2011年09月11日

「どろろ」(実写版)その1



 「どろろ」(実写版)は2007年に東宝で公開された特撮映画作品。原作は手塚治虫の漫画「どろろ」で監督は塩田明彦、プロデューサーは平野隆、音楽は安川午朗、福岡ユタカ、製作は「どろろ」製作委員会(TBS、ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン、電通、毎日放送、中部日本放送、SDP、ツインズジャパン、RKB毎日放送、ヤフー、WOWOW、北海道放送、朝日新聞社、東京都ASA連合会)、カラー、138分。
 原作は手塚治虫の漫画作品だが、かなり設定の異なったものになっている。時代考証は全く無視されており、一見時代劇風でありながら、近現代風な何とも摩訶不思議なもの。原作では、実はどろろは女性であり、それは最後の最後に判明、百鬼丸が「いい女になれ」と二人は別々の道を歩む。この結末さえも覆されて、もう既に“いい女”のどろろと百鬼丸は共に旅を続ける。なんだかなあ、と思ったけれど結構おもしろい。PG12指定だそうだが、それほど過激には思わなかった。小学校低学年には恐ろしいかもしれないけど。
 百鬼丸の父・景光は自らの野望のために、生まれてくる息子の身体を魔物に売り渡してしまう。百鬼丸は体の48カ所を魔物に奪われ、母はその子を川へ流す。術師・寿海は得体の知れないが、愛着のあるその子を拾い育て、失った部分を秘術による義肢で補ってやる。訪ねてきた琵琶法師から譲り受けた魔物を退散させる妖刀・百鬼丸を左腕に仕込む。寿海を育ての親として20年が流れる。寿海の死後は魔物を倒しては奪われた身体を取り戻す生活をしていた。たまたま百鬼丸の戦いを見たどろろは、琵琶法師から百鬼丸の話を聞いて妖刀に興味を持ち、彼につきまとうようになる。心を閉ざす百鬼丸はどろろをも拒絶したが、やがて心を開き始め身体を取り戻す旅を彼女と共にするようになる。物語のクライマックスは百鬼丸の出生の秘密が明らかにされ、父の身体をのっとった魔物を倒す。
 魔物と取引をしたものの、20年もの間戦を続けても天下統一をなし遂げ慣れなかった醍醐景光、息子が戻ってきて喜ぶ母・百合、それを良しとしない弟・多宝丸、醍醐景光を親の仇として狙うどろろ、出生の秘密を知って戸惑う百鬼丸。人間模様が分かりやすく描かれている。多宝丸は百鬼丸との戦いの中、折れた刀が首に刺さって死亡。影光と百鬼丸の間に割って入った百合は影光に切られる。影光は魔物との取り引きで多宝丸を生き返らせるため、自らの身体を売り渡すし、最後は百鬼丸に切られて消滅する。兄弟は和睦し、弟は父に城主の座を譲ろうとするが、百鬼丸は残りの身体を取り戻して来ると再びどろろと共に旅に出る。生命の尊さ、憎しみの愚かさ、人知を越えた者との取り引きで得た力の虚しさを説いている物語。
(つづく)
posted by KAZU at 21:05| Comment(2) | TrackBack(0) | 特撮