
「サイボーグ009 超銀河伝説」は「009シリーズ」の劇場版第3作として1880年に東映動が制作したSFアニメ劇場作品。テレビ第2作目の後に作られ、原作の石森章太郎が指揮して原作色濃い作品に仕上がっている。監督は明比正行、脚本は中西隆三、音楽はすぎやまこういち。カラー130分のアニメ作品としては長編大作。テレビ第2作が日本サンライズの制作だったので、全体から受ける印象がテレビ版とは少し異なる。
戦いに赴くまでの過程に重点がおかれており、最終決戦は最後の30分。殊に悪の根源ゾアと009との対決は実に観念的なもので冒険活劇とは大きく異なっている。宇宙の根源ともいうべき存在である超エネルギー・ボルテックスは009の説明によると超生命体で神のような存在、実際は死んだものさえ甦らせる神そのもののような存在だったが、結局それが物語をつまらなくしているように思えてならない。004の壮絶な自爆も茶番劇のような…。
ダカス星の帝王・ゾアは宇宙の根源をなす超エネルギー・ボルテックスを自由に操って宇宙を征服しようと企て、数々の星の文明を破壞し、ボルテックス理論を確立した科学者を拉致してその理論を実践してきた。地球のコズモ博士がボルテックスを自由にあやつる理論を確立したことで、地球にも手を伸ばし、それを阻止しようとするサイボーグたちに対抗するために博士と001を連れ去ってしまう。8人のサイボーグはゾアに父親を連れ去られた異星人サバと彼が乗ってきた宇宙船イシュメール号でゾアを追って宇宙へ出発する。
最終的にはハッピーエンドで終わるが、ちょっと心配なのがギルモア博士かな。サイボーグ達は年を取らず001はいつまでたっても赤ん坊で年を取るのはギルモア博士のみ。生身の体となって地球に帰還してしまった004はギルモア博士にサイボーグ化を頼むが、博士ちゃんと手術できるのか。
☆キャスト
主要キャストはファン投票によるものでテレビ第1作のメンバーと第2作のメンバー双方が参加している。
・001/白石冬美
・002/野田圭一
・003/杉山佳寿子
・004/山田俊司
・005/田中崇
・006/はせさん治
・007/肝付兼太
・008/曽我部和行
・009/井上和彦
・ギルモア博士/八奈見乗児
・コズモ博士/永井一郎
・タマラ/鈴木弘子
・サバ/小原乃梨子
・ガロ/大塚周夫
・ゾア/大平透
・ナレーター/石原良
主題歌はエンディングでテロップと共に流れた「10億光年の愛」。作詞は山上路夫、作曲は森田公一、編曲は小六禮次郎、歌は町田義人。町田義人さんの歌う歌がみんな暗いとは言わないけれど、愁いを含んだ歌で激しく物語の主題の重さを感じさせる曲。挿入歌もみんなそうなので、この方向で作曲、編曲されたのでしょうが。挿入歌はイシュメール号が発進する際に流れた「さらばとは言わない」、こちらも作詞は山上路夫、作曲は森田公一、編曲は小六禮次郎、歌は町田義人。もう一曲はタマラの亡くなるシーンで流れた「愛はまぼろし」。こちらは山上路夫作詞、森田公一作曲、あかのたちお編曲、歌は山本百合子。こちらも悲しく重い曲想でした。