2006年10月16日

「君のこと」



 「涼風(すずか)」の第2エンディングが「君のこと」。最終回のクライマックスを象徴するような歌詞に、これまたぴったりのエンディング映像が付けられて流れた。最終回の本編からシームレスにエンディングへとつながったあたり、最終回だけに使用した方がよかったのではと思う。TOMBOW作詞、宅見将典作・編曲、歌はオープニングを歌うCOACH☆。
 シングルカットされていないのでサウンドトラックのみに収録されている。音源をまだ手に入れていないので、最終話の収録されたDVDを借りて見直した。
 この作品の主人公はタイトルの「涼風」ではなくて秋月大和で、大和の目から見て物語は描かれていく。大和の心の動きは明確で独白も多い。ドジでいい加減な性格は別にすればごく普通の高校生。対して涼風は態度や顔色にその雰囲気や気持ちは垣間見得るけれど、とうとう最終回まで一切独白はなくて心の中を語ることがなかった。最終回の一話前に大和が強引にキスする前、もう少しで喋りそうだったが。実に見事な二人の対比と演出でやきもきしながらも最終回のハッピーエンドへとつながっていく。
 最終話、津田の墓参りに大和をつき合わせる涼風。線香が3/4が灰になるまで一心に掌を合わせる。そして津田に向かって語りかける「ごめんなさい。やっぱり私、先輩と付き合えません。」「朝比奈?」「私、好きな人がいるの。」後ろで聞いている大和の顔が驚いたり、ゆがんだり。「ドジでいい加減でおせっかいで強引で、いつもいつも喧嘩ばかりしているけど、でもその人が好きなの、すごく。」「だからごめんなさい、先輩。」相変わらす素直になれない、でも初めて独白したいや告白した涼風。このシーンを見ていると涼風が主人公だったのかなぁと錯覚させる。
 立ち上がって振り返った涼風は大和を見つめて微笑み「帰ろうか」。
 --多分、その時の朝比名は、今までのどの顔よりかわいくて、そしてきっと今までのどの時よりも俺のことだけを見てくれていたと思う。--
 大和の言葉どおり一番の顔を見せた涼風。高校一年生のひょっとしたら現実にあり得るかもしれない恋愛遊戯のスタートで物語は幕を閉じる。ここまで頑な性格の少女は今じゃいないかもしれないが。最後に二人を見送った早乙女優花が「まあせいぜい頑張んなさい。大変なのはここからなんだから。」と言っていたのがやけに現実的だった。涼風を“朝比奈”と呼ぶ大和、大和を“大和くん”と呼ぶ涼風、このふたりの遊戯が本当の愛情に育つことを祈念して。
posted by KAZU at 20:52| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメーション