
「最終兵器彼女」は2002年に中部日本放送・ファミリー劇場等で放映されたSFアニメ。原作は高橋しんの同題名の漫画。深夜放送枠で放映されたためにそれほど知名度は高くなかったが、昨年は実写による劇場版が製作されたり、オリジナルビデオアニメが作られたり、あるいはゲーム化されたりと最近話題の作品群。テレビアニメの英題は邦題の直訳的タイトルで「She, The Ultimate Weapon」。製作は「サイカノ」製作委員会(東映ビデオ、東北新社、小学館、CBC)、アニメ制作はGONZO。全13話。
この作品は主人公のシュウジの目を通して語られていくが、一部シュウジが関わらない場面ではヒロインのちせの目を通して描かれている。最大の特徴はシュウジとちせのラブストーリーに焦点を当てていて、戦争やその背景、あるいは経緯、ちせが最終兵器として改造されたことについて全く触れられていないこと。普通SF作品に限らず、当然ストーリーの進行と共に明らかにされていく背景設定が全く語られず、ただシュウジとちせの精神に的が絞られていて、それでいて視聴者がそれを追求する強い欲求を感じないのは原作者の見事な演出効果だと思う。舞台は北海道、設定では主人公たちの暮らす町は小樽ということだ。本州のことを内地と呼び、方言を話す。僕は北海道の方言はよく知らないが、テロップによると方言指導の方が着いており、聞いていて不自然さは全然ない。(Read More へつづく)Read More