大平透さんというと、まず思い出すのが「スパイ大作戦」の指令の声。もう随分前になりますが、「Mission: Impossible」の特番だったでしょうか、テレビに出演されて生で指令の声を演じられていたのが印象に残っています。まんまの声(当たり前ですが)。正にこの人の声なんだと感動しました。それがテレビで見た最後のような気がします。

倉田室長と蒲生譲二
それから「宇宙猿人ゴリ」「宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン」「スペクトルマン」の一連のシリーズで公害Gメン、後の怪獣Gメンの倉田室長。1971年〜ですから、もう45年以上前ですが大平透さんの姿というとこの時の映像が記憶されていて、ニュースの画像を見るとさすがに「年とったなあ」とイメージが崩れて落胆…。「スペクトルマン」の最終回、蒲生譲二は倉田室長に手紙を残し去っていきます。封筒の中にはスペクトルバックルが1枚のみ。それを見た倉田室長は全てを理解して、ゴリを倒した(ゴリ自身は自爆したのですが) スペクトルマンが飛び去って行くのを見上げるシーンが忘れられません。

もう一作挙げるなら「マグマ大使」のゴアでしょうか。「ゴアの演技があまりに下手で憤慨した」とか「表情が見えないので声が合わせづらい」とかネット上では情報が上がっていますが、ゴアのスーツアクターも申し出て自分で演じたということです。後にアニメ版の「マグマ大使」のゴアの声も大平さんが演じられています。
特撮のナレーターは「忍者部隊月光」(1964年)をはじめ、最近の戦隊シリーズまで数多く、低音のシリアスな調子以外にギャグ調の声まで幅広く活躍されました。
「おらぁグズラだど」のグズラ(1967年)

「ハクション大魔王」の魔王(1969年)

「カバトット」のカバ(1971年)

「かいけつタマゴン」のタマゴン(1972年)

「科学忍者隊ガッチャマン」シリーズの南部博士
