
奈良県のとあるお寺で見かけたポスター。「地域で守ろう文化財」と書かれた上で「文化財を傷つける行為は重大な犯罪です」とあります。確かに長い歴史が刻んできた文化の営みは破壊してしまうと元に戻らないものです。日本は多民族の国ではないので、ごく当たり前のように感じますが、多民族の国ではなかなかそうもいきません。敵対する民族の文化は破壊して根絶しようとする意識を強く持っている民族もいるわけです。 聖闘士星矢のデスマスクの名言「例え悪だろうがなんだろうが、最後に勝ったものこそが正義となる。言い方を変えれば正義も負ければ悪となりうることもあるのです。」が真たる世界です。バーミヤンの大仏が破壊されたというニュースを見た時に、それを強く感じました。
さて、ポスターの大魔神。悪しき者たちに怒りをあらわにして破壊を繰り返します。しかし、主人公の少年少女の「怒りを鎮めてください」という命をかけた祈りに応えて穏やかな顔に戻り一件落着。全ての作品がワンパターン物語なのですが、見る者の心をスカッとさせてくれます。しかし、本当に文化財の守り手としてふさわしいのでしょうか。「祈り」がなければ際限なく破壊する破壊神のような気がしてならないのですが。