
やなせたかしさんで、もうひとつ忘れがたいのが「詩とメルヘン」の編集長。漫画とアニメからはちょっと外れたものですが、イラストレーターとメルヘン作家の発掘、登用の功績は大きいです。カラーインクの魔術師・永田萌さんがあれほど一般に有名になったのはやなせさんと「詩とメルヘン」のおかげではないかと思うほど。それから色鉛筆のきたのじゅんこさん。会社ではきたのさんの画のマウスパッドを愛用しています。二十代の時に「詩とメルヘン」を通じて広島の女の子と文通したこともありました、懐かしい。そして「詩とメルヘン」の特集で取り上げられた歌人の鈴木英子さんの処女歌集をプレゼントでいただいたこと。このエピソードはホームページに「水薫る家族」と題してアップしてあるので読んでいただくと嬉しいですが、不思議な縁を感じる一冊でした。
話があちこちに飛びましたが、やなせたかしさんのお顔を拝見すると「詩とメルヘン」と二人の女性のことをいつも思い出すのです。そんなきっかけをくださったやなせさんの94歳の大往生に拍手を贈りたいと思います。