2011年01月28日

「怪獣大戦争」



 「怪獣大戦争」は1965年に東宝から公開された特撮怪獣映画。まだゴジラが子ども向け作品になっていない頃の作品なので見応えがあるというだけでなく、タイトルに“怪獣”とつくものの内容は人間ドラマで、ドラマとしてもおもしろい作品。もちろん公開当時に見たのではなくて、後にテレビで、また最近になってレンタルして見たけれどなかなかの秀作です。監督は本多猪四郎、特撮監督に円谷英二、製作に田中友幸、脚本に関沢新一、音楽に伊福部昭、94分カラー作品。
 196x年に木星第13番衛星が発見される。地球連合は探査船P-1号を発進させ、富士とグレンを探査に向かわせた。第13番衛星(X星)には高度な文明を持つX星人が、統制官の下で暮らしていた。酸素と水素から水を合成して暮らすX星人は地球征服をたくらんでおり、探査にやってきた富士とグレンに基地を怪物0(キングギドラ)が襲うように見せかけて、キングギドラを退治するために、癌の特効薬と引き換えに地球の怪物01(ゴジラ)と怪物02(ラドン)を借り受けたいともちかける。地球連合はその申し出を受け入れ、日本で眠っていたゴジラとラドンを円盤により運び出す。再びX星に赴いた富士とグレンの目の前でゴジラとラドンはキングギドラを撃退することに成功、癌の特効薬に関するテープを持って地球へ戻る。テープを再生すると音声が録音されており、X星人は地球人の無条件降伏と植民地化を宣言し、それに従わない場合はゴジラ、ラドン、キングギドラによる破壊による征服をすると述べられていた。X星人の歓迎ムードは一転、地球は恐怖にみまわれる。
 一方、富士の妹ハルノの恋人・鳥井は売れない発明家。ところが珍しく鳥井の発明したレディガードを「世界教育社」の波川玲子が買うという。「世界教育社」はX星人の地球侵略のための前線基地で、鳥井の発明したレディガードはX星人の弱点である音波を発するので排除するために買いつけようとしていた。交渉が進まないので再三鳥井は「世界教育社」を訪れ、不審を感じて潜入を試みるが見つかり捕らえられてしまう。
 物語は任務で地球に潜入していたX星人波川が恋人として愛してしまったグレンを守って殺され、彼女の手紙からX星人の弱点を知るに至って急展開する。X星人の電磁波によるコントロールから解かれたゴジラとラドンがキングギドラを協力して撃退しハッピーエンドで終了する。地球側の当然の勝利ながら、たった一人、波川の種族への裏切り行為で国家的な作戦が破綻してしまうとは実にお粗末。

☆キャスト
・富士一夫/宝田明
 地球連合宇宙局の局員、P-1号のクルー。
・グレン/ニック・アダムス(声/納谷悟朗)
 地球連合宇宙局の局員、P-1号のクルー。波川玲子の恋人。
・鳥井哲男/久保明
 富士の妹の恋人で、町の発明家。
・波川玲子/水野久美
 X星人の前線基地・世界教育社の社員を装う。
・富士ハルノ/沢井桂子
 富士一夫の妹。鳥井の恋人。
・X星人統制官/土屋嘉男
 X星人を束ねる統制官。
・桜井博士/田崎潤
・移動司令/田島義文
 他に、清水元、村上冬樹、佐々木孝丸、松本染升、塩沢とき、千石規子、田武謙三、堤康久、桐野洋雄、伊吹徹、宇野晃司、等。
 ゴジラのスーツアクターはご存知・中島春雄、ラドンは篠原正記、キングギドラは広瀬正一。
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2011年01月27日

「マタンゴ」



 先日の「開運なんでも鑑定団」でゲストに水野久美さんが出演されてました。水野さんの紹介映像でジャングルのシーンが出てきた時にすぐに「マタンゴか」とわかりました。僕は「マタンゴ」は白黒でしか見たことがなかったのでカラーシーンでちょっと感動。「マタンゴ」は1963年に東宝から公開された特撮ホラー映画。勿論公開当時は知るよしもなく、初めて見たのはテレビ放映の時でした。小学生には本当に恐い映画で、最後の場面、助かった唯一の男が精神病院でマタンゴ化し始めていたのが恐怖の余韻を残してゾッとしました。原作は海外の小説だそうで、監督は本多猪四郎、特撮監督に円谷英二、製作は田中友幸、脚本は馬淵薫、音楽は別宮貞雄、89分のカラー作品。
 作品は所謂額縁作品で精神病院に収容されている男が事件を回想する形で始まります。豪華ヨットでクルージングにでた男5人、女2人の男女が遭難して無人島に漂着します。島はキノコがいたるところに生えるジャングルに覆われていて、食料になるようなものが見当たりません。難破した船が見つかりますが、生存者はなく食料も殆ど残っておらず、船員が次々と消えていたこと、キノコを食べるなという旨の警告めいた内容の書かれた日誌が残されていました。また船の中の鏡がみんな割られていて不審なことばかり。食料不足の中、女性が二人しかいない環境で男たちが諍いを始めます。船の記録からキノコは新種「マタンゴ」で食べると幻覚を見るとあり、それだけならと手をつけた者は気分が高揚して楽しい気持ちになるものの、やがて手にカビ状のものが生え、体全体がマタンゴと化していきます。鏡が割られていたのはマタンゴ化していく我が身を見ないようにするためであることを悟った時には事態は深刻な状態に。飢餓からマタンゴに手を出した婚約者をも残して、男は難破船に乗り込み脱出します。その後の経緯は詳細に描かれず、男は救出されるのですが精神病院の格子の部屋の中。顔までマタンゴ化が始まったラストシーンが不気味でした。
 キノコを食べるシーンはみんな生でむしゃむしゃやってました。火がないわけではないのに、普通加熱して食べるだろうと子供の時に見て不思議に思いました。刺身のように生で食べられるキノコもありますが、生のマッシュルームがおいしいはずもない。

☆キャスト
 50年近く前の映画ですから、みなさんめちゃ若いです。
・村井研二/久保明
 本作の主人公、唯一生還した男。
・関口麻美/水野久美
 妖しい魅力を振りまく美女を演じておられます。
・作田直之/小泉博
・小山仙造/佐原健二
・吉田悦郎/太刀川寛
・笠井雅文/土屋嘉男
・相馬明子/八代美紀
 村井研二の婚約者。

 以上がヨットのクルーです。本編の大半が無人島での物語ですから7人以外は僕は全然覚えていません。人間からマタンゴへの変身途上の怪人(元・難破船のクルー)を天本英世さんが演じておられるとのこと。他に熊谷二良、草間璋夫、岡豊、山田圭介、林光子、等。
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2011年01月26日

「ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド」(3)



☆クレオメ
 物語の終盤で“クレオメ”と呼ばれる花が登場する。ミナが好む花として描かれている。別名をフウチョウソウ(風蝶草)と言い、最近では観光用に一面に植えているところあるそうな。日本に観賞用として入ったのはかなり前で僕が小学生時代には既に育ててました。原産は熱帯アメリカらしいが、どういうわけか僕が聞いた名前は「ヒマラヤの雑草」。母の友達が種をくれたので播いたのですが、高さが1メートルくらいに育ち、無限の総状花序で花が咲いて鞘状の実がなり、上にどんどん上に花が上がっていきます。丈夫な草で毎年こぼれ種で増えていく程。アニメの中では幻想的に描かれていたけれど、僕には「ヒマラヤの雑草」で全然そういうイメージがありません。

☆主題歌
 オープニング、エンディング共に1曲ずつですが、12話しかない割には変則が多かったです。まず第1話はオープニングがありません。頭からストーリーが続くので最初見たときは「ん?」と思いました。またエンディングのない回、またオープニング主題歌である「フレンズ」がエンディングに用いられた回、エンディング主題歌である「爪痕」がオープニングに用いられた回もありました。第12話はオープニングとエンディングは通常の逆でした。
 オープニングは「フレンズ」。NOKKO作詞、土橋安騎夫作曲、藤田淳平編曲、歌は中野愛子。オープニング映像は裸のミナ姫が踊るという深夜枠らしい映像。曲はオーケストラ伴奏で特に弦楽パートの響きが格調高い雰囲気を作ってます。
 エンディングは「爪痕」で、中野愛子作詞、藤田淳平作・編曲、歌はhibiku。こちらの映像は静的で、曲想はどちらかというとオープニングに近いところがあるせいか、僕の中ではインパクトが足りません。
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2011年01月24日

「ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド」(2)



☆キャラクター/キャスト
 この手の作品の常としてキャラクターの数は多い。原作ではストーリーが進めば進むほどにその数が増えていくらしい。アニメは1クールながらその数は多く特にヴァンパイア側はメインキャラ以外登場回数が少ないのでなかなか覚えきれないところがある。第1話「プロムナイト」でミナとミナに仕えるツェペッシュ家のヴァンパイア、アキラが登場する。ミナとヴェラトゥースを除くとほんのわずかな場面だけになっている。全部見終わってから第1話を見るとちゃんと、それぞれの仕事を果たしていることがわかるのだけれど。

●ミナ・ツェペッシュ/悠木碧
 ツェペッシュ家の主でヴァンパイアの女王。外見は幼い少女だが人の寿命よりも遥かに長い年月を生きてきた。
◎鏑木アキラ/中村悠一
 盟約により結ばれたミナ姫の従者。人狼の少年。物語の1年前に就いた「真祖の遺産」に関する任務で記憶を失う。ストーリーの進行と共に記憶を取り戻していく。
■ヴェラトゥース/甲斐田裕子
 ヴァンパイアの女性、元はヒト。ミナ姫の側近で忠誠心高き腹心。通称はヴェラ。
●アルフォンソ/黒田崇矢
 ヴァンパイアの男性、ツェペッシュ家の門閥貴族、ミナ姫の側近。通称はアルフォンス。
●ネリー/喜多村英梨
 ミナ姫お付のメイドの一人。三人のメイドの中では一番みかけはまとも。
●ネーラ/渡辺明乃
 ミナ姫お付のメイドの一人。長く伸びた前髪が片目を覆っているのが特徴。本編ではメイドの仕事以外にもアルフォンスの指示で裏の仕事も手伝っていた。
●ネロ/谷井あすか
 ミナ姫お付のメイドの一人。赤毛の女性。
◎ヴォルフガング・レーゲンドルフ/中田譲治
 アキラの父。

□三枝由紀/斎藤千和
 アキラの同級生の少女、生徒会役員。
◎美刃(メイレン)/小林ゆう
 森の一族の末裔、獣化した姿はトラ。アキラの通う高校の制服を着てアキラの前に再三現れ、何度もアキラを助ける。最後はアキラにミナから離れるように説得するが聞き入れられず、戦って倒される。

●ジュノー・デルマイユ/藤本譲
 ヴァンパイアの男性。ツェペッシュ家の門閥貴族、侯爵。
●ジャン・マレイ・デルマイユ/成田剣
 デルマイユ候の嫡子。ミナのバンド建設に理解を示さず反抗してアキラに殺される。
●ローゼンマン/浜田賢二
 真祖の血を受け継ぐ三支族の一人。
●李/武虎
 真祖の血を受け継ぐ三支族の一人。
●イワノヴ/隈本吉成
 真祖の血を受け継ぐ三支族の一人。
■ヒステリカ/釘宮理恵
 ヴァンパイアの女性、元はヒト。ヴァンパイアのテロ集団テロメアの一員。
◎「変身女」/山口理恵
 アキラ抹殺のために三支族が差し向けた刺客の一人。

■東雲ななみ/伊藤静
 アキラの通う高校の生徒会長。生徒会室で襲われヴァンパイアになる。
■ユヅル/伊藤実華
 ななみの幼馴染の少年。ななみと共に暮らすために自ら望んでヴァンパイアになる。
■彦坂/市来光弘
 アキラの同級生。あだ名は「ヒコ」。力を欲してヴァンパイアとなったが利用され自爆する。
□シスター・ローラ/鴨ノ宮ゆう
 アキラが通う高校の教師であり。礼拝堂に立てこもった際にヴァンパイアに噛まれる。
□西条崇/一条和矢
 アキラの通う高校の生徒会副会長。
□石動/丸山詠二
 与党の大物議員。与党現主流派の大物議員。ミナのバンド設立に対して協力する。
□溝口勝一/浦山迅
 総理大臣。ミナのバンド設立の法案を阻止しようとするが、ミナは孫を拉致、脅迫して承認させられる。
(つづく)
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2011年01月23日

「ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド」(1)



 「ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド」は2010年に放映されたアニメ作品。ジャンルとしてはアクション作品とも見ることができるし、ファンタジーとしてもとらえることができるように思うが、深夜枠で放映されるアニメがライトノベルを原作にしているものが多い中で、久しぶりに大人の見るアニメだという印象が強かった。残念ながらテレビ放映では修正が入っている。同然DVDでは修正部分は解禁されているとは思うが未見。原作は環望の同タイトルの漫画作品。監督は新房昭之、音楽は土橋安騎夫、制作はシャフト、製作はヴァンパイアバンド行政府(メディアファクトリー、AT-X、flying DOG、ジェンコ)、全12話。
 いにしえから闇の世界に生きてきたヴァンパイア。そのヴァンパイアのツェペッシュ家の当主にしてヴァンパイアの女王ミナ・ツェペッシュは暴走する一族の下級ヴァンパイアを狩り出す目的でテレビ番組を利用し表舞台に登場、東京湾沖の埋め立て地にヴァンパイアの租界地区ヴァンパイア・バンド設立を宣言する。ミナと幼い頃に約束を交わした人狼の少年鏑木アキラとの絆の物語。
 おもしろいのはヴァンパイアが不老不死のモンスターとして描かれているのではなくて、生物の一種族として描かれているところ。日の光を浴びると身体が崩壊するところ、心臓に杭を打ち込むと同様に灰に朽ちるところ、吸血習性は私たちの知る吸血鬼と同様だが、血を吸われた者が吸血鬼になるのはウイルスによるもので、ワクチンで回避できたり、人工血液によって吸血習性が抑えられたりと道理がいく設定になっている。
 主人公はミナ姫なのかアキラなのか。ナレーションであり語り手は三枝由紀、描写はアキラの側から描かれていて、物語はミナ姫主動で進んでいく。僕が思うにやっぱり主人公はミナ。人間界の政治経済を牛耳っていくミナとヴァンパイアの女王として種族を率いる姿がこの作品の一番の魅力でアキラの盟約に従った恋慕とも情熱とも思える戦いは物語の根幹ではない。原作はどうなんだか。
(つづく)
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2011年01月20日

「風は旅人」



 もうひとつNHKの朝の連続テレビ小説から。「北の家族」の主題歌「風は旅人」。「北の家族」は1973年の放映で、主演は高橋洋子さん。その物語の舞台はタイトルどおり北は北海道・函館で、途中から舞台は金沢へ移ります。「風は旅人」は北海道の吹雪のシーンをバックに流れた時が印象的でした。この曲もテレビから録音しました。テレビではフルバージョンで流れることはなかったと思いますが、1番であったり2番であったり。必死で歌詞を書き留めた記憶があります。そのせいもあって今も歌詞は2番まで頭の中に入ってます。

「風は旅人」
楠田芳子作詞、三枝成章作曲、赤い鳥歌唱

さびしい朝は海を見て
夜明けの風をさがそう
ひとりぼっちで海に出て
あの白い風をさがそう
風は旅人 私の心 風は旅人よ
ふるさと遠く さすらう今も
私は忘れたくない
あの旅立ちの朝

恋しいときは丘に立ち
やさしい風と語ろう
あふれる想い花にのせ
あの白い風に託そう
風は旅人 私の心 風は旅人よ
ふるさとはるか はなれた今も
私は忘れたくない
あの旅立ちの朝
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2011年01月19日

「耳をすましてごらん」



 今年の春の選抜高校野球の行進曲がNHKの朝の連続テレビ小説の「ゲゲゲの女房」の主題歌「ありがとう」に決まったそうです。小学校、中学校の運動会などでこの手の曲で歩いたことがありますが、音楽の先生曰く「行進曲でない曲をいくら行進曲にアレンジしても歩きにくいでしょ」。確かに歩きにくいものです。選抜出場する選手達、御愁傷様です。
 脱線してしまいましたが、僕にとってNHKの朝の連続テレビ小説といえば「おはなはん」。これがまず一番。主題歌で思い出すのは本田路津子さんの歌う「藍より青く」の「耳をすましてごらん」。それから赤い鳥が歌う「北の家族」の「風は旅人」かな。
 本田路津子さんについては以前に記事にしましたので、ここでは「耳をすましてごらん」の歌詞をあげておきたいと思います。短調の曲なんですが、最後のフレーズだけ長調に転調されて希望の光を見ます。
 僕は当時テレビから録音しました。ナレーションがかぶっているのですが懐かしく、宝物でもあります。放映は1972年、主人公真紀に真木洋子さん。ナレーションに「真紀は心で思っていた」と入っており、主人公の名前を忘れることはないです。物語は結婚した真紀が、子供が生まれる前に夫が戦死し、戦争未亡人の仲間とともに強く生きていく姿を描いています。

「耳をすましてごらん」

耳をすましてごらん
あれははるかな 海のとどろき
めぐり逢い 見つめあい
誓いあったあの日から
生きるの 強く
ひとりではないから

旅をつづけてはるか
ひとりふり向く 遠いふるさと
想い出に しあわせに
寂しくないわと ほほえんで
生きるの 強く
あの海があるから

空を見上げてごらん
あれは南の 風のささやき
時は過ぎ 人は去り
冬の世界を 歩むとも
生きるの 強く
あの愛があるから
posted by KAZU at 12:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 番外編