
シュウジはちせに向かってよく「アホ」って言ってます。あのイントネーションは大阪人の僕にとっては真似ができません。大阪弁になってしまいます。この作品のおもしろさのひとつに北海道の方言があります。原作者の高橋しんさんは北海道士別市の出身だということですから、作品の舞台も北海道、的確な方言を原作では使用していると思います。アニメになるとそれが声(音)になりますから単に文字で書かれたものとは違ってイントネーション(アクセント)で更に多くの意味や感情がこめられてきます。クレジットに方言指導/今野宏美の文字があるように方言にも気を使って作られた作品であることがわかると思います。聞いていて僕には違和感がないですが北海道の方にはどうなんでしょう。大阪弁だと時代的には少し前の大阪を描いた「じゃりん子チエ」は実に見事な大阪弁ですが、他の作品だと少々こてこて過ぎる感がありますが。
「あほ」と「ばか」は地方によってかなりニュアンスの異なる言葉ですね。高校の修学旅行の前に「あほ」と「ばか」について注意を受けたことがあります。場所によっては大阪の「あほ」と「ばか」のニュアンスが逆転するそうで、行った先で地元の人間に対して「あほ」は使うなという話でした。普通大阪で「お前あほやなぁ」と言われて激昂する人はまずいません。シュウジがちせに向かって言っている「あほ」の意味は僕には捕らえにくいものです。