☆サブタイトル 最後にサブタイトルに触れておきたいと思います。サブタイトルは百人一首の歌から採られた語句を用いているのが特徴。百人一首は100の歌をもって恋の始まりから終わりまでをストーリー性をもってならべられている、と言われていますが、なかなかこのサブタイトルも凝ってます。総集編の後編は第99歌ですね。僕の大好きな「あひみての」はないのですが、二番目に好きな「わすれじの」が第十二話に使われています。「BLOOD-C」は恋の物語ではないですが、「今日を限りの命ともがな」は最終話にぴったりだと思います。
第一話 あまつかせ…「天つ風雲のかよひ路吹きとぢよをとめの姿しばしとどめむ/僧正遍昭」
第二話 きみがため…「君がため 惜しからざりし命さへ長くもがなと思ひけるかな/藤原義孝」
第三話 ひとはいさ…「人はいさ心も知らずふるさとは花ぞ昔の香ににほひける/紀貫之」
第四話 なげけとて…「嘆けとて 月やは物を 思はする かこち顔なるわが涙かな/西行法師」
第五話 めぐりあひて…「めぐりあひて 見しやそれとも わかぬ間に雲がくれにし夜半の月かな/紫式部」
第六話 かぜをいたみ…「風をいたみ岩うつ波のおのれのみ砕けてものを思ふころかな/源重之」
第七話 うかりける…「うかりける人を初瀬の山おろしよはげしかれとは祈らぬものを/源俊頼朝臣」
第八話 よのなかよ…「世の中よ道こそなけれ思ひ入山の奥にも鹿ぞ鳴くなる/皇太后宮大夫俊成 」
第九話 こころにも…「心にもあらでうき世にながらへば恋しかるべき夜半の月かな/三条院」
第十話 ふくからに…「吹くからに秋の草木のしをるればむべ山風を嵐といふらむ/文屋康秀」
第十一話 たれをかも…「誰をかもしる人にせむ高砂の松もむかしの友ならなくに/藤原興風」
第十二話 わすれじの…「忘れじの行く末までは難ければ今日を限りの命ともがな/儀同三司母」
総集編
前編『たまのをよ』 …「玉の緒よ絶えなば絶えねながらへば忍ぶることのよわりもぞする/式子内親王」
後編『ひともをし』 …「人もをし人も恨めしあぢきなく世を思ふ故にもの思ふ身は/後鳥羽院」