
一輝は弟・瞬が引き当てた修行場所「デスクィーン島」を瞬に代わって選び、出向いて行きます。デスクィーン島で待っていたのは憎しみを小宇宙 (コスモ) に変えて戦うことを教える仮面の師。そんな修行の中で一輝が心のよりどころとしたのは師の娘エスメラルダ。エスメラルダは弟・瞬とそっくりで髪の毛の色が異なるだけの姿。僕はこの設定が一輝には似合わないと思うのですが、幸いアニメでの姿は瞬をイメージさせません。師の小宇宙の燃やし方は違っていたが自らの命をかけて一輝を聖闘士に育て上げたことは確かに師足り得たと思うのです。ただ、一輝との戦いの中で一輝が避けた拳圧がエスメラルダの命を奪ってしまいます。
フェニックス幻魔拳を遣い、心を捨てた一輝は弟・瞬に対してさえ一切甘えや妥協を許さないのですが、殊エスメラルダだけは別。一輝はエスメラルダの眠るデスクィーン島へ彼女に会うために出かけています。また、ポセイドン編ではリュムナデスのカーサが瞬の姿となって近づいて来ますが、すぐさま見破り何の躊躇もなくカーサに致命傷を与えています。カーサは例え敵であっても愛する者の姿そのままの者に何のためらいもなく攻撃してくる一輝に驚きます。そして死ぬ間際に一輝の心の奥底に眠っていたエスメラルダの存在に気づきます。エスメラルダの幻影はナイフで一輝を突き刺す。「そんな力で突き刺しても人は死なないんだよ。もっと強く突かないと」一輝は無抵抗にエスメラルダのなすがままに受け入れるが時既に遅くカーサは力尽きます。一輝の弱点をさらけ出したエピソードでした。
