2006年10月31日

「魔法少女リリカルなのは」(4)



 この作品は魔法少女たちがジュエルシードをめぐって戦いを繰り広げるという非日常的なストーリーなのだけれど,テーマはずっと日常的なところに置かれています。それが見えてくるのは第5話あたりからでしょうか。とても小学三年生とは思えない三年生のなのはの,非凡な魔法の才能と物怖じしないきりりとした性格とは裏腹に,フェイトに対する思い,友達に対する思いがあふれています。なのはとユーノの念話,なのはの独白,なのはの両親の会話,なのはのクラスメイトすずかとアリサとの会話,フェイトと使い魔アルフの会話はいつも愛するものを思いやる心にあふれています。そして,それが最終回へ,次シリーズの「魔法少女リリカルなのはA's」へつながっていきます。
 こういうテーマを扱うためか,相対する感情を表す場面はかなりシリアルで非情なものが多かったなと思います。この辺りの表現はなかなか子供向け番組では描かれない,深夜の放送のひとつの醍醐味かもしれません。嬉しいことにレンタルショップにDVDが並んでいるので,是非見ていただきたい作品のひとつです。

2006年10月30日

「ちびっこ怪獣ヤダモン」



ネット上か資料と画像を借りてきたので、昨日の記事をリライトしました。

 「ちびっこ怪獣ヤダモン」は1967年に放映されたモノクロアニメーション作品。「ヤダー、ヤダー、そんなのヤダー」と甘えん坊でだだをこねる小さな怪獣ヤダモンの物真似が大流行りした。原作はうしおそうじ、制作はピープロダクション、放映はフジテレビ系で1話15分の二本立て、全26回。
 南極で発見された卵が怪獣研究所に運ばれてくるが、その卵からかわいくて人懐っこい、甘いもの大好きな小型の怪獣が誕生する。ひょんなことから大矢田家に居候することになり、太郎とチョメ子兄妹とコミカルな事件を繰り広げる。怪獣博士がヤダモンを追い掛け回し、太郎たちが必死で守る。
 僕が小学校三年生の時の放映で、学校でも相当に「ヤダー」が流行ったので見ていたはずだが、その割に記憶に残っていない作品。映像資料もきわめて少ない。記憶に残っているのはヤダモンの姿と声だけだ。前ポケットにプロペラを入れており、それを頭のてっぺんの角に取り付けて空を飛ぶことができる。声を演じたのは中島そのみさん、他に菅谷政子、一谷伸江さんが出演している。
 オープニングが「ヤダモン」で、宇野誠一郎作詞、作曲、歌はヤダモンの中島そのみさんとヤング・フレッシュ。エンディングは「オーノーヤダモン」で宇野誠一郎作詞、作曲、歌はヤング・フレッシュ。確か途中でオープニングとエンディングが入れ替わった記憶があるのだが、どうでしょう?
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2006年10月28日

「魔法少女リリカルなのは」(3)〜OP & ED〜



 今日は「魔法少女リリカルなのは」のオープニングとエンディングを。

 オープニングは「innocent starter」。フェイト・テスタロッサを演じる水樹奈々さんが作詞しており自らが歌います。作・編曲は大平勉。
 大変ノリのいい素晴らしい楽曲で、もともと元気の出る歌の多い水樹奈々さんにぴったり。以前から歌う声優さんでしたが、この曲で一躍有名に。アニメファン、声優ファン、音楽ファンからも賞讃された水樹さんの代表作となっています。残念ならが作品自体見るのが出遅れたこともあり、CDを買いそびれましたが、マキシングルの初回版は今でも高値がつく一枚です。CDそのものは今でも購入可能です。またアルバム「ALIVE & KICKING」にも収録されています。殊に、「瞳の奥の秘密 吸い込まれそうな・・・」からの音の運び、リズム、水樹さんの声が素晴らしい。

瞳の奥の秘密 吸い込まれそうな 笑顔の裏の真実に
柔らかな愛 僕が届けに行くよ
触れたら壊れそうな 温もりが今 過去を離れ溢れ出す
ずっと側にいるから 悲しい影にまどわないで

 エンディングは「Little Wish -lyrical step-」。こちらはなのはを演じる田村ゆかりさんが歌います。椎名可憐作詞、太田雅友作・編曲。オープニングはストーリーのイメージを反映してどこか憂いのある曲ですが、エンディングは逆にそれを払拭するかのように、ごく普通のかわいい小学三年生のなのはのイメージ。こちらもまだCDの入手は可能です。

2006年10月27日

「魔法少女リリカルなのは」(2)〜変身〜

 「魔法少女リリカルなのは」の世界の魔法は所謂魔法使いのそれではなくて、魔法のプログラムをインストールしたアイテムを使用することによって魔法を発動するというもの。このところがこの作品の背景設定のおもしろいところ。
 発掘をてがけるユーノが発見したジュエルシード、そのジュエルシードを運ぶ時限を越える船は途中で事故を起こし、ジュエルシードをばらまいてしまう。ユーノはジュエルシードが発動して災いを起こさないようにと捜して、封印しようとするが、その最中に封印に失敗して傷つく。ユーノはフェレットの姿になって人間に呼びかけ魔法の素質のある人間を捜す。この呼びかけに応えることのできた“なのは”はユーノのジュエルシード捜しを手伝うことにする。最初の変身はユーノに教えてもらった呪文によって赤い宝石「レイジングハート」を起動させて、なのはのイメージした服装を身にまとい、レイジングハートは魔法のステッキへと変化する。2回目以降はなのはが心に願うだけで起動できるようになる。
 なのはの魔法のアイテムが「レイジングハート」で、そこに魔法がプログラムされていて、なのはの願いに呼応してそれが発動する。そしてなのはの成長に合わせて、また回収したジュエルシードの数で「レイジングハート」もまた進化していくという、未来的な背景設定があってこれもまた「魔法少女リリカルなのは」の魅力のひとつ。なのはの願い(命令)でレイジングハートは英語の電子音で応対します。ネイティヴスピーカーが声を演じているので、異質な世界へ来たようなそんな気分にさせてくれます。
 変身シーンはお約束どおりなのはが全裸に。「セーラームーン」よりもリアルです。「レイジングハート」が魔法のステッキに変化して、それを全裸のなのはが手にすると体にコスチュームがまとわりつくように出現します。ただ変身シーンはこの作品では見せ場ではないですね。

2006年10月26日

キム・イル

 「まんが偉人物語」のように過去の偉人の伝記をアニメにしたものは別として、実在する人物がキャラクターとして一番たくさん登場したのは、僕は数えた訳ではないが多分「巨人の星」だろうと思っている。巨人軍の選手はもとより、セ・パ両リーグを代表する選手達が登場した。「タイガーマスク」もタイガーが日本プロレスを舞台に暴れまわることになるので、ジャイアント馬場やアントニオ猪木といった実在するプロレスラーが登場する。大木金太郎もその一人。
 今朝の朝日新聞の朝刊に「元レスラー大木さん危篤」との記事が出ていた。記事に載っている略歴をご紹介すると、力道山にあこがれて漁船で日本へ密入国し逮捕されるが、拘置所から送られた手紙を受け取った力道山が身元引受人となり、プロレスラーとしてデビューしたとのこと。子供の頃に見たプロレスではジャイアント馬場やアントニオ猪木とともに、日本プロレスで活躍し、その必殺技「原爆頭突き」は圧倒的な強さを誇った。新聞記事にもあったが頭突き世界一を決めるボボ・ブラジルとの対戦は激しいにらみ合いで、お互いの頭突きが炸裂しても一歩も引かなかった。タイガーマスクに描かれている大木金太郎は仲間だが、ジャイアント馬場と袂を分けてからは韓国プロレスの弟子を連れて再上陸し、馬場さんとの晩年の試合は余り良い印象はなかった。
 さて「タイガーマスク」で大木金太郎がピンチに陥った時に、タイガーが「キム・イル!」と叫ぶシーンがあった。このタイガーの応援に大木は復活して勝利をおさめる。そして試合の後で「タイガーくん、君が本名で呼んでくれたおかげで勝つことができた」と感謝していた。知り合いの韓国人も本名で呼ばれるととても嬉しそうな顔をする。
 僕はこのシーンで初めて大木金太郎が韓国人であると知った。長年の頭突きの後遺症で引退後は療養生活が続いていたそうだ。あの一本足原爆頭突き、大木さんの命を縮めることになったのだろうが、今一度見てみたい。
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2006年10月25日

「魔法少女リリカルなのは」(1)

 「魔法少女リリカルなのは」は2004年に深夜枠で放映された魔法少女ものアニメです。原作は都築真紀/ivory、アニメ制作はセブン・アークス、全13話。
 このアニメの特徴は土日の朝枠などの幼児・小学校低学年向けアニメと比較すると、すごく丁寧なつくりで絵がきれいなこと。さすが21世紀の魔法少女ものという感じです。それからキャラクターが男性はかっこよく、女性はみんな美少女系です。そして年齢設定がみんな若い。なのはの両親などは子供たちが大きいのにもかかわらず新婚気分が抜けない二人で、特にお母さんはキャピキャピ。年齢設定はあり得ない程若く、なのはは小学校三年生という設定ながら、同級生のすずかやアリサとの会話だけを聞いていればとてもとても三年生などとは思えません。最低でも五年生クラスの会話。中学一年生かと思うような高度な会話を交わしてます。
 主人公の高町なのはに田村ゆかり嬢。僕はやや大人っぽい声の田村さんの声が好きですが見事に魔法少女を演じてます。敵役フェイト・テスタロッサに水樹奈々さん。こちらも若手の歌う声優さん。主題歌も歌ってます。物語の発端を持ち込んだ異世界の少年ユーノ・スクライアに水橋かおりさん。水橋さんは少女の役がハマリ役ですが、この作品で少年を演じて高い評価を得ています。物静かな大人の女性を演じてもまたいい味を出す方です。なのはの父・高町士郎に一条和矢、なのはの母・高町桃子に天野エリカ、なのはの兄・高町恭也に緑川光、なのはの姉・高町美由希に白石涼子、なのはの同級生アリサ・バニングスに釘宮理恵、同じく同級生月村すずかに清水愛、。導入部に登場するのはこのあたりまででしょうか。
 詳しくはオフィシャルページをみていただくとして、順次「リリカルなのは」の魅力をご紹介していきたいと思います。

2006年10月24日

シャルプラッテン

 「銀河英雄伝説」に用いられた音楽は同盟国歌や帝国軍軍楽曲のようなオリジナルの音楽以外に、いくつかの既存の曲が使用されているが、その大半はクラシック音楽だ。旧東ドイツのレーベル「シャルプラッテン」のクラシックのなかからBGMが選ばれたことは有名。
 最初に作られた劇場版「銀河英雄伝説〜わが征くは星の大海〜」では「シャルプラッテン」のクラシック以外に新日本フィルハーモニーオーケストラの演奏による「マーラー:交響曲第3番」、「ニールセン:交響曲第4番“不滅”」、「ラヴェル:ボレロ」が用いられている。特に第4次ティアマト会戦での「ボレロ」は実に見事なクラシックとの調和でファンの中では知らない者はいないだろう。
 本編ではボレロは確か使われていないが、マーラーの交響曲は第1番から10番まで、モーツァルトの交響曲は第40番と41番、ドヴォルザークの交響曲では第6番から9番、ブラームスの交響曲第1番、シューベルトの交響曲では第1番・2番・3番・8番、ベートーベンの交響曲は第2番・3番・5番・6番・7番、ブルックナーの交響曲では第1番・4番・5番・7番・8番、シューマンの交響曲第4番、ハイドンの交響曲第88番と97番、ニールセンの交響曲第4番と交響曲だけでもこれだけ使われている。手元には第1期の楽曲リストしかないので、第2期や外伝を含めればさらに多くの曲が使われていると思われる。
 今日リストを見ていて思ったのだが、トランペットの協奏曲が3曲も使われている。トレルリ:トランペット協奏曲とアルビノーニ:トランペット協奏曲、それからファッシュのトランペット協奏曲。僕がトランペット協奏曲というと一番に思い出すのはフンメルのトランペット協奏曲だが、銀英伝で使用された曲はいずれも知らない曲だ。しかしトランペットが鳴り響く場面というのはなんとなく想像できる。スペースオペラにぴったりの音という気がする。
 クラシックの持つ格調の高さ、奥行きの深さがゴールデンバウム王朝の品格の高さや、宇宙の深遠さを表わして見事に作品に溶け込んでいる。有名な曲が多いだけに聞いていて心地よさや親しみを感じるというのもクラシックの魅力かなと思う。

posted by KAZU at 22:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 銀河英雄伝説