2008年10月01日

「巣立つ日まで」

 10月の番外編。ここのところ時系列に従って書いてきましたが、暗く滅入ってしまうような内容の作品ばかりなのでちょっと順番を変えてみました。ただこの作品も最後に人が亡くなるわけで、明るいとは言えませんが。
 「巣立つ日まで」は1976年にNHK少年ドラマシリーズで放映されたドラマ。原作は菅生浩、脚本は石森史郎、演出は伊藤美行・峰岸透、音楽は三枝成章、制作は東京放送局、全16話。
 舞台は放映時よりも少し時代をさかのぼった福島県の郡山。和気靖、野中正彦、斉藤吉夫、境橋幸子、柳田妙子、白石京子の6人の中学生の姿を描いた青春ドラマ。何と言っても心臓病の幸子が手術を受けたものの、その甲斐なくして亡くなってしまうといのが最大の山場です。幸子が朗読していた中原中也の有名な詩「汚れちまった悲しみに」と京子役の田中由美子が歌ったオープニング主題歌が心に残ってます。幸子が亡くなり、妙子は父親の祖国韓国へ引き上げ、京子は両親のいるアメリカへ立ち、正彦は父親の転勤で鹿児島へ。切ない終わりでした。
 キャストは和気靖に川崎公明、野中正彦に坂本香、斉藤吉夫に宮田真、境橋幸子に村田みゆき、柳田妙子に玉川砂記子、白石京子に田中由美子、他。大物俳優としては妙子の父に柳生博さん、変わったところでは同級生の上田ひろみを鶴ひろみさんが演じてました。もっとも鶴ひろみさん、当時は全然知らなかったですから、記憶にはないですが。
 オープニング主題歌は作品タイトルと同題の「巣立つ日まで」。立原あゆむ作詞、三枝成章作曲で京子役の田中由美子が歌っています。最初テレビからオープニングを録音したのですが、ほぼ時期を同じくして「NHKみんなのうた」でこの曲が流れました。オープニングではワンコーラスだったと思いますが、「みんなのうた」では2番まで流れたので、そちらから録音し直してオープニングの録音を消してしまったんですね。実はアレンジが違っていたのですが、当時はそんなことにはおかまいなしでフルコーラスの方を優先していました。オープニングはシンプルな伴奏だったそうで、「みんなのうた」ではオーケストラ伴奏でドラマチックに歌い上げてます。特に“空の広さを 雲の行方を”の部分の高揚した弦の音、一転して静かに決意のごとく歌われる“知りたい”のところが大好きです。
(Read More につづく)Read More
posted by KAZU at 08:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 番外編