2007年03月23日

「ガラモンの逆襲」

 「ウルトラQ」の第16話、第13話「ガラダマ」の続編。前作ではダムを破壊したもののダム湖から出ることはなかったガラモンが東京で大暴れをする。オープニングで複数のガラダマが終結して地球に突入していくシーンは前作を見た者にとってはわくわくする、またドキドキする映像だ。
 大学の宇宙物理学研究室に保管されていたチルソナイト製の電子頭脳が中性的な顔だちの男に盗まれる。エスパライザーを操作する男が歩く後を電子頭脳が空中を漂いながら着いてくるところでオープニングが始まる。大学の研究室にこんな貴重でぶっそうな物を保管していたというのはそもそもおかしいが、遊星人に盗まれるなどという想定はなかったのだろう。
 「平和な大宇宙のしじまを破って、巨大な隕石群が青い地球に向かって飛んでいるのです。我々は地球侵略を企む遊星人が送り込んだ、おそるべきロボット怪獣ガラモンを倒すことに成功した。だが、遊星人はガラモンをコントロールする電子頭脳を盗み出し、再び地球総攻撃を開始したのです。地球危うし」(オープニングナレーション)
 東京に次々と飛来するガラダマ、ガラダマが破れてガラモンが現れる。東京タワーを破壊するシーン、東京の街に複数のガラモンが飛び跳ねるシーンは不気味さが漂う。しかし万城目たちと電波研究所の花沢主任の活躍で電子頭脳を電波遮断網でくるむと、全てのガラモンが口から液体を吐き出して次々と停止する。この場面も不気味だ。最大の見どころはラストシーン。万城目と一平に殴られた男が起き上がると、顔はセミ状に変化していた。湖の水の中へ歩き始めるセミ人間。突如沖合の水面から円盤が浮かび上がる。手を振るセミ人間。円盤からは光線が放たれ、「ギギーッ」と悲鳴を挙げてセミ人間は燃える。「彼は任務の遂行に失敗した、あれが彼らの掟なんだ」「悪魔の様な宇宙人!」「あんなやつらに地球を取られてたまるもんか」。この衝撃的な映像がこの作品の主題につながっています。東京を一時ガラモンに蹂躪されたものの地球人の勝利となった。
 円盤が飛び去った空を見上げる花沢主任。「助かったなあ」「主任、我々の勝利ですね」「いや、人類の科学がこのチルソナイトの電子頭脳を破壊することができない限り危険はまだ続いているんだ」
 任務に失敗した者を処刑するのは何もセミ人間の世界に限らず、人間の世界にもあると思うのだが、メインキャスト三人の言葉に遊星人の非情さが浮き彫りにされている。ちなみに花沢主任を演じたのは平田昭彦さん。
posted by KAZU at 08:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 特撮