2016年07月10日

「美女と液体人間」(1)

白川由美さん追悼記事。最後の作品はこれです。



 「美女と液体人間」は1958年に東宝から公開されたSF映画作品。原作は海上日出男、脚本は馬淵薫、音楽は佐藤勝、製作は田中友幸、特技監督に円谷英二、監督は本多猪四郎。カラー、87分。
 「核」をテーマにした「変身人間シリーズ」の1作で、僕の生まれる前に作られた作品故に「怪獣」の登場しないし見たのは随分あとになってから。科学者役の佐原健二と刑事役の平田昭彦、キャバレーの歌手役の白川由美を中心に、大半がドラマ展開で特撮の部分は少ない。特撮は液体人間が人を襲うシーンに多く、「怪奇大作戦」を思い出させるようなシーンに、円谷英二監督はもうこの時代から、この描き方を使っていたのだと感心させられた。強い放射線を浴びると液体生物化するという設定が現代の私たちにはこじつけにしか見えないけれど、映画としては十分楽しめます。
 ある雨の夜、タクシーが男をはねるが、衣服だけを残して逃げた痕跡も遺体も残っていないという怪事件が発生する。遺物から麻薬密売にかかわる事件として捜査一課の富永捜査課長が事件を追う。一方富永の友人で城東大学助教授の政田は放射線を浴びて液体化した液体人間がかかわっていると説くが、富永は全く信用しなかった。事件は大詰めを迎えて犯人を一網打尽にしようとした警官たちの目の前で人が液体と化する場面に直面し、やっと富永はその真相を知り、液体人間根絶の作戦が実行される。
 キャバレー「ホムラ」の歌手新井千加子は最初にタクシーの目の前で消えた三崎の女で、三崎が消えたことで命を狙われることになる。液体人間が人の精神を残しているという設定になっており、組員や密売人を、また千加子を狙ったことに意味があったのか。最後は自衛隊、消防隊の協力の元、液体人間掃討作戦が実行され、千加子も救出されてハッピーエンドで終了する。最後に「核」の恐ろしさを伝えるメッセージを残して映画は幕を閉じる。
posted by KAZU at 15:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 特撮