「これ、いちおう洗濯しといた」
「そんなに大事なの、これ」「いちおう」

何のおみやげかは原作を知らない僕にはわからないんですが、大和はメイの差し出された左手に自分とおそろいのブレスレットを着けてあげます。オープニング映像の二人にも見て取れる重要アイテムです。
大和とつきあい始めたメイの変化に周囲の人たちにも気づき始めます。「笑っているところ見た」って何か「君に届け」にも同じようなセリフがあったような…。そんな中、大和の友達の早川がメイを紹介してくれと言ってくる。割り切った友達を求める早川は、大和が妹のなぎからの電話で席を外した間に、メイに言い寄るも「あなたと二人きりの空気に耐えられない」と一人で帰ってしまう。早川に怒った大和はぶん殴ります。
「ふざけんじゃねえ」
「メイはな俺のもんなんだよ」
「いいかメイはおめえが落とせるレベルの女じゃねえんだよ」
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大和に殴られた早川はそのことを愛子に話します。驚く愛子はいよいよ大和の本気を知って、早川をたしなめますが、逆に自分の気にいしていることを言われて絶句してしまいます。そこへ話を聞いていたメイが割って入ります。
「あなたの方がよっぽとみっともなくて恥ずかしいです」
早川はここで立ち去ります。
「人の弱みを他人の口から聞くというのは気持ちのいいものじゃないから」
メイと愛子のここからのシーンはシリーズ中、屈指の名場面です。
「… 黒沢くんには感謝してるし、正直今は感謝だけではない感情もあります。その感情はあなたにも負けたくありません」

メイの決意を受け止める愛子。

実はここから先の愛子を見て、このキャラクターが大好きになりました。大和やメイよりもずっと大人です。それだけ大きな傷を負ったということでしょうね。「バカップル」と捨てセリフを残して立ち去りますが、ここから先は二人を応援する側に回ります。僕が第1話の次に第4話を見た回数が多いのはこの愛子とのシーンが気に入っているから。
最後の場面、メイは大和に一番今気にしていることを聞きます。
「愛子さんとエッチしたってほんと?」
「したよ」
「嘘つかないんだね」
「でも、もう誰ともしない、絶対。メイ以外とは。」
「バカか!」
この大和の言葉に赤くなるメイでした。

「誰もみな、それぞれに傷をかかえている。誰かを強く思うあまりに、誰かを守ろうと願うあまりに。これはあたしのために怒ってあたしのためにできてしまった傷。手はすごく痛そうだけど、今は泣きそうになるくらいその傷がいとおしい。この感情をけして忘れないでいようと、傷つくことを恐れずにいようと強く思った」
