
「透明ドリちゃん」は1978年にテレビ朝日系列で放映された特撮ファンタジードラマ。原作は石森章太郎、人形操作にドンキイ劇場、音楽担当に渡辺宙明、製作は東映・石森プロ・テレビ朝日、全25話。実写版のファンタジーもの(いわゆる魔法ものとは違って)として当時人気の作品。特にミドリ=ゼリアン王女の柿崎澄子さんもかわいかったし、白を基調にした衣装もでファンタジーらしく、愛らしいものでした。
妖精の国フェアリーのガンバス大王と王妃は行方不明になっていた娘・息子を探しあてます。二人は人間の兄弟として青山家で育てられていましたが、その二人をガンバス大王は妖精の国へ連れて行き、二人にその正体を明かします。姉・青山ミドリはゼリアン王女、弟・青山虎男はピピル。でも人間として育てられたミドリは人間界、青山家に戻りたいとガンバス大王に懇願します。大王はゼリアンが人間の子供たちに夢を与え続けることを条件にして、ミドリに透明になれる玉“ドリームボール”と妖精を呼び出す“フェアリーベル”を授けて人間界へ戻します。ミドリことドリちゃんがドリームボールとフェアリーベルを使って一生懸命子供たちに夢を与え続ける努力をする姿を描いた物語。子供たちに夢を与えることができなくなれば妖精の国へ帰らねばならないという約束だったのですが、最後の最後にどんでん返しが起こります。ガンバス大王が病気になり、ドリちゃんは大王の病気を治すために巨人の谷に薬?になる実を捜しにいきますが、そこで妖精の卵(本物のゼリアン王女)を見つけて、ドリームボールを使って王女を卵から出してあげます。ドリームボールは粉々になってしまいますが、本物のゼリアン王女が見つかり、ミドリと虎男は人間界へ戻っていきます。
オープニングの最後にも出てきますがドリちゃんがドリームボールを使って「ベルカイアル…アマサラク…ナイナイパッ」と呪文を唱えると姿が透明になります。この能力が「透明ドリちゃん」というタイトルの所以ですね。フェアリーベルの方はその名の通りベルで、これを鳴らすことによって妖精達を呼び出すことができます。このかわいい妖精たちはドンキイ劇場が操作する人形たちです。
キャストはガンバス大王に藤村有弘、王妃に藤島くみ、青山ミドリ(ゼリアン王女)に柿崎澄子、青山虎男(ピピル王子)に安藤聖一、パパ・青山竜夫に佐藤允、ママ・青山梅子に吉野佳子、白川菊子に曽我町子、白川大介に安藤一人、熊野幸治(ボス)に武田雄二、ボスの子分に吉山和昭、野田敏明、八幡洋之、藤木武司、ボスの母親に有崎由見子、雪原先生に小牧りさ、雷教頭に杉義一、他。
主題歌はオープニングに「透明ドリちゃん」。作詞は原作の石森章太郎、作曲は音楽担当の渡辺宙明、歌は大杉久美子とザ・チャープス。オープニングとしては珍しく歌詞にタイトル名が入りません。
エンディングは「夢の国の王女さま」で、八手三郎作詞、渡辺宙明作曲、歌はオープニングと同じく大杉久美子とザ・チャプース。
