2007年01月31日

「パタリロ!」



 遅ればせながら「パタリロ」は1982年にフジテレビ系列で放映されたアニメーション。原作は白泉社の「花とゆめ」に連載された魔夜峰央の同名漫画。「クックロビン音頭」のところでも書きましたが強敵裏番組のせいで視聴率が振るわず木曜日、土曜日、金曜日と2回の時間帯変更をしました。結果的には1年間全49話を放映したので、最終的にはそれなりの成果があったものと思われる。僕はこの漫画がアニメ化されゴールデンタイムに放映されたことだけでも高い評価を与えてよいと思うのだが。制作は白泉社・東映アニメーション、音楽担当に青木望。同性愛をテーマにと入れたこの作品がアニメ化されて随分話題となりました。後にタイトルを「ぼくパタリロ!」に変更している。
 ストーリーの詳細は東映アニメーションのホームページを見ていただきたいと思う。裏番組の方を見ていたので詳しく語るほどの知識はありません。とりあえずあらすじのみを。9歳で大学を卒業した超天才、マリネラ国王はギャグ連発、はちゃめちゃな行動力、必殺ゴキブリ走りを誇る、人並み外れた生命力を持つ。彼の名はパタリロ・ド・マリネール8世。南海の小国ながら世界有数の埋蔵量を誇るダイヤモンド鉱山があるマリネラ国を舞台に、若き国王パタリロが字空間を越えるその力をフルに発揮、国を守る活躍を描く、というとカッコいいのだが・・・。人をおちょくる趣味を持つパタリロ、アニメになる前に漫画を読んで好きになれないキャラクターでした。パタリロのボディーガードがバンコラン少佐。彼もまた美形とクールさ行動力が武器、仕事はちゃんとこなします。
 キャストはパタリロに白石冬美、バンコラン少佐に曽我部和行、マライヒに藤田淑子、ジャダに戸田恵子、サッチャーに上田みゆき、ビョルンに増山江威子、長官に永井一郎、エトランジュに池田昌子、トミーに間嶋里美。今考えるとそうそうたる声優さんを揃えている。
 オープニングには「パタリロ!」で伊藤薫作詞・作曲、青木望編曲、歌は藤本房子。第1エンディングに「美しさは罪」で伊藤薫作詞・作曲、中村暢之編曲、歌は竹田えり。第2エンディングに先にご紹介した「クックロビン音頭」。田中のぶ作詞、青木望作・編曲、歌はスラップスティックと白石冬美。主題歌については歌詞がおもしろいので、別の機会に。

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2007年01月30日

「クックロビン音頭」



 「クックロビン音頭」は「パタリロ!」の劇中歌、エンディングとして知られる有名な曲。とは言えこの作品は競合の裏番組に勝てずに放送時間帯を2度に渡って移動、結局それなりの視聴率が得られずに実質上の打ち切り?に近い形で放映を終えている。僕も漫画では知っていただけに、この作品がゴールデンタイム放映のアニメになったこと自体に大変驚いた。で見ていたかというとノン。競合した裏番組の方を見てました(笑)。例によって主題歌だけは押さえていたので、レコードは持っています。「クックロビン音頭」は劇中で人気を得、エンディングへ昇格したもの。アニメタイトルは後に「ぼくパタリロ!」に変更されるが、レコードの方はまだ変更最初のタイトルを冠しているので、放映開始の早い時期、異例のシングル化だったと言える。

ババンがバン
だーれが殺した クックロビン
だーれが殺した クックロビン

 田中のぶ作詞、青木望作・編曲、歌はスラップスティックと白石冬美。「パタリロ」ファンでないと(予備知識がないと)意味不明の曲でしょう。カップリングされている「パタリロ・マーチ」は冬杜花代子作詞、森田公一作曲、青木望編曲で歌は藤本房子と杉並児童合唱団。この曲余り知られていないが、なかなかの秀曲です。

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2007年01月29日

高木均さん

 先日トトロの声を高木均さんが演じたということをご紹介しましたが、高木さんはまだご存命なのかなと思って調べたところ、2004年に78歳で亡くなられてました。
 アニメでは「ムーミン」のムーミンパパの声で知られています。あの周りを包み込むような優しいパパの声は一度聞くとわすれられない声でした。「となりのトトロ」の映画パンフでは「僕は役者を始めて40年になりますが、いままでずっと子供のものを優先してきました。でも、子供向けのお話でいいものってなかなかないんですよ。その点、「トトロ」は作り手がきちっと哲学を持っている。今、この作品をやれたということは、役者としてすごく嬉しいですね」とコメントされています。この高木さんの人柄がムーミンパパの声に出ているのではないかと思うのです。
 他に淡々と語りますが心に響いてくる「銀河鉄道999」のナレーション、「くまの子ジャッキー」のナレーション、などなど温かい声のものが多いです。ちょっと感じが違ったのが「わが青春のアルカディア」のトライター首相ですか。
 高木さんは映画、舞台、テレビで活躍された俳優さんで声優の仕事はほんの一部です。俳優さんとしては主役の仕事が少なくて(僕が知らないだけかもしれませんが)温厚な笑顔の反面、眼光鋭く嫌われ者、極悪犯、闇のボス、など悪役が中心で時代劇、刑事物ではよくお顔を拝見しました。あの人がムーミンパパかと思うようなその内容をここに書くのを憚るような、壮絶な極悪非道の人物を演じておられたのを覚えてます。その延長上と考えるとトライター首相も頷けると思います。


81.8MHz fmGIG が夜9時からお送りするムーンライト・ブレイク
月曜日は新旧問わず、アニメ・特撮番組について語り尽くす2時間。
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2007年01月28日

「スプーンおばさん」



 「スプーンおばさん」は1983年から1984年にかけてNHK総合テレビで放映されたアニメーション。原作はアルフ・プリョイセンの「小さなスプーンおばさん」で製作は学習研究社、アニメ制作はぴえろ、全130話。ティースプーンをペンダントにして胸にかけているところからそう呼ばれる主人公のスプーンおばさんはある日ティースプーンくらいに小さくなることができる力を手に入れる。小さくなった時だけ動物の言葉がわかり、動物と話をすることができる。動物たちと話をすることによっていつも人間の側からしかみていなかった動物たち、動物たちの世界、動物たちの感覚・気持ちを理解していく。
 キャラクター&キャストをご紹介。突然小さくなり突然元に戻る不思議なスプーンおばさんに瀬能礼子、頑固なペンキ屋で動物嫌いなおばさんの亭主ポットに八奈見乗児、動物好きな森に住む少女ルウリィに島本須美、ルウリィのペットでミンクのルウに横沢啓子、おばさんの家に住む要領のよい猫ゴローニャに千葉繁、おばさんところの大食漢のむく犬ブービィに郷里大輔、いつも文句ばっかり言っているおばさんところの雌鳥トンガルに山田礼子、おばさんところの地下室に住む由緒あるネズミ一家ビヨンハルケンの家長に玄田哲章、妻に山田礼子、ダン、ヂン、ヅン、デン、ドンの5つ子の子供たちの声は出演している声優さんがかけもちしていた。おばさんところに色々な話をもってくる蜂のアプアプに千葉繁。
 あと人間のキャラクターを紹介しないといけませんね。バケットに井上瑶、リトルボンに横沢啓子、キャパに丸山裕子、パセリに大和田りつ子、チップにTARAKO、他に井上瑶、花咲きよみ、平映子、緒方賢一、鈴木れい子、井上和彦ら。このあたりは僕も詳しくないので「ぴえろの公式ページ」をごらんください。
 主題歌はオープニングに「夢色スプーン」で松本隆作詞、筒美京平作曲、川村栄二編曲、歌は飯島真理さんで、この曲が飯島まりさんのデビュー曲になる。エンディングはオープニングと同スタッフによる「リンゴの森の子猫たち」。こちらはNHKみんなのうたでも取り上げられた。

リンゴの森の子猫たちに
誘われたのよ楽しいPARTY
木靴カタコト タップダンス
枝に小鳥のコーラス隊ね


81.8MHz fmGIG が夜9時からお送りするムーンライト・ブレイク
月曜日は新旧問わず、アニメ・特撮番組について語り尽くす2時間。
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2007年01月27日

「となりのトトロ」



 「となりのトトロ」は1988年、東宝系で公開された劇場用アニメ作品。今更言うまでもなくスタジオジプリの制作、監督は宮崎駿、音楽は久石譲。この年の徳間書店アニメージュ大賞に選ばれた人気作品。「このへんないきものは、まだ日本にいるのです。たぶん」「忘れものを、届けにきました。」の糸井重里氏のコピーも随分話題になりました。
 キャストは主人公のサツキに日高のり子、サツキの妹メイに坂本千夏、サツキの母に島本須美、サツキの父に当時人気絶好調のコピーライター糸井重里、お隣のばあちゃんに北林谷栄、お隣の男の子カンタに当時11歳の雨笠利幸、カンタの母に丸山裕子、カンタの父に広瀬正志、それから余り目立ったキャラクターではありませんが、本家のばあちゃんに鈴木れい子、草を刈る男に千葉繁、他に龍田直樹、西村智博、神代智恵、水谷優子、大谷育江、TARAKO、石田光子、中村大樹、平松晶子ら。そして忘れてはならないのがトトロにムーミンパパこと高木均さん。トトロに台詞はもちろんありませんが声だけで見事に感情を表わしています。
 オープニングは「あるこう あるこう わたしはげんき」で始まる「さんぽ」で中川李枝子作詞、久石譲作・編曲、歌は井上あずみさん。井上さんはデビュー5年目で当時23歳。以後アニメの主題歌は多くないですがいくつか歌っておられます。今も変わらぬ声、若くなったのじゃないかと思うくらい変わらないルックス(ちょっとオーバーか)、この曲はよく歌われてます。エンディングは「トトロ トトロ トトロ トトロ」で始まる「となりのトトロ」で作詞は監督の宮崎駿、作・編曲は久石譲、歌はオープニングと同じく井上あずみさん。「となりのトトロ」は“トトロ”をくり返すだけに映画の主題歌としてしか使われてませんが、「さんぽ」の方は歌詞もメロディーも楽しく、一般唱歌として各方面で使われてます。
 物語の方はとりあえず割愛しておきましょう。ご要望があればご紹介しますが。

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2007年01月26日

「名探偵ホームズ」



 「名探偵ホームズ」はご存知アーサー・コナン・ドイルの“シャーロック・ホームズシリーズ”を原作にしたアニメーション。東京ムービー新社とイタリア国営放送の合作で、1984年からテレビ朝日系列で放映された、全26話。宮崎駿氏が監督したということで有名なのだが、この作品随分紆余曲折があったようで、実際に宮崎監督が監督・演出したのは最初に制作された6編だけらしい。もともとイタリア国営放送からのもちかけで制作が始まり、一旦中断。劇場版として一部放映されたことを機会に制作が再開した。音楽を羽田健太郎氏が担当。
 この作品の最大の特徴は登場人物が擬人化した犬であること。以前はこの擬人化した動物で構成されるオリジナルアニメはたくさん作られたが、日本では最近は幼児向けなどを除くと少なくなっている。1980年代においてももう既にいまの風潮になっていたのだが、これはイタリア国営放送側の要望だったらしい。実際にはこれが大変効を奏した作品だと思う。シリアスなホームズシリーズを忠実に描くならばともかく、おもしろおかしく作られた作品なので犬の方が楽しんで見ることができた。原作から持ってきたのはキャラクターと舞台のみで、ストーリーはオリジナルということである。この手の本は全く読まないので僕にとっては原作に忠実でもオリジナルでもわからないですが。
 キャストはホームズに広川太一郎、ワトソンに富田耕生、ハドソン夫人に麻上洋子、モリアーティに大塚周夫、アニメオリジナルキャラのトッドに増岡弘、これまたオリジナルキャラ・スマイリーに千田光男、レストレードに飯塚昭三、他。
 主題歌はダ・カーポが歌っている。「地球へ」、「青春アニメ全集」、「宇宙皇子」いずれもダ・カーポらしいハーモニーの効いた曲たちだが、いまひとつしっくりこないと書いてきた。この「名探偵ホームズ」の主題歌は歌詞がすばらしいし、オープニングでは音の運びがとても斬新でダ・カーポの歌ったアニメ主題歌では一番気に入っている。
 オープニングは「空からこぼれたStory」で三浦徳子作詞、佐藤健作曲、福井峻編曲。“隠せないさ僕の瞳は・・・”の部分のトントントンと上がっているメロディ、この部分の編曲は印象的。エンディングは「テームズ河のDance」で、三浦徳子作詞、山中のりまさ作曲、福井峻編曲。山中のりまささん独特のメロディもまたすばらしい。機会がありましたら是非聞いてみてください。

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2007年01月25日

「宇宙皇子」(うつのみこ)



 「宇宙皇子」は1989年に東宝系で公開された角川映画・劇場アニメ作品。原作は藤川桂介の同名小説。日本の奈良時代を舞台に、霊力を持った修行者達の中にあって“教え”と“理想”の間で苦悩する宇宙皇子の活躍を描く。キャストは宇宙皇子に古谷徹、各務に山田栄子、魚養に池田秀一。多々良女に日高のり子、キジムナーに坂本千夏、他。
 公開当時の人気は今ひとつで、「うつつのみこ」と陰口をたたかれた。確かテレビCMでダ・カーポの歌う主題歌「夢狩人」の一節が流れたが、この曲も人気がなかった。役の行者・小角の伝説を元にする多くの小説、作品の一つとしてよく描けていると思うのだが。
 主題歌はオープニングに「夢狩人」。藤川桂介作詞、河野土洋作・編曲、歌はダ・カーポ。ダ・カーポの歌はけして悪くないと思うのだが、どうもアニメ作品との融合性に欠ける。エンディングに「かぎりなき愛を」。こちらもオープニングと同じく藤川桂介作詞、河野土洋作・編曲、歌はダ・カーポ。ダ・カーポの歌の魅力はハーモニーだと思う。そのハーモニーが存分に使われた曲だけども、それがエンディングとしての形に収まらず、浮いている。いずれも作品にマッチしないところが視聴者にきらわれたのか人気がなかった。
posted by KAZU at 23:37| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメーション