2009年06月30日

「ひぐらしのなく頃に解」(3)



 物語の核心部分を描くのは「祭囃子し編」。ここまでのエピソードは圭一が転校してきた後を描いており、以前の事はあくまで回想または登場人物の話としてしか描かれていなかった。「雛見沢症候群」は未知の病として設定されているが、それ以外の部分は三四の意志によって起こされた人為的な事件として解決してしまっている点は推理小説を見るようで、神秘的なものを求めていた視聴者にとっては落胆する内容、賛否の分かれるところ。最終話で無限ループを打ち破り梨花と羽入は7月1日を迎える。ここですんなり終わっていれば良いものを、今度は成長した梨花が両親の生きている時代の三四に出会うシーンを描いているため、更なる時間のループが存在するような予感を残して終わっている。主人公は梨花だが主題は三四の生きざまの方にあるのだろうか。
 主題歌はオープニングに「奈落の花」。作詞は島みやえい子、作曲は中沢伴行、編曲は中沢伴行・尾崎武士、歌は第1期引き続いて島みやえい子。第1期の「ひぐらしのなく頃に」の雰囲気を意識して引き継いだのか、似た曲想を持つ。ただ「ひぐらしのなく頃に」が衝撃的な印象を与えた分、インパクトに欠ける気がする。オープニング映像ははっきりと主人・古手梨花を中心に描かれている。物語の進行で少し映像に手が入っており、「祭囃子し編」では最後に実体化した羽入が登場しているのが一番大きな違い。エンディングは「対象a」(たいしょうアー)。interface作詞、inazawa作・編曲、歌はanNina。最終回では物語の最後のシーンと共に流れる。
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2009年06月29日

「ひぐらしのなく頃に解」(2)

 解答編なので本来は謎解きの部分だから相当に興味を引く作品であるはずなのだが、梨花の転生、永久ループを破ろうとする物語がかなり徒長していてちょっと退屈。24のエピソードの中で一番引きつけられるのは第1話の「サイカイ」でしょうか。「罪滅し編」の20年後の後日談で退官した大石と赤坂が長年閉鎖されていた雛見沢を訪ね、少女A(竜宮レナ)と再開して事件を解説しながら核心を探るエピソード。第1話に据えることで第1期を見ていない人間にもすこしは世界観を理解できるような内容になっている。何の解答も与えてはいないが、僕は「解」では一番完成度が高いと思う。
 第2話からはアニメオリジナルエピソードの「厄醒し編」で時系列的には「罪滅し編」よりも後の雛見沢で、梨花が古手神社で惨殺される経緯を初めて描いている。第2期屈指の残虐場面のひとつ。反面、ギャグ的描写も多い。
 第6話から「皆殺し編」。新たな雛見沢に転生した梨花と羽入だが、羽入の時間を遡る力が落ちてき、梨花に与えられた時間(綿流しの祭までの日数)が僅かしかない。ここでの解答の一番大きなものは梨花によって語られる“雛見沢症候群”の実態と三四の正体。ストーリー的には梨花が“敵”の存在を認知しループに終止符を打つための方法(ヒント)をみつけるところ。
 第14話から「祭囃し編」でいよいよ最終段階に突入する。時系列的には「皆殺し編」の続きに当たる。前半は三四の生い立ちから始まって、三四を中心に物語は展開し、かつての“おやしろさまの祟り”とされる事件の真実を描いていく。後半はそれを踏まえた上で無限ループを打ち破るため、羽入が実体化して雛見沢分校に転校生としてやって来て、三四の強い意志を打ち破り事件を解決に導くまでを描く。
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2009年06月28日

「ひぐらしのなく頃に解」(1)



 「ひぐらしのなく頃に解」は2007年にフジテレビ系列他で放映されたアニメ作品。「ひぐらしのなく頃に」の第2期作品で、続編。原作は竜騎士07、監督は今千秋、音楽担当は川井憲次、制作はスタジオディーン、製作はひぐらしのなく頃に解製作委員会 、全24話。
 第1期の「罪滅し編」の後日談を第1話「サイカイ」に据えて、さらにアニメオリジナルストーリー「厄醒し編」を加え、原作の解答編「皆殺し編」と「祭囃し編」を続けるという構成。解答編であるため、第1期に描かれているようなスリル性の高い演出や残虐な殺戮シーンは少ない。ストーリーの主人公は別々ではなくて一貫して古手梨花が引っ張る形になっている。作品構成の特徴としてはエンディングの後の予告編がなく、公式ホームページのURLが表示されるだけで、Web上で公開されている。映像は次回の画像の一部を流しているが、予告編担当の古手梨花と羽入が語る内容は次回のエピソードとは殆ど関係ない。ちなみにDVDでは予告編が本編の後に挿入されている。
 登場人物は殆ど同じで、チャイムを鳴らすだけの海江田校長がセリフを持って登場するのと、詩音が雛見沢分校に転校してきていたりするあたりが大きな違い。一番の違いは“オヤシロさま”の本体(実体)である羽入の登場。声も姿も梨花にしか聞こえず、見えない存在。雛見沢症候群の症状が進行してきた者(レベル3以上)だけがその存在の一部感じ取れるようになり、祭囃し編にて実体化して転生し梨花以外の人間にも存在が認知できるようになる。喋り方は梨花と同じだが、気弱。言動から梨花を思いやる気持ちがよく伝わってくる。羽入の声を演じたのは堀江由衣さん。
(つづく)
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2009年06月27日

「浜辺の歌」

 昨日息子が期末試験に向けて音楽の勉強をしており、その中で「浜辺の歌」がありました。林古渓作詞、成田為三作曲の有名な唱歌ですが、歌詞が、“あした”、“しのばるる”、“もとおれば”と難しい上に、半音階が随所にあって歌い難いところもあります。ところがこの歌を劇中でメインキャラクターが歌うという特撮がありました。「浜辺の歌」というとこの特撮を思い出します。
 その作品は「怪奇大作戦」の第17話「幻の死神」。静かに瀬戸内の夜の海に青白く光った水面から無数の手が現れるという怪奇事件を捜査するため、SRIの所長・的矢と三沢京助が現場近くの浜辺にやってくる。そこで三沢を演じる勝呂誉が唐突に「浜辺の歌」を歌い、的矢が「上手いねぇ」とほめる。本編とは直接関係のないシーンながらなぜかよく覚えているシーンだ。

あした浜辺を さまよえば
昔のことぞ 忍ばるる
風の音よ 雲のさまよ
寄する波も 貝の色も

 事件は密輸組織がその海域に人を近寄らせないように、伝説を利用して、水中に吊るした手や平知盛をX線を海底から当てて出現させていたのだが、牧の開発したパーフェクトライトによりトリックが見破られる。
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2009年06月24日

「元祖天才バカボンの春」

 「元祖天才バカボン」の後期エンディング。ギャグアニメとはとても思えないバラード調の曲で、最初聞いた時にはちょっと驚いた。僕はよく覚えていないのだが、前期エンディングの「パパはやっぱりすばらしい」と同じエンディング映像で曲だけ差し替えたそうだ。
 何と言ってもこの曲の歌詞「四十一才の春だから」は世間にバカボンのパパの年齢を世に知らしめた名句。漫画の設定では生まれは昭和元年だそうで、アニメの放映開始が昭和41年で以来年をとっていない、万年41才のキャラクター。何十年たっても変わらぬサザエさんと同じ。楽曲としても大変優れていると思う。原作の赤塚不二夫さんが作詞で本編の内容とは激しく異なる哀愁の漂う曲となっている。レコードを買おうとあちこち捜し回ったけれども見つからず、未だテレビから録った音源だけしか持っていない。作詞は赤塚不二夫氏、作曲は渡辺岳夫、歌はコオロギ’73とコロムビアゆりかご会。
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2009年06月23日

「パパはやっぱりすばらしい」



 「元祖天才バカボン」は原作者の赤塚不二夫さんにも好評で、忠実に原作に近い(則した)作品として、タイトルに「元祖」の二文字を入れているのだけれど、一般的に僕の年代だと1作目の「天才バカボン」の印象が強くて、「元祖」が放映された時に友達の間では「おもろない」という感想がよく聞かれた。僕もマンガチックで淡白な印象を受けた覚えがある。今でも「元祖」よりも第1作の方が好きだ。やはりアニメと漫画は違うものということでしょう。
 同様に主題歌も「柳の下に猫がいる〜」が余りに強烈で「青空のうめぼしにパパが祈るとき〜」は出てこない。しかしながら、今主題歌を聞き直してみると「元祖」の二つのエンディングはなかなか素晴らし曲だ。前期エンディングが「パパはやっぱりすばらしい」。作詞は東京ムービー企画部、作曲は渡辺岳夫、編曲はあかのたちお。歌は水谷賢とコロムビアゆりかご会、こおろぎ'73。バカボンがパパに語りかける形の歌詞でほのぼのと明るい曲。「天才バカボン」の主題歌でお約束のパパ(雨森雅司さん)のセリフもちゃんと入っている。歌詞の内容と全くズレているところも可笑しい。

「もう朝か、みんな寝なさい!」
パパは パパはやっぱり
やっぱり すばらしい
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2009年06月22日

「Zのテーマ」



 「マジンガーZ」の放送が始まったのが確か中学2年生の時で、この頃はもう相当にアニメソングにはまっていました。日曜日の放映で、第1話でオープニングとエンディングをテレビからテープレコーダーに録音して、歌詞を書き取り、曲も覚えて、翌日の月曜日にはオープニングもエンディングも1番を歌える状態で登校しました。オープニングは正統派アニメソングとして今でも大人気で、歌詞にはタイトルが2度、“パイルダーオン”、“マジンゴー”、“ロケットパンチ”、“ブレストファイヤー”と武器やキーワードが続出します。今やこんな歌詞は幼児向けのアニメくらいしかありません。先日もNHKのニュースで「香港でアニメソングが大人気」ということで水木一郎さんが熱唱していました。そうそう必殺技の“ブレストファイヤー”はオープニング映像ではドクター・ヘルのロボット軍団を高熱で一気に溶かしていますが、本編ではなかなか出て来なくて待ち遠しかったです。だいたい兜甲児がマジンガーZの操縦者になり、パイルダーオンのトレーニングするところからスタートする物語。武器もなかなかまともに使えない。必殺技などずっと後のことでした。最初にと使った時は「胸部高熱板を使え!」とか言われてお決まりの「ブレストファイヤー」のコールもなし。
 話がそれましたが、そんな「マジンガーZ」の主題歌の中で僕が一番好きなのが挿入歌「Zのテーマ」。後に飛行することができないマジンガーZのために“ジェットスクランダー”が開発されて、これが使われるようになると挿入歌も「空飛ぶマジンガーZ」が使われるようになりますが、それまでは多用された挿入歌です。2番までフルで使用されることが何度かあってテレビの前で待ち構えて録音しました。効果音に混じって歌われる水木一郎さんの声はカッコよかったです、挿入歌の中の挿入歌。「人の頭脳を加えた時に」のところがよく聞き取れなくて、随分歌詞の意味を取るのに苦労しました。後から、「マジンガーZ(機械)に人の頭脳(知恵)を加えた時に未来をもたらすものになる」という解釈ができてウンウンと納得したものです。2番を先に聞いていたらもっと分かり易かったと思いますが。作詞は小池一雄、作・編曲は渡辺宙明、歌は水木一郎。
posted by KAZU at 12:35| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメーション