
オープニング「奇跡の鐘」から
舞台は大正15年の12月から。花組クリスマス公演、レニの誕生日、新年明けて平和な帝都が描かれますが、元欧州星組隊長のラチェット・アルタイルが紐育華撃団設立のための研修生として正式に花組に配属されてくる。そして時を同じくして米国ダグラス・スチュアート社(DS社)が無人人型霊子甲冑ヤフキエルを日本に売り込むべく、政治家・田沼とつるんで画策する。
ダグラス・スチュアート社の社長ブレント・ファーロングは降魔を培養して帝都を襲わせ、培養した降魔を内蔵させたヤフキエルを使って降魔を倒すという自作自演によって賢人機関、軍にヤフキエルの全面配置、帝国華撃団の解散を求めてくる。
花組隊長・大神中尉が巴里へ行って不在、米田総司令、花小路頼恒が拉致され、陸軍が田沼とダグラス・スチュアート社に掌握される中、ダグラス・スチュアート社に潜入したマリアはその秘密を知る。パトリック・ハミルトンの攻撃に深手を負ったマリアは月組に助けを求め、月組加山は海軍を味方に起死回生のチャンスを窺う。
一方任を解かれ花屋敷支部に幽閉状態の華組はさくらの一言で決起、薔薇組の後押しもあって本部と光武を奪取することに成功。月組はブレント・ファーロングのアジトを急襲して米田と花小路を奪還、一旦はブレント・ファーロングを追い詰めたがに見えたが、降魔を合体させ同化したブレント・ファーロングに華組は絶体絶命のピンチに陥る。ここで巴里から帰国した大神隊長が現れて、一気に逆転する。大神隊長は巴里に行ったまま全く頭から出てこなかったので見ている方も忘れてましたが、おいしいところを全部持っていきました。
最後はラチェット主演の公演「海神別荘」で締めくくりますが、ラチェットのふるまいや葛藤を途中で十分描いていないので、最後のところがちょっと消化不良です。本作のテーマでもあり、言いたいことはよく分かるのですが…
本作の特徴は「サクラ大戦シリーズ」のアニメ化作品として初めて一般に公開されたもので、ほぼ全部のキャラクターをほんのワンカットでも登場させています。薔薇組、夢組、風組も短いながら描かれています。ファンとしては嬉しいながら初めて見る人にはキャラクターの数が多すぎますね。