2010年05月10日

「桜並木の彼」




 「続 夏目友人帳」の第1期に劣らず心あたたまるエピソード揃いでしたが、その中でひとつ挙げるとすると第9話「桜並木の彼」でしょうか。
 フリーマーケットに出かけた貴志は冬枯れの樹が描かれた一枚の絵に目を止める。じっと眺めている貴志に店主は「気に行ったのか」と、もう店仕舞いするからとその絵を貴志にあげる。持ち帰った貴志が壁にその絵を飾った日から目覚めると花びらが部屋中にまき散らされていた。犯人を突き止めようと寝たふりをしていた貴志とニャンコ先生の前に現れたのは巳弥という名の妖だった。巳弥によるとその絵は名だたる妖の絵師が描いたもので、その中に巳弥の人間の友人・八坂様が描かれており、その絵と共に旅を続けていたという。巳弥が目を離した隙に人手に渡ったので返してくれというのだが、何故か絵が壁から離れない。その絵は巳弥と共にいた時が長くて妖力を持つようになり、貴志の力を吸い取って根を張り枝を延ばしていった。巳弥は貴志の命を救うために絵を妖力で燃やしてしまおうとするが、貴志は「他の手だてを見つけよう」と制止する。しかし何の解決策も見つからないまま、巳弥は燃やす前に花を描くことにし、貴志とニャンコ先生に手伝ってくれと頼む。
 巳弥が自分か妖であることが分からないように身を隠すことのできる花の時期だけに八坂様に会いにくることにした心情と、自分の気持ちを重ね合わせる貴志。物語のテーマはここにあったと思います。けれどひときわ目を引いたのは八坂様がおそらく病に倒れて、待ち焦がれる巳弥の描写。姿は見せず手だけが描かれているのですが、年を追う毎に白から緑、黄色へと変化していきます。その色の変化に妖にとってさえも長い時間が経過していったこと、待ち焦がれる巳弥の気持ちを感じることができます。
 最後は巳弥と貴志とニャンコ先生が花を描きます。文句ばっかり言っているニャンコ先生のニャンコ手形を推す様子が楽しげでした。
posted by KAZU at 00:03| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメーション