
「神様はじめました」は2012年10月からテレビ東京他で放映されたラブコメアニメ。大筋はシリアスなストーリーながら描写はかなりコメディタッチのちょっと変わった作品。原作は「花とゆめ」連載の鈴木ジュリエッタの漫画。監督は大地丙太郎、音楽は増田俊郎、制作はトムス・エンタテインメント、製作は神様はじめました製作委員会。全13回、14話。第10回のみ2話仕立てになっている。
桃園奈々生は、父親がギャンブルで多額の借金を残して蒸発、借金取りに家を奪われて路頭に迷っているところ、犬に吠えられて木に登っていたミカゲを助ける。事情を聞いたミカゲは自分の家を譲ると言って奈々生のおでこに口づけをすると、一枚の地図を渡して去っていく。果たして奈々生が地図の場所に行くと古い神社があり、二人の鬼火童子とミカゲの神使・巴衛が土地神であるミカゲの帰りを待ちつつ神社を守っていた。20年間社を留守にしてたミカゲは奈々生に土地神の印を与えて彼女を後継者に選んだのだった。しかし17歳の奈々生に土地神が務まるわけもなく、巴衛も奈々生を認めず妖の世界へ去ってしまう。社を去ることに決めた奈々生は鬼火童子たちに頼んで巴衛に会いにいくが、妖怪たちは土地神を食って力を得ようと襲いかかってくる。奈々生が鬼婆に食われそうになったところへ現れたと巴衛だったが、奈々生は巴衛に助けを請うことなく、口づけで巴衛と神使の契約を結んで絶対服従を命を得て「私を助けなさい」と命じる。ここまでが第1話の内容。
絶対服従とは言いながら文句タラタラで天の邪鬼の巴衛と短気で勝気で実は心根の弱い奈々生の物語。父親が蒸発して路頭に迷っている娘がそのまま高校生活を続けている仕組みは全く描かれず道理の通らないところも多々あるが、そこはラブコメさらっと流してもおもしろい。最終話では奈々生が神楽を舞い、土蜘蛛を退け、祭を成功させてめでたしめでたしで終了。途中で敵役として登場した妖たちをなぜかみんな仲間に引き入れたのはひとえに奈々生の力だったと思う。そこが「ミカゲが見込んだ娘」たるところか。