
「ジャングル黒べえ」は1973年にNET系列で放映されたどばたばギャグアニメ。藤子・F・不二雄の漫画が原作ながら、企画はテレビ放映先行だったそうで、ほぼテレビ放映と同時に小学館の学習雑誌に連載された。当時、従妹たちの雑誌で読んだことがある。音楽は三沢郷、制作は東京ムービー、製作は毎日放送・東京ムービー。全31回、1回に2話放送の形式で全61話が放映された。
1970年代には結構再放送が多い作品だったが、封印の憂き目に遭って長らく公にされることはなかったが、先般出版された「藤子・F・不二雄大全集」(第1期)にて復刻され話題を呼んでいる。僕は黒べえの描写が黒人差別問題にひっかかったのだと思っていたが、自主回収・自主封印だったそうで、直接本作品に抗議やクレームがあったわけではないとのこと。契機は「オバケのQ太郎」の有名な「国際オバケ連合」のエピソードだったらしい。
アフリカのジャングルに住むピリミー族の酋長の息子が飛行機を巨大な鳥と間違えて捕まえようとしてしがみつくが、日本上空で疲れて落ちてしまう。たまたま落ちた佐良利家で助けられ、恩を返すまで帰らないと誓いを立てる。魔法の力を使って佐良利家のしし男たちを助けようとするのだが、上手くいかずに珍騒動を起こす。日本とアフリカの習慣の違い?、黒べえの日本に対する知識のなさがとんでもない事態を起こすものの、最後は丸く収まるのがパターン。その黒べえの本名は「クロ〜なんたらかんたら〜ベエ」ととてつもなく長い名前で略して「黒べえ」。
キャストは、主人公の黒べえに肝付兼太、パオパオに水鳥鉄夫、赤べえに桂玲子、しし男に杉山佳寿子、佐良利鳥子(しし男の母)に増山江威子、佐良利満(しし男の父)に矢田耕司。ガックに堀絢子・山本嘉子、タイガーに山下啓介、オカラに堀絢子、たかねに恵比寿まさ子、先生に大竹宏、他。何と言ってもアフリカ原住民を無理に模した肝付兼太さんの黒べえの声が最高。
主題歌はオープニングに 「ジャングル黒べえの歌」。作詞は原作者の藤子不二雄、作曲は音楽担当の三沢郷、歌は大杉久美子、肝付兼太。もっとも肝付兼太さんは「ウラウラ・・」と「ベッカンコ」と繰り返すだけですが。エンディングは「ウラウラ タムタム ベッカンコ」。オープニングと同じく、作詞は藤子不二雄、作曲は三沢郷、歌は大杉久美子、肝付兼太。