すっかり忘れていた4月の番外編。
「快刀乱麻」は1973年にTBSテレビ系列で放映された、時代劇推理ドラマ。原作は坂口安吾の「安吾捕物帖」で、時代劇と言っても江戸時代ではなくて明治を舞台にしている。第10話から「新十郎捕物帖・快刀乱麻」とタイトルを変更したそうだが、全く記憶にない。オープニングでのタイトルコールも変わらず「快刀乱麻」だった。僕がテレビからオープニングを録音したのは第13話「今年最後の斬り斬り舞い」。そこまではっきり分かるのは、オープニングでサブタイトルもコールされているから。制作は山内久司、脚本は佐々木守ほか、音楽は都倉俊一、タイトルバックが横尾忠則、全26話。
明治の東京で起こった事件を解決すべく、依頼者が探偵に依頼。花逎家因果、勝海舟、結城新十郎の三人が推理する。この推理場面がなかなかおもしろい。しかし犯人を見事言い当てるのは結城新十郎のみ。それゆえ「新十郎捕物帖」なんでしょうが。僕は結城新十郎よりも、勝海舟を演じた池部良さんがカッコよくて、推理の当たり外れは二の次だった。
キャストは主人公結城新十郎に若林豪、花逎家因果に植木等、勝海舟に池部良。この三人は印象に深いが、今調べてみると、小山田鉄馬に沖雅也、泉山虎之介に花紀京、荒牧英太郎に尾藤イサオ、古田鹿蔵に河原崎長一郎、おそよに野川由美子となかなか個性的な俳優さんが揃っている。ナレーションに佐藤慶。ちょっと驚いたのが小雪役の志摩みずえさん。NHKの少年ドラマシリーズ「夕ばえ作戦」で風魔一族の娘・洋子を演じた方ですね。作品の時代から言えば「夕ばえ作戦」よりも「快刀乱麻」の方が先になるわけですが、風魔洋子が16、17に見えたのに、小雪の時で既に二十歳だったようです。
さて、この作品オープニングがなかなか重厚ですごいのです。タイトルバックが横尾忠則さんで、もちろん当時そんなことは知りませんでしたが、パッと見て受ける印象が強烈です。それから主題歌がまたいい。「♪少女ひとり 白い馬に乗って駆けてくる 霧の朝・・・」で始まるこの曲は「少女ひとり」。作詞は佐々木勉、作曲は音楽担当の都倉俊一、歌は内田喜郎。「♪愛の歌 愛の色が」のところで半音階の進行があって美しい。あまりに気に入ったので、中学の音楽のリコーダーのテストで自由曲にこの曲を選んで吹いたくらい。シングルカットされていないために聞くことができず、長年捜してきたのだが、オムニバスCD「
ちょんまげ天国 in DEEP」に収録されている。試聴もできるので是非その一部だけでも聞いてください。