2014年06月09日

夏目漱石の「こころ」と「蒼箏曲」



 朝日新聞が今年の4月20日から夏目漱石の「こころ」連載開始100周年のその日から「こころ」を再連載し始めました。高校2年の時教科書に載っており、勿論全文ではなかったですが、教材として学びました。全員が文庫を買って通読しました。以後、部分的に読み返すことはあっても全文を通読することはなかったように思います。今回の連載は100年前と同じく110回、良い機会なので通読することにしました。6月6日現在まだ1/3ほどですから、肝心の先生の遺書の部分に到達していませんが、遺書の中身を読み解いていくのがこの作品の読み手としてのおもしろさだと思います。
 「蒼箏曲」は2012年に公開された「こころ」を原作とする劇場作品。僕の大好きな勝村美香さんが静を演じたということでDVDを購入しました。本編は「こころ」で言うと先生の遺書の部分を現代風にアレンジして作られています。一応、勝村美香主演と銘打っていますが、美香さんの出番は登場人物中一番少ないです。ただ一番難しい役どころを演じています。詳しくは過去記事をご覧ください。
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2014年06月06日

「いつかゆきのひに」



 「いつかゆきのひに」は2014年2月に発売された「夏目友人帳」のオリジナルストーリーOVA。原作は緑川ゆきの漫画 「夏目友人帳」(白泉社「月刊LaLa」連載)、キャラクターデザイン・作画監督は田晃、妖怪デザイン・作画監督は山田起生、脚本は吉永亜矢、総監督は大森貴弘、監督は出合小都美、制作はブレインズ・ベース、NAS、製作は「夏目友人帳」製作委員会。
 久しぶりに制作された「夏目友人帳」の1ストーリー。「夏目友人帳」はテレビシリーズが立て続けに4作も作られ、さすがに4本目は感動のエピソードが少なかったのですが、その実力と人気は健在。本作はオリジナルストーリーということで期待度は低く、案の定感動バロメーターも上がらなかったのですが、最後の最後のシーンでウルっとくるところはさすがです。もうちょっと感情移入しやすい何かがあればよかったかな。自らが消えるためのさがしもの、成就して満足げなゆきはなは悲しげな顔をする夏目に「そんな顔をするな」と言いますが、夏目の気持ちの半分も視聴者には届いていないと思います。夏目に触れかけて消えていく手が悲しい。



 ある冬の日、雪が舞い始めたので夏目は塔子さんにことわって散歩に出かける。調子にのって遠くまで行ってしまい、「ニャンコ先生と一緒でないしまずいかな」と引き返し始めると雪だるまのお化けのような妖に出会う。「まずい!」と無視して立ち去ろうとしたが「見えるのか」と気づかれてしまう。この雪のもこもこの妖怪は何かを捜しているようだったが、タイミングを見て走って逃げ帰る。ところ
が夜中に寒くて目覚めるとそのもこもこが部屋にいた。周囲の熱を奪うそいつがいるだけで気温が下がり、ふれたものはカチコチに凍る。もこもこは散歩の時に夏目が落としたマフラーを届けてくれたのだ。夏目は友人帳にその名がないとおぼしきこの妖の捜し物を手伝ってやろうとするのだが。
 その妖の名は「ゆきはな」、自らに宿した「種」を見つけて花を咲かせ、種を作って消えてしまう。その姿を見ることは稀だと言う。夏目の心意気に感謝して夏目に触れようとして消えていく姿は儚げ。

★キャスト
ゆきはな / 雨蘭 咲木子

夏目貴志 / 神谷浩史
ニャンコ先生・斑 / 井上和彦
藤原塔子 / 伊藤美紀
藤原滋 / 伊藤栄次

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2014年06月04日

「ニャンコ先生とはじめてのおつかい」



 「ニャンコ先生とはじめてのおつかい」は2013年に発表された「夏目友人帳」のOVA作品。「月刊LaLa」にて応募者全員サービスで発行されたとのこと。後に2014年2月に発売されたOVAのDVD「いつかゆきのひに」に映像特典として収録された。オリジナルストーリー。
 原作:緑川ゆき、キャラクターデザイン・作画監督:田晃、脚本:大森貴弘、制作:NAS・ブレインズ・ベース、製作:「夏目友人帳」製作委員会。
 実はこの作品、「いつかゆきのひに」を見るまで全然知らなくて、映像特典として収録されているのならば短いのかなと思ったら途中にブリッジもあって、ちゃんとフルに1本分の長さがありました。秋も深く冬の声を聞こうかという頃、夏目と散歩に出たニャンコ先生。いつものごとく首に綱をつけて歩いていたのだが、トンボを追いかけ夏目を振り切って藪の中の小道に入ってしまう。この時期にトンボ?と思ったら赤トンボでしたね。赤トンボは11月霜の降りる頃まで飛んでますから不思議ではないですが、ちょっと違和感がありました。トンボを追いかけて藪に入ったニャンコ先生は飛び掛かったもののまんまと逃げられ、そこで幼い兄妹に遭遇する。この兄妹なんで二人でこんな人気のないところにいたのかは、話が進むにつれてだんだんと分かってくる。お母さんにおつかいを頼まれてお店に行く途中だったのだ。ところが幼すぎて話の要領がつかめず、一旦は逃げにかかったニャンコ先生だったが、低級妖怪たちが兄妹を狙っているのを見て捨てておくことができなかった。幼い人の子ということで猫を演じることも止め言葉をしゃべりつつ一緒に藪の小道を歩いて行くことに。
 ニャンコ先生を捜す夏目と藪の中を歩くニャンコ先生はつぎつぎとメインキャラクターに出会っていく。直接ストーリーにかかわらなかったが名取周一と柊も登場。メインキャラクターで姿をみせなかったのはみすずくらい。ファンサービスの1本。

夏目貴志 / 神谷浩史
ニャンコ先生・斑 / 井上和彦
名取周一 / 石田彰
柊 / 雪野五月
田沼要 / 堀江一眞
多軌透 / 佐藤利奈
笹田純 / 沢城みゆき
藤原塔子 / 伊藤美紀
北本篤史 / 菅沼久義
西村悟 / 木村良平
ヒノエ / 岡村明美
中級妖怪(つるつる) / 松山鷹志
中級妖怪(牛) / 下崎紘史
ちょびひげ / チョー
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