゴジラに対処する様を描いている。1987年に東宝から公開された「首都消失」も日本の国家機関が東京を失って懸命に国家を維持しつつ問題に対処する様を描いていたが、本作を見ていて「首都消失」のシーンを思い浮かべた。どことなく似た切り口、コンセプトが見られる。さらに本作では政府、自衛隊の慣例に従ったセリフが用いられて、かなり専門用語の多いのも特徴。リアルさが増している。ゴジラが川を遡上する場面や、上陸して進行する場面、また口から火炎・熱線を放出する場面ではダイナミックにリアルに描いているものの“人”がそれに巻き込まれるシーンはほんのわずかで、実際はビルの倒壊に巻き込まれたり戦車が橋に押しつぶされたり、熱線でヘリコプターが破壊されたり、明らかに人が死んでいるにもかかわらず「死」のシーンが全くないという見事なまでの「死」の場面の排除は残酷感や絶望感を持たせない。その分だけドライになってしまうのも事実だけれど、安心して低年齢から視聴できる作品に仕上げている。


posted by KAZU at 18:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 特撮

2018年01月01日

明けましておめでとうございます

明けましておめでとうございます。

本年もぼちぼちアップしていきますので、
よろしくお願いいたします。



posted by KAZU at 13:56| Comment(4) | TrackBack(0) | Journal