2009年02月09日

異形のもの

 「宇宙海賊キャプテンハーロック」でアルカディア号に乗り込んだ台場正がマゾーンに殺された父・台場博士の仇を取るために戦闘訓練に明け暮れる。そんな中マゾーン戦士ローラとの戦いで台場は敗れる。有紀蛍は台場の射撃が「0.3秒遅れている」と指摘する。植物生命体であるマゾーンが、その姿が美しい女性の形をしているために台場の心の中に一瞬のためらいがあった。心に何のゆらぎもないハーロックはマゾーンの本質を見抜いており、姿形など問題にしていないが、そのためらいが命取りになることを伝えるのだが・・・。
 「宇宙海賊キャプテンハーロック」はハーロックたちとマゾーンの戦いを描いているが、敵であるマゾーンは植物生命体で美しい女性の形をしている。そこがひとつのミソで、多くの男性がその姿に、ある時は惑わされ、ある時はだまされ、悩み苦しむ。魔地機関長や切田長官もそうだった。感情を見せないハーロックもマゾーンの女・波野静にどういう気持ちを抱いていたのか。ミーメや有紀蛍などの女性はマゾーンは異形のものであると言うにもかかわらず、嫉妬する姿をみせる。一方マゾーンの方は植物から生まれるにもかかわらず知性と感情を持ち合わせており、その姿を利用して人間の心の弱みにつけこもうとする。ところが、逆に人間を愛してしまったりする。女王ラフレシアはハーロックとの直接対決でハーロックの剣で衣服を切り裂かれるが、その際に胸を隠している。
 現在放映中の「屍姫」では捨てきれない未練を持って死んだ人間が“屍”と呼ばれる動く死体として甦り人間を襲う。その“屍”を狩るために光言宗の僧と契約した屍の少女たちが“屍姫”。屍である限り「動く死体=異形のもの」であるわけだが、その姿は少女の形をしている。この作品も「宇宙海賊キャプテンハーロック」と同様のコンセプトがあると思う。主人公・花神旺里(オーリ)が屍姫・星村眞姫那(マキナ)を人間の少女として接してしまうことから、様々な問題を招いていく。マゾーンの女王ラフレシアをはじめ、幹部たちはやや近寄りがたい雰囲気を醸しだしていたが、屍姫はみなかわいい。視聴者でさえひきこまれてしまう魅力に“異形のもの”というスタンプを押すことはちょっとためらってしまう。
 台場正を演じるのは今や超ベテラン、多くの主役級キャラを演じてこられた神谷明さん。ちょっと意外な感じがしますが、心揺れる成長途上の若者を好演している。一方、花神旺里を演じるのは若手俳優の羽染達也さん。超頼りない少年を上手く演じている。ちなみに屍姫・星村眞姫那を演じるのは「仮面ライダー響鬼」で天美あきらを演じた秋山奈々さん。モデル出身の秋山さんは確か響鬼で俳優デビュー、屍姫が声優デビューかと思うのだが、まだちょっと拙さというか、違和感がありますね。

posted by KAZU at 08:31| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメーション